Borough Market【滞在記・ロンドン③】

また別の週末の話。

「ねえ、BoroughMarketいこうよ」

ボローマーケット、と由理恵は言ったが、日本語表記だと「バラマーケット」となっていることが多い。

「なにそれ？」
「知らないの？ロンドンの築地よ。」

今は豊洲、というべきなのであろうか。当時はまだ移転問題でもめていたときだった。

地図で見たら結構宿から離れている。

「遠い？遠くない？」
「晴れてるんだし、お散歩。いいでしょ」

やれやれ。まあでも歩くのはそんなに嫌いじゃない。

・・・

「今日曇りだね。晴れてないじゃん、晴れ女とは」
「さっきまで晴れてたよ。あおばくんが曇り男なのでは？」
「ええ...?でもまあ、これぞロンドンって感じできらいじゃないよ」

確かに曇っていた。

Brick Laneを南下して、タワーブリッジを渡り、目的地へと歩いて向かった。1時間近くかかったのではないだろうか？

途中ロンドン塔を通りかかったので、見物に行きたかったが由理恵が

「えー、私行ったことあるし、また今度にしようよ」

などと言うので、行けなかった。

・・・

肉類魚介類などの生鮮系から野菜果物穀物、お茶やコーヒー豆、お酒といった多種多様な食べ物を扱っている。
ロンドンの台所とまで言ったら大げさだろうか。
自炊する人ならここで買い物すると、とても捗るだろう。お土産を物色するにも良い。

このような市場は本当に見ていて飽きないので、好きである。何時間いても楽しめる。色彩豊かで写真を撮るのも楽しいし、賑やかで人々の活気を感じられる。見たことのないものが並んでいたりすると、とてもワクワクする。

飲食店も併設されていて、新鮮な食材を使った料理はどれも食べごたえがある。
La tua Pastaという店のラビオリがとても美味しかった。5£くらいで売っている。財布にも優しい。

大体こういう市場の中や、近くにあるお店はおいしいと相場が決まっている。食べ歩きたかったらこの周辺を回っておけばハズレはないと思う。

由理恵は牡蠣を食べていた。市場の中にその場で食べれるような場所がある。日本で食べる牡蠣とはまただいぶ味が違ったらしい。

彼女は紅茶を買い、私はビールを数本購入し、カフェでコーヒーを飲んだあと、TateModernへ向かった。ビールが結構重たいので、買ったことを少しだけ後悔した。

つづく