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「UTのウォーミングアップ」/とある製品のデザイナー&リサーチャー小話 in Cybozu

こんにちは。CybozuGaroonという製品を担当しているデザイン&リサーチチームです。今の自分達のチームにあったサイズ感で定期的に情報発信できないか考え、サクッと読める「小話」という感じで投稿しています🙂

登場人物
河内山:デザイナー歴10年+/担当製品Garoon
Nia:デザイナー歴3年+/担当製品Garoon
白石:リサーチャー歴10年+/担当製品Garoon

河内山:
今回はUT(ユーザビリティテスト)のウォーミングアップをテーマにしました。日ごろからGaroonで実施しているUTはデザイナーも参加しているのですが、リサーチャーの白石さんがメインのテストをやる前に協力者(被験者)とのアイスブレイクや発話練習をしているのを見て、ノウハウがたくさんあると思ってまして。今日はそのあたりをいくつか紹介してもらえればと思っています。よろしくお願いします。

白石:
はい、ぜひ!
協力者の方には最初にUTの説明をするのですが、説明だけだと初めての環境で不安でしょうし、何をするのかイメージしにくいと思うんです。なので、テスト用のタスクをやる前に、ウォーミングアップの時間を取るようにしています。
ウォーミングアップでは、主に思考発話の練習をします。普段、人に聞こえるようにずーっとブツブツ話しながら操作をする人ってなかなかいないと思います。でもUTになると、その時に考えていることや、感じたことを声に出してもらわないと観察者はなぜそういった操作をしたのかがわからないんです。なので、まずは「心の声を実況中継してみましょう!」と言って、発話練習をしてもらうようにしています。

河内山:
確かに社内で協力者を募ることも多いのですけど、「UTは初めてです。」という方がたくさんいる印象を持ってます。

白石:
ウォーミングアップの環境はタスクで使用するものと合わせるようにしています。例えば、リリースした製品を使用する場合は別の機能を使ったり、パワーポイントでプロトを作った場合はパワーポイントだったり。ちょうど先日Figmaで作ったプロトのUTがあったので、河内山さんにウォーミングアップ用のFigmaのプロトをつくってもらいましたよね。タスクにとてもスムーズに入れて、大変助かりました!

河内山:
ウォーミングアップ用のFigmaは最近つくりましたね。これはUT用のプロトはFigmaだけど、ウォーミングアップはリリースした環境でやっていた時に、UTに同席していたPMから「Figmaのプロトタイプの挙動って普段操作しているものと違うので、練習用もFigmaにしてみては?」と提案されたのがきっかけでした。

Nia:
普段触っている製品とFigmaだと、先ほど河内山さんがコメントしたように動きが異なりますよね。文字入力ができなかったり。慣れていない方法での設定や登録を行うこともあるので、協力者が予想しない動きをすることもあります。Figmaでできる動きも制限があるので、UT用の操作プロトを作成する際はできるだけ協力者が違和感がなく操作できることを心がけています。

河内山:
文字入力でいうと、入力フォームにフォーカスをあてようとクリックすると、想定した文字がはいった状態になります。この辺りで協力者がちょっと驚くケースもあるので、先に慣れてもらうのは大事だなと実感してます。

白石:
はい。「これはプロトだからかな?」 とか、「余計なところを押したら壊してしまうんじゃないか」などと思ってしまって、思考や探索をストップしたり、UTとは関係のないことが気になってしまうことは避けたいと思っています。

河内山:
UTで検証したいことに集中するため、ノイズをできるだけ減らすという観点は本当に大事ですよね。実際、最近のUTで協力者が「事故が心配だったので、気になったけど操作しなかった」とコメントしていて、「(テストとは関係ない懸念だったため)これはまずい!」となりました。次のテストでは「テスト環境なので、大事なデータが削除されるようなことはないです。」と事前に伝えるようにしましたよね。

白石:
そうですね。観察者に見られている環境で操作するっていうのは誰でも緊張しちゃうと思います。そういった意味では、アイスブレイクやセッション中のコミュニケーションも大事にしていて、「いつも通りで構わないんですよ」っていう雰囲気作りを心掛けるようにしています。

Nia:
私にとって、UTというものは少しお堅いイメージがあります。ですが白石さんがモデレートしている時は終始和やかで、リラックスした雰囲気で行われています。白石さん自身もUTを楽しそうにやられているので、それも協力者をリラックスさせる1つの要因な気がしていて、とても素敵だなと感じます。

河内山:
そのあたりは僕もすごく共感します。白石さんは社内協力者だった場合は、事前に社内の自己紹介情報とか見たり準備してますよね!すごく感銘を受けています。このあたりの工夫ってリサーチの教科書とかには載っていない気がするので、ヒューマンスキルだと思ってます。

白石:
ありがとうございます。社内だったら情報を集められるので、なるべく事前に調べるようにしていますが、調べられないケースもありますので、相手の方の反応をみながら、コミュニケーションを取るようにしています。ちょっとしたことなんですけど、リサーチの面白いところの1つかな、なんて思っています。

河内山:
なんか最後に真髄が来たって感じですね。

(終)

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