BCAAの持久力競技への影響
こんにちは、大学の学部時代に食品科学を専攻していたNKDです。
食品栄養学の授業で、"BCAA"とか"クレアチン"みたいなワードが出るたびにテンションが上がっていました。笑
今回は、そんな授業でも出てくる"BCAA"についてのお話です。
BCAAとは
運動時の筋肉でエネルギー源となる必須アミノ酸である、バリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。
BCAAは筋タンパク質中に非常に多く含まれており、運動時にエネルギーとして使われる等、様々な役割を担っていると言われています。
今回の論文について
先述したような役割を持つBCAAは、サプリメント業界で注目を浴びており、今日では運動パフォーマンスへの貢献度についての研究報告も増えてきました。
そこで、「色々報告(論文)が増えてきたから、ここらでおさらいして内容をまとめちゃおう(^ω^)」という"Review"と呼ばれる形式の論文の内容を今回紹介します。
タイトルは「EFFECTS OF BRANCHED AMINO ACIDS IN ENDURANCE SPORTS: A REVIEW(BCAAの耐久性スポーツへの影響:レビュー)」です。
本論文は、スペインにあるアリカンテ大学の研究グループが2015年までに報告されている論文の内容をまとめた文献です。
今回は本論文の内容から、実験方法等は省略して"BCAAの効果"について抜粋して述べたいと思います。
BCAAの効果
とある一つの試験の内容と結果を例としてあげます。
※CK, LDH→筋肉損傷度の指標。値が高いほど筋肉損傷が大きい。
事前にランナーの筋損傷を調べ、2gのBCAAsを1日3回摂取するのを3日間継続し、4日目に1gのBCAAsを25kmレースの30分前に与え、レース中5kmごとに、無制限にオンデマンドで飲ませた。その結果、検査後の血中CK値は、ベースライン値と比較して、BCAA群で2.7倍、対照群で3.7倍に上昇したという。LDHについては、BCAA群で1.2倍、対照群で1.4倍に増加した。
この結果は、BCAAの摂取が持久競技による筋肉損傷を緩和したことを示しています。
他の研究においても、筋肉損傷の抑制や筋肉痛の減少が報告されています。
しかし、最適な服用量に関しては諸説あり、確固たる結論を導き出すことはできません。プラスの効果があった研究のほとんどは、1日あたり6〜12gの範囲内なので、これが参考値となります。
結論
ずばりBCAAは、
筋肉損傷は抑制するっぽいが、まだまだ謎が多い
ということでした。
BCAAに関しては色々研究がなされているのですが、パフォーマンスへの直接的な影響(例: 出力が○%上がる)は確認されておらず、前述の通り最適な摂取量も曖昧です。
現時点ではエビデンスが弱いので、無理して買うくらいならプロテインを買う方がよっぽどいいでしょう。
筋トレに関する文献を読んでも、BCAAがそこまで推奨されていないのはこういうバックグラウンドがあるからなんですね・・・。
あとがき
いかがだったでしょうか?
サプリメント業界では有名なBCAAですが、まさかまだこんなにも効果が未知だったとは思いもよりませんでした😅
せっかく課金するなら効果が確実にある物を優先すべきですし、良い買い物をする上で今回のような情報を知っておくのも大切ですよね🤔
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大学院での中間発表が近いですが、今週末にもう一本くらい記事書こうかな(震え
それではまた次回〜👋
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