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46才のミュージシャンが慶應大学受験を突然決意し、3ヶ月の勉強の末受かった話。10

前回まで

 突如世界史にハマり、慶應大学受験を決意した私CUTT。自分なりに学習を重ね、いよいよ経済学部の試験日になりました。志望は2日後の文学部ですが、そこにピークを持っていくためにもベストを尽くしたい所です。

…さ、寒い!

 無事に試験開始一時間ほど前に会場にに入ることができました。かなり大きな教室で、私の席がもっとも廊下側だったのもあってか、想像以上に寒い!ことが判明しました。
 みんな寒くないのかな…と周りの様子を伺うと、さすが若者、涼しい顔、というか気温など全く気にしていない様子です。

 そんな事もあろうかと! 室内用の上着は持ってきていたのですが、寒いのは下半身なので、なんとかスカートみたいに下半身に巻きつけてみましたが、それでも寒い…。

 参ったなあお手洗いも近くなっちゃいそうだし、まあ試験開始の5分前くらいに(お手洗いに)行けばいいかなーなんて考えていたら、30分ほど前に試験官の皆さんがわーっと入室されて、なんか注意事項とか問題用紙とかが配られはじめました。

 え、そんな早めに準備って始まるものなの? 

 すでにとても退室しにくい雰囲気です。お、お手洗いは…いける…??
 このまま乗り切ってしまおうかとも思いましたが、聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥と言うし(そう言う意味ではないが)、開始5分前に勇気を出して手を挙げて

 「先生、トイレに行っていいですか?」

 と聞いた小学生の頃を思い出しながら、結局同じ趣旨の事を大人なりに聞いて許可されたものの、試験官の方が一人お手洗いまでついていらっしゃるという厳戒態勢で、目線は来てないにしても見られながら用を足すという得難い経験をさせてもらいました(笑)。

大失敗!!

 最初の科目は英語です。
「明後日は絶対パッチ(大阪弁で言うところのステテコです)履いてくるぞ!」と心に誓いながら、手指を温めながら、なんとか乗り切ります。

 経済学部の英語は一つの問題の正の面を論じた文と、負の面を論じた文が二つ出てきて、その違いを踏まえつつ答える問題もあって面白いんです。
 あと過去問では割とカジュアルな会話文の英訳があって、結構好きだったのですが、今年はなくて残念…。

 なんて言っているうちに時間になり、筆記具を置きます。
「まあベストは尽くせたかな…」と自分の答案のマークシート(久々で緊張しました)を眺めると…

問11にマークしてないやん!!

 マークシートに不慣れなこともあって、何問かまとめてマークしたり、迷っている問題は空けてたりしたのですが、ちゃんと全部やったつもりだったのですが、なぜか問11にマークしてない!

 …もうだめ? ですよね。 ロスタイムなし? ですよね。
ちゃちゃっと書いたらダメ?? ですよね。

 あー! 俺の眼力でみるみるうちに問11の4番が塗り潰されやしないかと、必死で見つめてみたのですが、もちろんマークは真っ白なままです。
 回収されていく答案との別れは、丹精込めて育てた馬との別れのようでした。達者でな〜(泣)

気を取り直して

 次の科目は世界史です。今回の私の学習のメインだった世界史ですが、文学部に特化した勉強をしてきた為、経済学部の問題は50点を目標に頑張りました。
 全然書けないだろうと思っていた論述も、予想していたよりは文字は埋められたかなという感じで、楽しく終えることが出来ました。
 横軸が年号になっているグラフの問題があったのですが、出題された年号が1980年以降で「ぜんぜん俺生まれてるやん…」と苦笑しながら解きました。現役生にとってはすでに歴史なんだなと、熟年受験の味わいを新たにしました。

またまた大失敗!

 ラストは小論文です。興味深い文章でつい読み込んでしまいます。
問題は2問。1問目が説明で、2問目は「あなたならどうする?」みたいな問題でした。
 うんうんと唸りながら、説明はまあできたかなと思ったのですが、その時点でもはや残り時間が少ない!

 えー!! 丁寧にやりすぎた!! やばい! 完全な時間配分ミス!

 結局規定の最低文字数にようやく届くところまで書きましたが、最後の単語を書いているときに時間が来てしまい、

「たとえば、ポ」

 というわけのわからない締めになってしまいました。(ポンペイのように。と書きたかったのです。)

いやー、やっちまったな!

 と後悔しきりですが、後の祭りです。この年になると感情がストレートに顔に出るようになってるので、完全にやっちまった顔をしながら帰り支度を始めたと思います。とぼとぼ。

 いやしかし! 速いレーサーはコースアウトを繰り返し、コーナーの限界を探っていくと言います!(筆者はF1ファンです)

 物事のポジティブな面を見ていきましょう!
試験初日は失敗も多かったですが、明後日に向けて学びも多くありました! 

つまり

 ・マークシートは迷っていてもまず埋めよう!
 ・直前にお手洗いは行きづらいので、水分摂取は控えよう!
 ・小論文は時間がない! 下書きなどしている時間はないぞ!

と言うことです。

そして何より

 ・パッチ(ステテコ)は必需品!

 と言う金言を手にし、初日の帰路につきました。

次回の更新では

 いよいよ2日後の文学部の試験日を迎えます。この学びを活かして、ベストを尽くすことができるのか…!?
 いよいよクライマックス(おおげさ)! 
ぜひ最後までお付き合いくださいね。

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