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蓮沼明「長歌」歌人
2021年6月14日 19:09
憎しみに瞳を突いた我が父を我が手で殺めし後の盲目目蓋(まなぶた)に割礼を施さん見るものが全て憎しみに満ちる我が道舌を噛みいっそ死のうと思い至りワインで浸す鈍れよ汝(な)が舌近衛兵の目深に被った鍔を愛で星の数より背筋に惹かる国王の睾丸広くゆとりあり曼珠沙華咲く瑞穂の国に我が山が燃えている我が母が泣いている曼珠沙華そのまま燃える腹を切らずに首を落とされる如くこの弛緩した身体に夏が転がる糠