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現代長歌

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「現代長歌」
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2022年11月の記事一覧

ヘブライ詩を理想として【原】

20時。
12分が5回回る。
12進法が腕に絡まる
完全数7は思考と休息の頭に据わる
焼けた肉の匂いが膝を誘う
氷を噛んで夏の汗を味わっている
崩すことは終電までの缶ビールの星
完成まで6年の駅ビルの上層階は重たい葡萄酒

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ヘブライ詩の修辞法――並行法や枠組みについて――

ヘブライ詩を理想として【哀歌的抒情】

嗚呼、琴を奏でてくれるな――
音のしない涙を頬に伝えゆき異国の河に混ざりゆく
嗚呼、言葉を紡いでくれるな――
音のしない涙を飲んであわあわと唇を震わす
嗚呼、人をなぶってくれるな――
喝采をあげる異国の見世物小屋、我が同胞の微かな息
嗚呼、神の名を軽んじてくれるな――
絶望と神の沈黙に突き詰められ我らは河の流れを臨む
    反歌
祖国の歌 笛に遥かな血の疼

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ヘブライ詩を理想として【哀歌的抒情】

嗚呼、琴を奏でてくれるな――
音のしない涙を頬に伝えゆき異国の河に混ざりゆく
嗚呼、言葉を紡いでくれるな――
音のしない涙を飲んであわあわと唇を震わす
嗚呼、人をなぶってくれるな――
喝采をあげる異国の見世物小屋、我が同胞の微かな息
嗚呼、神の名を軽んじてくれるな――
絶望と神の沈黙に突き詰められ我らは河の流れを臨む
    反歌
祖国の歌 笛に遥かな血の疼き涙の河ぞ「わが神『ヤハウェ』よ」