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NEW◯RDER -開幕までの独り言

飽和時代、

モノで溢れる東京という街で

間借りでスープカレー店を開業することにした。


料理が得意なわけでもない。

スープカレーしか作れない。


肩書きなんて全くもってない。

そんな私があえて東京で

素敵なお店で溢れるこの街で、

スープカレーを出すことになった。


「地方の方がいいんじゃないか。」

「オンラインショップでもいいかもしれない。」


とかなにやら色々考えて悩んでみて

結果、出店することにした。



訪れたイヤイヤ期


18歳で大阪から上京し、

東京に住んで早7年目。

ある時唐突に、

東京に嫌気がさした。


この街は何か大切なことを

置き去りにして進んでいる気がする。


何故こんなにも、

人同士の想いの循環が止まっているんだろうか。


いつでも行けるは価値をなくす、

いつでも食べられるは飽きられる。


何かを買う時に

誰が書いたかもわからない口コミに頼ったり、

SNSで知名度のある方が紹介した

お店が爆発的に流行ったり。


口コミやSNSの情報を否定しているわけじゃない。

勿論メリットも沢山ある、

手軽に素敵なお店に出会えるのは良いこと。


だけど大半は、

そこにいる人が見えない、見ようとしない。

そこに触れられない。

型にはめられた情報だけ、

そんな時代で生きていかなきゃいけない。


オーガニック、無農薬、無添加、

フェアトレード、SDGs、サスティナブル。

カテゴライズしないと伝わらないモノたち。


本当に伝えたい奥底にある、

言葉だけでは伝わらないそこにある誰かの気持ち。


商品を売るために使われるワード、

言葉が先行する時代。


初めはみんなが飛びつくそういったワードも、

時間が経てば’ダサいもの'に変わる。


そういった繰り返しに、飽き飽きした。


つまらん。

そうじゃないやん。

伝えたいのはそこじゃない。

そこなんだけど、なんか全然違うんだ。


大切な何かが宿っていないモノを、

買うのも売るのも嫌。


私を取り巻く全てのモノに、

意味が、

愛が、宿っていて欲しい。


循環したい。

しっかり受け取っていきたい。


そう意識するようになった、

お金の使い方も変わった。


言葉が悪い筈はない。

むしろ言葉はとっても大事なモノ。

人と人が、関わり想いを伝え合い、

循環するためになくてはならない素敵なモノ。


でもあくまでモノ、

大切なのは言葉に乗せられた目に見えないそれ。

それを自ら見つけようとすること、

見失わないこと。


東京の時間は田舎より早い。

猛スピードで過ぎていく日常の中で、

その大切な何かを忘れず拾っていけるよう、

意識し始めた。


モノだけでは伝えきれない何かが、

そこに宿ってる。

今私たちが生活するのを助けてくれる

全てのモノに、

誰かの見えない何かが隠れている。

その一番大切な何かを、

『安い』だったり『高い』だったり、

簡単に"サービス"なんか言ったりして、

コスパが良い悪いなんかで判断しないで欲しい。

簡単に型にはめないで欲しい。


なんて、大それたことを生意気に言ってみるけど

本当に難しいことだとは理解しているつもり。


だけどそうやって生きていたい。

それが当たり前になって欲しい。

そんなことを考えるようになった。


そしてそれをスープカレーで伝えられる人に、

なってみたいと思ったの。






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