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横浜市立鴨居中学校の皆さんと一緒にワクワクを育む

関わりのはじまり

鴨居中学校と関わりを持つことになったきっかけは、2021年の夏頃に遡ります。
2021年にサイボウズが未来の教室実証事業を行なっており、経験者である鴨居中学校の齋藤前校長先生(以下齋藤先生)にアドバイスをいただく機会がありました。(鴨居中学校は、城南進学研究社と一緒に2020年度の未来の教室実証事業に参加しています)
そのご縁から、2022年1月にサイボウズから齋藤前校長先生にアポを取り、お話をしたのがきっかけです。

まずはざっくばらんに、鴨居中学校のことをお聞きしたり、教育現場全体についてお話をしていたところ、鴨居中学校には特別支援教室である「和(なご)みルーム」があるということを伺いました。

(横浜市では、特別支援教室を「集団では学習に参加することが難しい児童生徒が、一時的に在籍学級(一般学級・個別支援学級)を離れて、落ち着いた環境で学習するためのスペース」と位置付けて、各小・中・義務教育学校に設置しています。引用元:https://www.city.yokohama.lg.jp/faq/kukyoku/kyoiku/tokubetsu-shien/20211015100524247.html

特別支援教室における生徒の過ごし方として、他の学校で聞いた話などから、こんなイメージを持っていました。

特別支援教室に対するイメージ
・在籍するクラスにいることができない生徒が過ごす場所
・在籍クラスに戻ることが目標なので一時的な場所である
・教室を見守る先生はいるが、勉強の支援はせず、場所の見守りがメイン
・生徒は自分のペースで自習をし、帰宅する時間はまちまち
・担任の先生は生徒がどんな分に過ごしているのかをあまり知らない(伝え合う習慣や手段がない、先生に余裕がない、等背景はいろいろありそうです) 等々

一方、和みルームは、「美術や家庭科など、クラスで授業を受けたい時にはクラスへ行く、それ以外の学習科目は和みルームで自習をする」「支援員さんがいて学習支援をする」「自ら1週間の過ごし方を決め、ICTツールを使い学習を進めている」とのことで、「自分が過ごしたいスタイルを自ら選択し、自分の興味があることを探求している子供がいる」とのこと。(もちろん全員がそうでもなく、いろんな状況があります。)

特別支援教室である和みルームが一時的な場所ではなく、生徒の居場所となっている、学び方や過ごし方を自ら選択できる環境であることに驚きました。

私たちが考えていた、子どもが自分のワクワクを大切にして過ごせる、「ワクワクする子どもの学び場」というコンセプトと近いものがここにあるのかもしれないと思い、改めて齋藤先生に私たちがやりたいことをお伝えしました。
齋藤先生も興味を持っていただき、「おしゃべり会に来てみませんか?」と誘っていただきました。

まずはおしゃべり会をZoom見学(2022/1)

おしゃべり会は、和みルームで定期的に行なっている会です。
生徒たちは、来校する時間がまちまちで、それぞれ自分のペースで自主学習をしているので、お互いを知る機会としておしゃべり会を定期的に行なっているとのことです。私たちはZoom越しで見学させていただきました。
いきなり見知らぬ私たちが参加しても大丈夫なのか聞いたところ、見学する人が来るのは日常的で、むしろ「今日は誰も来ないの?」と生徒から言われるとのことで、見学には慣れている様子です。
私たちサイボウズメンバーはZoomで自宅から参加し、鴨居中学校のみなさんが使うGoogle Classroomと繋いでもらいました。図書館で参加する生徒と先生、自宅から参加する生徒もいて、たくさん話す生徒もいれば、主に聞いている生徒もいました。

その日は、城南進学研究社さん、校長先生(前任の齋藤先生)も入り、「大人は子どもの頃にハマったこと」「生徒は今ハマっていること」をそれぞれ披露していました。
上級生が会をファシリテーションし、生徒が持っているPCで手早く検索し、画面で皆に共有していきます。

とある日のおしゃべり会の様子。大きな画面に私たちが映っているイメージ。

「音楽が好き、ボカロが好き」「歌を歌うのが好き」「こんなゲームをしているよ」など、生徒の中から生まれる好き・楽しいが溢れる会した。

生徒さんともっと関わりたかったけれど、校長先生が退職することに(2022/3)

その後も、おしゃべり会にZoom越しで1-2回参加をしました。しかしZoomとGoogle Classroomを繋ぐこのやり方だと、生徒とほとんど会話ができません。
私たちは、もっと生徒と直接関わらせてもらい、関係性を創りたいという思いを持っていました
同時に、和みルームでも、「おしゃべり会をもっと進化させたい」と考えていて、サイボウズとどんなことができそうか探っていたとのこと。社会のありようを学ぶ場、いわゆるキャリア教育として、サイボウズに関わってもらえないか、という依頼を受けました。

新しい取り組みができそうと期待が膨らんだのですが、同時に、齋藤先生が2022年3月で退職されることも伝えられました。
新しい校長先生の考え次第で、鴨居中学校との関わり方は大きく変わってしまうので、今後どうなるのかな、と心配になったものでした。

新校長の長島先生と和みルーム担当の先生との出会い(2022/4)

新年度になり、齋藤先生が、現校長先生の長島先生、和みルーム管理をしている中村先生、和みルームを終日支援している石井先生と私たちサイボウズをZoomで引き合わせてくれました。

長島校長先生はどんな方なのかと若干の不安を持ちながらZoom会議に臨みましたが、「石井先生や中村先生が継続して和みルームに関係してくれているので、そこに自分も徐々に入っていきたい、そしてサイボウズとの取り組みをもっと進めていきたい」と言っていただけ、とても安堵しました。
さらには、「次回、5月のおしゃべり会の参加人数が多そうだから、サイボウズさん、学校に来ませんか?」と誘っていただくことまで!

5/12に鴨居中学校に訪問することになり、やっと生徒と直接会う機会を持つことができました。

続く。


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