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SNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(R6年1月~3月)

深夜の時間帯のテレ東系の番組で放送されているドラマ「闇バイト家族」。この中で国際ロマンス詐欺がテーマとして取り上げられていた。


|闇バイト家族

ドラマ仕立てでちょっと現実離れしている内容だが、それでも今話題の一つである「闇バイト」をするために集まった偽装家族が闇バイトを繰り返すというもの。
予想外の展開の連続、人生の再起を図る痛快エンターテインメント!

|ドラマ内の「国際ロマンス詐欺」の事例

ドラマの中で「国際ロマンス詐欺」が取り上げられていた。偽装家族の母親が、イケメンの韓国人留学生と出会い舞い上げる。
この留学生からプロポーズされたが、帰国して結婚の準備をするため資金が足りないので300万円を都合して欲しいと要求されるというあらすじ。

まさにロマンス詐欺の代表事例のようなものだね
その後の顛末は次週に持ち越されたが・・・・どうなるか?

|ロマンス詐欺と国際ロマン詐欺

〇 ロマンス詐欺
ロマンス詐欺は、主にインターネット上の交流サイトなどで知り合った相手を言葉巧みに騙して、恋人や結婚相手になったかのように振る舞い、金銭を送金させる特殊詐欺の一種。

〇 国際ロマンス詐欺
国際ロマンス詐欺は、SNSやマッチングアプリ上で外国人を装ってターゲットに近づき、相手の恋愛感情を利用して金銭を騙し取る詐欺の手法を指す。別名「ナイジェリア詐欺」とも呼ばれており、被害者は男女問わず広範囲に及んでおり、最近急増しているという。

実は両者とも昔からある恋愛詐欺の一種ともいえる。恋愛感情を利用するという手口の詐欺なのだが、最近ではSNSなどをその媒体にしていることが多く、警察などでは「SNS型ロマンス詐欺」などと呼んでいる。

|ロマンス詐欺の種類
近年主流となっているロマンス詐欺の代表的な手口として三種類がある。

①:投資型
ロマンス詐欺師は、SNS・マッチングアプリ・言語交換アプリといったあらゆるところに出現する。
最初はたわいもないメールのやり取りや会話から始まり徐々に投資信託・FX・暗号資産で儲かった話をし投資を進める。
投資話を渋ると少額で試してみないかと誘われ実際に利益を出させて信用させ、高額な投資を進める。

②:恋愛型
恋愛型ロマンス詐欺の手口は、投資と絡めてお金をだまし取ることもある。特にマッチングアプリに多くロマンス詐欺師が潜んでいるといわれている。
メッセージのやり取りを早々に海外のロマンス映画で出てくるような甘い言葉を巧みに使い、恋愛や結婚を匂わせ恋愛感情を抱かせ恋人関係を築こうとする。
知り合って間もないのにディープな内容の話をし、伴侶との死別や子供や親族が難病で苦しんでいるというような悲しいエピソードや、結婚をチラつかせ個人情報を聞かれたりする。

③:友達型
趣味について発信しているSNSにロマンス詐欺師が多く潜んでいるといわれている。
容姿や趣味を褒め好意的印象を与え、メッセージを継続し半年から1年ほどかけて信頼関係を築く。
信頼関係を築いたあとに「詐欺に騙されたからお金を貸してほしい」「治療費が払えないから貸してほしい」というような虚言を用いる。

以上のような三種に集約されるが、その中でも
 SNS型投資詐欺やSNS型ロマンス詐欺
が急増している。また高額の被害も発生しているのだ。

|警察庁が公表したデーター

警察庁は2024年5月17日、「令和6年1月~3月におけるSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について」を公表した。

〇 概要
2024年1月~3月における、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の認知件数および被害額が、前期や前年同期に比べて大幅に増加しているという。(下表参照)

警察庁公表データをもとに作成

上記のグラフは、2023年1月~2,024年3月までの全国の都道府県警察が認知したSNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数と被害額をまとめたものであるが、いずれも2023年後半から増加を続け、特に投資詐欺については、2024年に入って大幅に増加していることがわかる。
なお、公表されたデータを要約すると以下のとおり。

〇 2024年1月~3月の期間における認知件数と被害額は、
 SNS型投資詐欺の認知件数は1700件、被害額は約219.3億円
 SNS型ロマンス詐欺の認知件数は603件、被害額は約60.6億円
であった。

〇 1件あたりの平均被害額は、
 SNS型投資詐欺が約1300万円、
 SNS型ロマンス詐欺が約1000万円
である。

なお、被害額の最高は、
 SNS型投資詐欺で4億5000万円、
 SNS型ロマンス詐欺では約1億2000万円
と高額である。

〇 検挙状況は、
 SNS型投資詐欺が5件で4人
 SNS型ロマンス詐欺が4件で5人

〇 被害者の年齢・性別では、
SNS型投資詐欺では、
 男女とも50~60代が多く、全体の50%を超えて
いる。
男女別では男性の方がやや多い。

SNS型ロマンス詐欺では、
 男性は50~60代の合計で50%を超えて
いる。
 女性は40代が最多で、40~50代の合計で50%
を超える。
男女別では、男性の方が6割と多い。

〇 投資詐欺で被疑者が詐称した職業は、
 投資家(32.5%)、その他著名人(19%)、会社員(3.5%)
などで、投資家や著名人が約半数である。

〇 被害者が最初に接触するのは
 バナー広告(49.6%)が多く、ついでダイレクトメッセージ(17.6%)。

〇 最初の接触ツール
 男性は、LINE(20.5%)、フェイスブック(20%)、インスタグラム(19%)、投資のサイト(10.5%)
 女性は、インスタグラム(35.5%)、LINE(18.5%)、フェイスブック(13.1%)と男女差があるが多様である。

〇 被害時の連絡ツール
 LINEが圧倒的に多く、90.4%を占める。
連絡ツールを移行したうえで、預貯金口座への振込により詐取するケースが多い。

〇 被害金は振込が89.5%、暗号資産が7.5%

|おわりに

一人1台+@のスマホ等の時代が急激に到来したためか、これらをツールにした詐欺が急増している状況にある。
投資詐欺やロマンス詐欺には十分注意したいものですね。
 ・お金が絡む相談はすべて断る
 ・個人情報を教えない
 ・共有されたサイトにアクセスしない
などを徹底するとよいですね。

そして万が一被害にあった時には、消費生活センターや警察署に早期に相談しましょう。


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