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自転車運転者講習制度_ご存じですか?

自転車運転者が一定の交通違反を行った場合に「自転車運転者講習」を受けなければならないのだがご存じ?
青切符制度による取り締まりが始まるとこの講習受講義務を命じられる自転車利用者が増えると想定されると考えられるのでこの制度を振り返えることにする。


|自転車運転者講習制度とは

自転車の運転による交通の危険を防止するための講習(自転車運転者講習)制度は、自転車の交通ルール遵守を徹底するため、自転車の運転に関し一定の違反行為(危険行為)を3年以内に2回以上反復して行った者に対し、都道府県公安委員会が講習の受講を命ずるもの。

この制度は2015年6月1日施行の改正道路交通法に基づいて運用が開始された。

|自転車運転者講習の対象者は

自転車を運転して信号無視等の危険行為(15類型)を行い、交通違反として取締りを受けた、または、交通事故を起こして送致された者が対象である。

ただし、3年以内に違反・事故を合わせて2回以上反復して行った場合に対象として受講しなければならないのだ。

自転車の交通違反に関しては、全国的に管理されているのでどこの都道府県で交通違反で検挙された場合でもカウントされることになる。

講習の対象となる危険な違反行為(15類型)

|受講命令

都道府県公安委員会が、対象者に対し自転車運転者講習受講命令書を交付することになる。
受講命令の内容は、「受講命令書交付後3ヶ月以内に自転車運転者講習を受けることを命ずるものである。

|講習の手数料等

この講習は3時間の座学であり、手数料として6,000円を要する。

|罰則

受講命令による自転車運転者講習は義務であり、これに従わなかった場合には罰則が科せられる。罰則は5万円以下の罰金。

|自転車運転者講習受講状況

自転車運転者講習制度は、2015年6月から運用が開始されたが、その運用状況は下表のとおりである。

これまでは取り締まりが赤切符等により処理され、すべて検察庁に交通違反事件として書類送致されていたことから検挙件数も2万件程度であり下表の危険行為登録件数が違反者数といえる。

R4年中でいうと2万8021件が違反として登録された件数であり、受講命令対象となり受講した者の数が510人であったということで、せっかくの制度も十分に活用されていない状況にあるといえよう。

警察庁データをもとに筆者が表を作成

|反則切符導入による受講者の増加?

2024年5月公布の道路交通法の改正で、自転車の違反取締りに交通反則通告制度が適用されることになった。

施行は2年以内とされているが、現状で年間130万件以上の指導警告書が交付されているという状況を踏まえると、交通反則通告書(いわゆる「青切符」)による取り締まりが始まると、取り締まりの対象となる自転車運転者が大幅に増加するものと推察される。

そしてこれら自転車の交通違反で取り締まりを受けた自転車運転者の中で「自転車運転者講習制度」の対象となり受講義務を命じられる者も増加し、自転車の交通安全教育を受ける機会のないアウトローな自転車運転者に対する再教育の機会になると思われる。

|おわりに

今更だが、自転車利用者には、これまで以上に「自転車は車両だ」という意識を持っていただきたい。
そして基本的なルールを学び、これを順守する、実践するように努め、反則通告制度が始まってから違反として検挙され、自転車運転者講習受講命令を受けることのないように、そして交通事故等に巻き込まれないようにしてほしいですね。

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