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アフガニスタン東部地震被災者への仮設住宅支援 Vol.2

こんにちは🌞プログラム・マネージャーの五十嵐です🙂

本日は2022年6月にアフガニスタン東部で発生した地震の被災者支援活動の進捗状況について報告いたします。

↓↓↓前回の報告はこちらをご覧ください↓↓↓


例年にない寒さ

被災したアフガニスタン東部の山岳地帯は元来がんらい寒冷な地域ですが、寒波の到来により今年の冬は特に厳しい寒さとなりました。ときには気温がマイナス22℃に達するなど、命の危険を伴うほどの寒さは、仮設住宅の建設工事に携わる人々の安全性も脅かします。また、これほど気温が低くなると地面も硬く凍ってしまい、家屋の土台を建設するために掘り起こすような作業も困難になります。当初は冬が到来する前に仮設住宅50戸を建設する計画をしていましたが、こうした事情に加え、支援の準備や調整の遅れなどが重なり、厳しい冬の期間の建設作業は一斉に休止することとなってしまいました。工事は気温が上がる3月になってから再開することとなりました。

冬の間にできることから

当然ですが、支援計画を滞りなく着実に進めていくことは、とても大切なことです。しかし、情勢が不安定な地域や厳しい環境下においては、様々な事情による支援の遅延が往々おうおうに発生します。より重要なことは、こうした状況になった時に、まずは被災者、そして現場で活動している職員がこうむるリスクを迅速に判断し、このリスクを軽減するための柔軟かつ最大限の対応策を講じ、できることから粛々しゅくしゅくと進めていくことです。今回はまず、仮設住宅の建設が遅れている住民に対して、追加のテントや防寒具が提供されるように、現地で活動する国連機関や他のNGOと調整し、仮設住宅建設の遅れによって、被災者が厳冬による命の危険に直面することがないように努めました。一方で、気温が上がったらすぐに工事が再開できるように、屋内で可能な地域住民や地域の建設関係者に対する耐震構造と防災に関する研修を実施しました。同研修には、これまで当初計画の9割を超える1,500名がすでに参加し、今後もさらに100名に対して研修を実施していく予定です。

ストーブを囲みながら実施した耐震構造に関する研修 ©︎CWSA
研修は仮設テントを会場として実施されることもある ©︎CWSA

春が来て、支援の再開

3月に入り、気温の上昇とともに工事も再開されました。仮設住宅の建設は、外部の建設会社が行うのではなく、地域の住民が主体となって実施されます。冬の間に研修で学んだ知識や技術を、地域および各世帯の事情に合わせた設計に落とし込むことによって、安全なだけでなく、個々の尊厳を尊重した地域の人々に受容される住宅が再建されることになります。また地域住民が主体となることにより、学んだ知識や技術が地域に根付き、災害に対してより強靭きょうじん(レジリエント)なコミュニティになることが期待できます。CWS Japanは、建設に必要な費用や工具を提供するだけでなく、緊急的に必要となる災害対応に、持続的な防災の要素を加えた支援が提供できるように努めています。5月までには計画している50戸の仮設住宅が全て完成する見込みです。

さいごに

アフガニスタンは地震や寒波だけでなく、ここ数年は干ばつの影響も受けています。こうした厳しい自然災害だけでなく、長年にわたる戦争や紛争、政情不安など社会的にも非常に困難な状況にあります。さらに新型コロナ感染症の流行や世界的不況などグローバルな課題の影響も受けています。多くの人が住み慣れた土地から離れざるをえない状況となり、国境を超えて難民として国外に逃れた人もいます。一方で、非常に厳しい状況下であっても、様々な事情から逃げることができず、同じ場所で生活を続けなければならない人々も多くいます。しかし、こうした人々はただ苦しい状況をなげいて、助けをうているだけでしょうか。

違います。支援活動を現場で実施している提携団体のアフガニスタン人職員も、研修に参加してくれた地域の人々も、目の前の厳しい状況に向かって、懸命に立ち向かっています。沢山の課題を抱えているけど、自分たちにできることは、自分たちで切りひらいていきたい。そうした強い決意を持った人々がそこには多くいます。今日への絶望ではなく、明日への希望がそこにはあります。

アフガニスタンが抱える大きな課題は一度に解決することは困難で、支援も計画通りに進めることは難しいです。しかし、現地の人々があきらめない限り、わたしたちも実直じっちょくかつ柔軟にできることから一つずつ、現地の人々と手を取り合って支援活動を継続していきます。

本支援事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成に加え、皆さまからの温かいご支援に支えられています。

引き続き、応援よろしくお願いいたします。

(文:プログラム・マネージャー 五十嵐豪)

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