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現代長歌

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「現代長歌」
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2022年8月の記事一覧

現代長歌を熱く語る。Vol.2

現代長歌を熱く語る。Vol.2

もっと砕けよう。
 現代長歌は、元々、種に過ぎなかった。
 私が、やりたかったのは「会話体短歌」という
 今から見れば、不完全で、かつ、欠陥を孕んでいた。
 現代長歌は、コンセプチュアルな短歌から始まっている。

「会話体短歌」とは、「57577」の中で、独白
 のみならず、作中に人物を二人出すという
 コンセプトだった。
 この短い詩形の中に、二人の人物の「会話」を入れる事
 それがコンセプトだ

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現代長歌への熱を語るVol.1

現代長歌への熱を語るVol.1

”現代”長歌なので、現代を考えなければならない。
 歌壇における現代とは「ある歴史的地点から今現在の範囲で行われる短歌一般の活動の時代性」
 とも定義されるかもしれない。
 この定義に従って、ある歴史的地点とは何か?
 といえば、塚本邦雄が積極的に行った「句跨り句割れ」から”現代”は始まり、短歌の韻律は再定義されている。
 ”現代”的であるならば、まず第一に韻律の呪縛から「解放」されていなければな

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晩暉浸礼を享く(昭和二四年)

絞首刑の元帥大将首相また大使総裁、皆勝てば英雄であった
『庭のおもにつもるゆきみてさむからむ人をいとどもおもふけさかな』
首を洗う手が震えている武者震い冷たき水が滴れば目を赤くする
日本国の歴史と共に存する我がこの細き首に熨(の)しかかる運命(さだめ)の重さ
「石原も死んでしまったか。なぁ侍従よ。花を一輪摘んでくれるか」
『夏の日の青天に満つうつせみを数えてはやめ花ぞ一輪』
戦争は確かに終わる。始

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