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人材流動的国際都市【滞在記・ベルリン④】

国際都市

割といろんな国の人がいた印象がある。観光客が2017年には1300万人も訪れる観光都市でもあり、誰が観光客なのかわからないくらい、普通に移民の多い都市でもある。友人の会社はドイツの企業ではなかったし、その会社の共通言語は英語であった。ヨーロッパ各国を始め、南米の人もいた。

職場以外で英語が通じるところも、まあまあ多かった。スーパーのおばちゃんだとか、パン屋のおじちゃんには通用しなかった。新し目のカフェとか服屋の店員さんみたいに、若い人は話せる人が多かった。

ちなみにドイツ語は付け焼き刃でちょっと覚えたので、基本的な挨拶と数の勘定はできた。だからか知らないが、大体なんとかなった。

ちょっと郊外に行くと観光客ぽい人が途端に少なくなる。
ベルリンの周辺には湖がいくつかあり、週末にでかけたことがある。例えばWanseeは避暑地として機能しているらしく、湖畔には別荘が点在していた。

👆お城っぽい。

👆船は貸し出されており、免許があれば乗れる。

湖水は透き通っており、岸からちょっと進むと水深がぐっと深くなる。結構というか、めちゃくちゃ深い。油断したら普通に溺れる。
湖上にはジェットスキーやヨットを楽しんでいる人がちらほら。
ここもベルリンの市街地とはかなり印象が異なった。

現地の人が観光に使うようなところなので、あまりアジア人を見かけなかった。私はかなり浮いていたに違いない。

街の中心部はクレジットカードが使えるところが多いが、小さいお店や郊外は大体キャッシュオンリーなので注意が必要だ。

👆湖畔にて。ワインを飲んでいるのは、私ではない。

仕事を求めて往く人来る人

最近ではスタートアップがこぞって集まるようなイメージが定着しつつある。ベルリン、スタートアップ、みたいな単語でググると、そういう記事がいっぱい出てくる。

ドイツ出身の人で、ベルリンを良く言っている人にあまり会ったことがない。大半はケルンやデュッセルドルフ、ハンブルグやミュンヘンといった都市が推しらしい。ベルリンをドイツだと思わないでほしい、みたいなことを言っていた人もいたっけ。
反対に、日本からドイツに行った人は、皆住みやすい、暮らしやすいと言っていた。一体この違いはなんなのか...

ドイツに関して、私はベルリン以外に足を伸ばしたことがないからわからない。こればかりは他の都市へ行って確かめるしかない。

ベルリンがあまり好きでない人は、治安の悪さ、街の通りの汚さを上げていた。たしかに、治安はあまり良くなかったかもしれないし、通りが汚ないのは確かだ。あとは、求人の少なさと、給与水準を上げている人がいたっけ。

ベルリンはドイツの中でも失業率が高く、2017年のドイツの失業率が5.3%なのに対し、8.4%ある2005年には19%を記録している


ドイツっぽさがないというのは、まあ移民が多いからということも影響しているのかもしれない。たとえばフランスのパリは、現地出身の人に言わせてもフランスじゃないというくらい異色なところだという。移民が多い街が、その国の特色を変えてしまうのは無理からぬ事だ。いい悪いは別として。

人によって好き嫌いが分かれる。ソースは私が出会ったひとだから、私の観測範囲でしか無いが...

営業で来ている人は、そもそも滞在期間がそんなに無いから、毎晩どっかのミートアップに参加して、SNSに写真を上げまくってエンジョイしていた。とても満足度は高そうだった。

ライターやデザイナーといった、クリエイティブ職の人の満足度は、かなり高い傾向にあった。これはベルリンがアートの街だからということと関係があるのかもしれない。なにか親和性というか、肌に合うものがあるのだろう。美術館も多いし、先鋭的なものから古いものまで幅広く芸術的な要素に触れられるのは、きっと魅力に違いない。

エンジニアみたいな技術職の人は、半々というか、どちらかというとベルリンを嫌いになる傾向が多かったという印象がある(あくまで私の周囲の話である)。日本でドイツ出身のエンジニア(GAFAのどこか)と話したことがあるが、彼は結構な勢いでDisっていた。エンジニアの人は、安心して過ごせるところを好む傾向が強いのかもしれない。

イタリア人の友達(エンジニア)は、ベルリンに来てみたはいいものの
「待遇も仕事も悪くないんだけど、物騒なので転職したい。妻と子供が心配なんだ」
と言って、3ヶ月位したらベルリンを後にして北欧へ旅立っていた。
彼の会社はクロイツベルグにあって、住まいもその周辺だったらしい。それは住んだエリアが悪かったな...という感想である。

人材の流動性も高そうだ。

私の感想

私の感想は、割と住みやすいんじゃないの?というくらい。さほど良い印象もないが、悪い印象もない。

よくサービスが無愛想だという話を聞くが、私はあまり気になった覚えがない。スーパのレジ打ちの人は普通に座ってて「よう、元気?」みたいにカジュアルに話しかけてくる。確かにこれ立ってやる業務ではないよなと学びがあったし、軽く挨拶するのはなんかほっとする。無愛想に見えるけど、彼らなりに接客はちゃんとしているつもりだし、まあ日本じゃないしなあと思えば気にもならない。

AlexanderPlaz周辺に赴けば、大体必要なものは何でも手に入る。デパートや家電量販店が数多く立ち並んでいるこのエリアは、少し歩けば洒落た洋服だったり雑貨だったりと、こじんまりしたお店もたくさんある。買い物しなくても歩いてるだけで結構楽しかった。

暮らすには便利。最初の記事でも書いたとおり、交通費が安上がり。
自転車屋さんが市内に結構ある。新品から中古まで。
中古の自転車は数百€で手に入る。
(安すぎるのは盗品の可能性があると言われたので注意)

野菜や肉類なんかの食品も安い。外食してもそこまで高くつかない。

週末になれば蚤の市のようなものが開催されるところもちらほらあって、フリマ的にものを売ったりするところもあれば、普通に移動販売しているお店もある。そういう場所で思わぬつながりができたりすることもある。


ヨーロッパの各都市にもアクセスがしやすいから、他の国へ行きやすいという点もポイントが高い。

あとは、ベルリンのファンみたいな日本人の方々がいて、皆親切である。おすすめのお店とか、街の罠みたいなことをすごく懇切丁寧に教えてくれる。

健康都市

どこに書くか迷って結局最後になったのだけれど、健康的な人が多い。見た目が。

サッカーといい、クラブといい、もともと体を動かすことが好きなのかもしれない。男女問わずガタイがいい人が多く、ワークアウト頑張ってます、という感じだ。姿勢もいい。

私が一緒に並ぶと、ずいぶん貧相な体つき見えたに違いない。

運動不足で気持ち悪くなったので、市民プールのようなところに何度か行った。そのときにみんなゲームに出てきそうな身体だったので、自分の貧相な体が恥ずかしくなった。

日本に帰って私はジム通いを始めたが、このときの体験が元になっているのかもしれない。

おわりに

なんと4回にも渡ってしまった。

ベルリン、暮らしやすくて悪くないと思う。でも次回ドイツに行くときは他の都市を回ってみたい。

お察しの通り、ベルリンは他の都市と比べると少し滞在期間が長い。あとは、これも気づいている方はいるだろうが、回を追うごとに記述量が増えていっている。書くことに慣れてきて、あれもこれもと内容が増えてきたということもある。

こういう滞在記みたいなのはその時にしっかり書いておくべきだなとしみじみ思った。小分けにするつもりが、分けた分だけ分量が増えており、これだけ時間がたっても書きたいことは結構あるのだから、そのときに感じたり気づいたりしたことはもっと多かったのではないかと思う。

頼まれて始めたことだが、やってみてよかったと思う。
今書いているのは、誰かのためというよりいつか読み返す自分のためなのかもしれない。

次回の滞在記はロンドンを予定。
ではでは、Auf Wiedersehen.

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