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あめつち【息遣い】

影法師・闇夜の中で・曼珠沙華を
刈り入れ地には・幾本かの・花弁が落ちる
「こうやって・隠すのが私の・業です」と
人目に触れぬ・影法師の・悪事にかまけ
伝播する・笑いにも似た・泣き声が
「本にはなんと・書いてある?」・刈り入れながら
せせら笑う・「気がついたら・遅すぎた。そういう事よ」
暁の・甘露がしらす・ーー時よ新たにーー
   反歌
皇紀二六七九年の春御世の残りも朝の御光

 生沼義朗さんが全引用されたので改めて【息遣い】を。

 同じ『日輪の沈黙』でも評によって見え方が違うな、と思う。

 曼珠沙華の解釈は、この現代長歌集『日輪の沈黙』で

 重大なものなので分かった上で、この箇所を引用されたのだと思う。

 感謝である。

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