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アフガニスタン東部地震被災者への仮設住宅支援

こんにちは🌞プログラム・マネージャーの五十嵐です🙂

先日、アフガニスタンの事業を紹介しましたが、今回は6月に東部で発生した地震の被災者支援について紹介します📢

背景

2022年6月22日の未明、アフガニスタン東部をマグニチュードは5.9、震源地の深さは10kmの地震が襲い、1,000人以上が死亡、1,455人が負傷、1,900棟以上の家屋が壊滅的な被害を受けました。特に被害が大きかった地域では、70%の家屋が損傷または破壊されたと推定されました。

日本の地震被害と比べると、(決して小さなマグニチュードとは言えませんが)より大きな被害の発生、特に家屋の崩壊がもたらす人的被害の大きさに驚かれる方もいるのではないでしょうか。日本では建築基準法に基づいて、多くの建物が耐震基準を満たす建築で設計または補修ほしゅうされています。

アフガニスタン東部にある今回の地震の被災地域は、アフガニスタンの中でも特に開発が遅れた地域で、長年続く政治や治安の不安定さのため、支援団体もほとんど活動していない地域でした。地震に対する備えに関する人々の知識や意識は低く、建築技術の質も低いため、地震の規模と比較しても大きな破壊と犠牲者を出してしまったと言われています。

今回の地震の被災地域の被害状況(©️UNOCHA)

事業概要

今回の事業では、上述の背景を踏まえて、キャッシュ配布を実施してきました。今後、厳しい冬の到来に備えて、仮設住宅の支援も実施する予定です。

キャッシュ配布

CWS Japanは地震発災直後より、現地パートナー団体であるCommunity World Service Asia (CWSA) と協働で、地震被災者に対するキャッシュ配布の支援を実施してきました。食料・生活必需品・医薬品・シェルターなど、個々の被災世帯の状況に合わせて必要なものを購入できる現金キャッシュの給付は、柔軟性・迅速性・効率性に優れた支援だと言えます。

▼ キャッシュ配布については、過去の記事でもご紹介しています ▼

現地では、CWS以外も国連機関やNGOなど様々な支援団体が地域住民に寄り添った支援を開始し、多くの支援が届けられています。しかし、政治的・経済的状況が長年にわたり不安定なアフガニスタンの中でも、とりわけ開発が遅れた地域であるため、今でも十分な支援が完全に届けられているとは言えません。

越冬のための仮設住宅

その中でも特に喫緊きっきんの必要性が高いものが、高山国であるアフガニスタンの厳しい冬を迎えるための備えです。被災者にこれまで配布された、緊急用テントや毛布だけでは、厳しい冬を迎えるのは難しいと懸念されており、より耐寒性に優れた仮設住宅の建設が待たれています。しかし、食料や生活必需品の配布などと比べると、仮設住宅を支援する団体は多くありません。

外壁の一部を残すだけで屋根から崩壊した被災住宅©️CWSA

CWS Japanは仮設住宅の建設を行いますが、余震が続き、今後も同様の地震災害が起こる可能性が高い現地の事情にかんがみ、耐震構造のある建物を建設します。そこで取り入れる耐震技術は、決して高度なものではなく、現地にある資材と技術力で容易に導入できるものになります。

今回導入する耐震構造は、現地で建物を建設する際のモデルとなり、CWS Japanが今回建設する仮設住宅以外にも波及し、持続的に現地に定着されていくことが期待されています。波及効果と持続性を高めるために、現地住民や自治会メンバー、現地で活動する他の支援機関職員などを対象に、耐震技術を含む防災の知識や意識を高める研修も並行して実施していきます。

現地で紹介する耐震技術の一例。レンガの積み方を変えるだけでも耐震性は増す。

さいごに

厳しい冬の到来が刻一刻と迫る中、被災した住民が生命や健康への不安を持つことなく、安心して過ごせる住環境の再建をできるだけ早く実現できるように、現地住民およびパートナー団体と一体となって、これからも取り組んでまいります。

仮設住宅の建設および防災研修の支援事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成に加え、皆さまからの温かいご支援に支えられています。

引き続き応援よろしくお願いいたします。

(文:プログラム・マネージャー五十嵐豪)

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