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交通安全教育指導者研修会の講師を~R5年度

交通安全教育指導者研修会の講師を努める

(一財)JTRASが開催する令和5年度 交通安全教育指導者研修会」(Web開催)の講義をひとコマ(60分)を担当させていただきました。

講義のテーマは「自転車の交通安全」
今回の講話は以下のような概要でした。


1.自転車事故の実態

・1全事故が減少する中、自転車事故の構成率が高い
・24時間経過後30日以内の死者が多い
・24時間~30以内の死者数の構成率が他の車両等より高い
・単独事故の死者数が多い
・単独事故での死傷者数が増加(2022年は2017年の3.2倍
自転車事故防止上、注目すべき数字である。

2.交通安全教育の進め方

・生涯教育としての交通安全教育
・交通安全教育は家庭から~日常が安全教育「親の背中」
・受講者の年齢や既得知識、自転車利用の実態など関わり方などに応じて指導することが肝要。

✨  具体的事例 ✨
(1) 信号の見方
 ・ 子どもは、歩道通行時は横断歩行者用の信号機、車道通行時は車用の信号機に従おうでもよいが、車道通行が原則の年齢前後になったら、どの信号機の信号をみて従うべきかを具体的に説明し理解させることが重要。
※車の運転者でも自転車がどの信号に従うべきかを理解していない人も多い。
・さらに年齢が上がったら、信号無視とリスクについて(交通事故時の過失相殺、自賠責保険の重過失減額などのリスク)を説明する。
・注意すべきは「歩行者・自転車専用」の標示板の意味、スクランブル交差点で自転車が従う信号は、その意味など。

(筆者撮影)

(2) 一時停止の目的等
・一時停止「停止線直前(交差道路の直前)で停止する」ことの理由。
「交差道路に車輪がはみ出させない」、「交差道路の進行を妨げない」ことで安全を確保する。
・停止したあと、左右の安全確認できるところまで進行する場合には具体的にはどうすべきかを指導する。~発進停止を繰り返し小刻みに安全確認することが重要~判例

(筆者撮影)

(3) 自転車の急な進路変更
・自転車運転中に進路変更する場合に右後方の安全確認が必要と指導するが,運転中は体幹が安定せず右後方を確認しようとするとハンドルが右に取られて曲がってしまう。自転車運転者はもとより車側にも理解を求めることが必要。
・車の運転者の立場では「急に進路変更した、飛び出した」ように感じる。
・高齢者等運動機能の衰えを実感できる指導方法が必要。

3.最近の自転車を取り巻く情勢等

(1) 自転車の交通違反に対する新たな制度の検討⇒青切符の導入の検討状況について
青切符制度の導入の検討、法改正が必要
交通安全教育等の重要性の議論あり⇒自転車運転者講習制度とのリンクなど。
 
(2) 自転車保険の加入義務化
自転車活用推進本部の有識者検討会での意見等の概要について
自転車損害賠償責任保険の加入の必要性と種類、補償効果など
自治体毎の条例内容を理解して指導することが必要である。

(筆者加工作成:リンク先 https://www.jtsa.or.jp/ )

付帯保険と補償内容について
クレジットカードやヘルメットなどに付帯している保険、TSマークシールに付帯する保険などがある。
・一般的には限定的な補償内容であるが、TSマーク「緑」は1億円まで補償で限定なし。
保険加入募集や手続きは、保険業法により、募集人資格が必要。

(3) 特定小型原動機付自転車等新たな制度
・市販品をみると「電動アシスト自転車、特定原付、フル電動自転車(一般原付等)」に大別できる。
・「電動アシスト自転車」という名称であっても「一般原付」に該当する性能の製品があり、運転免許や自賠責保険の加入等が必要
・特定原付として販売されていても性能基準を逸脱する製品もある。この性能を逸脱する製品は「一般原付や二輪車(併せて「一般原付等」と称する)」扱いに。
「スリーモード切り替えタイプ」として販売している製品は、公道走行は全て一般原付等区分であり運転免許等を要する
基本的に切り替え式は認められていない(除く「モビチェン」)。
性能基準適合品を選ぶためのポイント
 ☆電動アシスト自転車基準適合性品には「黒のTSマーク」シールが貼付

(筆者撮影) 

 ☆特定原付には「性能等確認済証」「型式指定」のシールが貼付

各シールを貼付するためには事前の性能審査(性能試験)があり、基準に適合した製品にのみシールを貼付できる。
なお、審査を受けるかどうかは、制度上「任意」である。

というような概要でした。

省みて

途中動画を使いましたが、再生等にトラブルが発生・・・・。
時間の関係もあり、内容が深掘りできなかったと反省。
受講者のみなさまの記憶に残ることがひとつでもあれば・・、少しでもお役に立てば良いのですが・・・。
交通安全教育や自転車対策をされている皆さん、頑張ってください~m(__)m

   

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