幻想なるウィザードリィ迷宮絵師・末弥純先生
Wizardryと言えば末弥純先生。圧倒的な画力で冒険のイマジネーションをかきたててくれました。先生はファミコン版のイメージが強いと思うのですが、実は担当なさる前にログインで度々イラストを提供していました。
今回は幻想と魅惑に溢れたウィザードリィの迷宮世界をご紹介します。
ウィザードリィの魅力は十人十色の冒険譚があることです。パーティーのメンバーは皆個性的でした。種族・職業・性別・性格・年齢・そしてキャラクターの生と死と灰・・・一人一人にその物語が刻まれていきます。
ウィザードリィはプレイヤーの想像力が試されるゲームです。だからこそ多くの人々に愛されたのでしょう。
ウィザードリィの想像力は戦闘などより何気ないシーンで必要とされると思います。仲間を失い傷つきながら帰還した戦士、死闘を終え宝箱を開ける緊張の一瞬。通常のゲームならワンクリックで済む場面こそ、プレイヤーのイマジネーションが試される瞬間です。
末弥純先生はその瞬間を色濃く描いています。
末弥純先生ご本人による貴重なインタビュー記事。アップルⅡの英語版からプレイされていることは有名ですが、御夫婦でウィザードリィのファンなんて素敵ですね。長髪が似合うダンディな方で、いかにもウィズのキャラにいそうです。奥様は服飾関係のデザイナーとのことで、先生のイラストに登場する独特な服装は奥様の協力があったのかも。
しかしログインの記者さんも、もう少しちゃんとしたインタビューをして欲しいなあ。コレ酔っぱらって原稿書いてるでしょ😁ただこの頃は先生はよくアスキー編集部に遊びに行っていたそうなので、身内のような感覚だったのかもしれません。
ウィザードリィ#2 ダイヤモンドの騎士のログイン誌での広告。なんと物語に沿って毎月違う内容という超贅沢仕様なんですよ!まるで冒険者たちの息づかいが聞こえてきそうな迫力ですね。この主人公の騎士とプリーストは末弥純さん御夫婦がモデルなんでしょうか。1987年でファミコン版やMSX2版の担当をされる前のものです。
同じく87年のウィザードリィ#3 リルガミンの遺産のイラスト。この広告は僕が知る限りログインにしか掲載されていませんでした。なんて贅沢な。
僕はMSX版発売前だったので、リルガミンの遺産は友人のFM7版で攻略していました。友達が善・僕が悪のパーティーを担当して、学校の休み時間に作戦会議。13歳の僕たちにはそれが凄く大人びたプレイに思えたのです。
ゲームアーツ著のウィザードリィマニュアルを片手にの冒険は本当にワクワクしました。この広告を見ながら友達と教室で語り合ったことも懐かしい思い出です。
「末弥純先生のグラフィックでウィザードリィが出来たらなあ」
そんな夢をMSX版は適えてくれました。87年の夏休み、僕は狂王の試練場での修練と探索に明け暮れていました。あの時の自分が紡いだ物語を僕は生涯忘れないと思います。皆さんにもそんな「自分だけの冒険譚」があるのではないでしょうか☺️