46才のミュージシャンが慶應大学受験を突然決意し、3ヶ月の勉強の末受かった話。13(最終回)
前回まで
突如世界史にハマり、慶應大学受験を決意した私CUTT。いよいよ受験当日、英語・世界史とまずまず順調に進めてこられました。残すは小論文。本シリーズも最終回です。
小論文リベンジ!
2日前の経済学部の試験では、時間配分ミスから
「例えば、ポ」
というダイイングメッセージばりの結びになってしまった小論文。
今日こそはしっかりと時間の中で、納得できる文章を書きたいものです。
出題されたのは佐藤仁先生の「争わない社会『開かれた依存関係』をつくる」からの文章でした。
さまざまな文化の中での競争のありかた、競争のメリット・デメリット、「負け」の処理、などについて論じられたもので、まさに受験という競争の中にある学生にとってはメタ的に、自分ごととして感じられる部分も多くあり、非常に興味深く読ませて頂きました。
…なんて落ち着いている場合じゃない! まず1問目の要約だ!
要約については事前に決めた
「結論を先に書き、その論拠を書き足していく」
という方針で行こうと決めていたのですが、今回の文章で引用された箇所は、一つの大きなまとめがあってから、最後の数ブロックでもう一つ進んだ結論が導き出されるという入れ子のような構造になっていて、用意していた方針はうまく適用できなさそうでした。
わー困った! が、悩んでる時間はありません! 方針変更!
順を追ってまとめていった方が書きやすいと思ったので、重要だと思われる事柄をなるべくこぼさないようにして、要約していきました。予定時間を少し超えたところで、なんとか書き上がります。
次は2問目の「この文章をふまえて、あなたの考えを述べなさい」です。
時間が押してるので、文章を読みながら一番強く感じた「競争が人間社会に多くの恩恵をもたらしてきたのは事実としても、これからの未来はそれは自明ではないのでは」というアイデアだけを頼りに書き出し、下書き(している時間はないと経験しました)なしで、考えながら書いていきます。
小論文で大切なことは「丁寧な、読みやすい字で書くこと」と教わりました。それにならって、最初はできるだけ丁寧に書いていくのですが、もう最後はそんなことも言ってられなくなり(書いているうちに気持ちが乗ってきてしまうというものあり)結局は、いつもの割と乱雑な字になってしまいました。
完成した答案は、内容はともかく
「人はどのように書き文字の丁寧さを失っていくのか」
を切実なグラデーションとして一望できる、サンプルとしての価値はあるかもしれません!
終わった…!
時計を横目にかきなぐりつつ、規定の400文字中396文字くらいで収めることができたあたりで、時間が来ました。よかった! 今日は最後まで書けた…!
3ヶ月にわたる自分にとって特異な日々が終わりを告げました。
「終わった…終わったんやでぇ」
と恥ずかしながら感慨に耽りつつ、退室が許されるまでの時間を過ごしていると、周りの受験生の何人かは早くも参考書を取り出し、次に向けて勉強を始めていました。わかる! わかる気がするぞー!
自分で体験するまではわからなかった「受験生」の気持ちが、片鱗だけでも共感できるようになった事に喜びを感じながら、
「ガンバレ! 受験生!」
と(自分が終わったのを良い事に)心の中でエールを送りました。
合格発表まで
というわけで、学習のきっかけとなった世界史に関しては(漢字・ひらがな問題に一抹の未練を残しつつも)目標点を達成し、その他の科目に関しても納得できる答案を提出できたのでそれなりの手応えを感じてはいました。
が! やはり発表の間までは不安なものです。
「やっぱり年齢で引っかかるんじゃないか…(そんなわけない)」
「不合格だった時はどうやってこの経験を活動に活かしていけばいいのだろうか…(どうやって元を取ろうか)」
と、悪い想像ばかりが捗ります。
そこで
望んだ未来を引き寄せるには、既に実現した体(てい)で行動していく事!
というモットーのもと(駄洒落です)
46才のミュージシャンが慶應大学受験を突然決意し、3ヶ月の勉強の末受かった話。
という本noteの草稿を書き始めました。
どういう結果になろうと勉強した事は事実ですし、学習中に感じたことも時と共に薄れていってしまいます。新鮮なうちに書き留めておこうと、何かを思い出すごとにキーボードを叩いていきました。
発表当日、その草稿の最後の文章として
「合格する事が出来ました!」
と書き終えた数分後、オンラインのマイページにて合否を確認。
おかげさまで草稿通りの結末で本シリーズを締めくくる事ができるようになりました。
ぃやー!良かった…。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!
というわけで、予定を大幅に超えた13回にわたってお送りしてきた本シリーズ、書ききれなかったその他のことなどまた折を見て投稿すると思うので、その時はまたご笑覧頂ければ幸いです。
最後までお付き合い頂きありがとうございました!
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