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【ライブレポ】IDOL MiXJUiCE in シンジュク 1st タートルリリー / Fragrant Drive出演分

7月2日(土)、新宿ルミネゼロにて「IDOL MiXJUiCE in シンジュク」が開催されました。
シーズンごとに発行されるアイドル雑誌Topyellとイベンターがタッグを組んだ、10組以上のライブアイドルが出演する対バンライブです。
会場のルミネゼロは新宿新南口のバスタ新宿の上の階にあり、最前数列以外のフロアは高さのある可動式の椅子席となっています。
ステージからもフロアからも見やすい会場でした。
今回は出演のうちふた組、「タートルリリー」と「Fragrant Drive」について書いていきます。

◆タートルリリー

記事として取り上げるのは6月12日(日)中野zero小ホールで開催の3周年記念ライブ「Fun Time」以来ですが、その間6月25日に横浜ランドマークホールで行われた対バンライブ「TOKYO GIRLS GIRLS -番外編-」にも行っていました。
ただこちらはライブ直後に書きそびれてそのままタイミングを失ってしまったので、その時に感じたこともまとめて書こうと思います。

何度も繰り返しになってしまいますが、タートルリリーはホールが似合うグループだなと感じます。
自分が観てきたここまで4回のライブのどれもがホール会場だったこともあり、そのイメージがすっかり植え付けられました。
ホール特有の見通しの良さやステージの広さ、照明の綺麗さなどをうまいこと味方につけていると感じます。

漠然とした言い方ですが、振り付けのゆったり加減やメンバーのゆるやかな表情からはちょっとした余裕を感じ、これがオールスタンディングのライブハウスよりも固定席有りのホールにピッタリな印象を与えている気がします。

ルミネゼロではタートルリリーからの4組を観ていましたが、総じて音の出し方なのかボーカルが散らばって聴こえることが多かったように感じていました。
聴き取りにくいこともあったのですが、清藤恵さんの歌声は散らばりがちな音をきちんとまとめているなと思いました。
清藤さんが入るとユニゾンやコーラスが綺麗な束になります。
ランドマークホールでの一曲目だった、「Say Hello!!」での歌いだしソロのように、一人で歌っていてももちろん良いのですが、他のメンバーと交わったときのほうが印象深かったです。
これはかなり珍しいことのように思います。

歌に長けているメンバーは、上手いあまりにコーラスなどで他の歌声を食ってしまうことがあります。
そのおかげでメンバーの歌声の間に明らかなパワーバランスを感じてしまうこともあるのですが、清藤さんは出すぎることなくすっと引いてボーカル全体を支えています。
もちろん他のメンバーあってのことでしょうが、清藤さんのバランス感覚というか、少し大げさに言えば大局観みたいなものはかなりのレベルにあるのだろうなと感じました。

ところでこの曲は清藤さんをセンター後方に置いたフォーメーションから始まるのですが、始まりの配置を見て「Say Hello!!」じゃないかなと予感して実際その通りだったのは、タートルリリーのことを前よりも知れた気がして嬉しかったです。

空に青」の落ちサビ、これは有川奏絵さんメインで清藤さんが被せます。
先ほど余裕を感じさせるパフォーマンスだと書きましたが、ここを歌うときは身をかがめて気持ちをぶつけていました。
有川さんは一年以上同じ色に染めていた髪色を最近一新し、赤みがかった茶色に染めたそうです。
夏にかけて色落ちし、野外会場の青空の下、それこそTIFの頃にはもっと赤が目立ってくるのかもしれません。

まだ音源が一般公開されていない新曲2曲も、セットリストの良い味付けになっていると感じます。
4月の有川さん生誕祭から披露された「アプデ」は足を蹴り上げる振り付けがあるなど既存曲になかったかっこいい雰囲気があり、3周年ライブから披露された「Fun Time」。
この曲はサビの振り付けが手を右→左と4拍、手のひらを天に向かって押し上げて2拍、拳を握ってかかげたまま2拍という動作の繰り返しというもので、すぐに真似できます。
「Fun」とつくだけあってはっちゃけた曲なのかなと思っていたのですが、テンポは案外ゆったりとしていて、落ち着いたタートルリリーの空気ともよく合っています。

歌で言うとメインのメンバーは有川さんや清藤さんなのかなと思うのですが、3周年以降、佐伯鈴さん、きよりんさん、辻菜月さんという3人の声もよく聞こえてきました。

6月12日の3周年ライブではリズムを前のめりで取っている印象があったきよりんさんは、その後観た2回のライブでしっかりと正しいリズムに合わせていました。
早取りは個性があって別に悪いことではないとおもっていたのですが、これは本人にしても気にしている「欠点」らしく、ちゃんと修正出来ているのが凄いなと思います。

両方のライブで(恐らく)披露された曲を残しておきます。
順番はほとんど覚えておらず、本当に披露されたのかどうか定かでない曲もありますが大体合っているはずです。

◆曲目(6/25ランドマークホール)
・Say Hello!!
・Fun Time
・空に青
・イチコイ
◆曲目(7/2ルミネゼロ)
・空に青
・アプデ
・Fun Time
・イチコイ


◆Fragrant Drive

カウントしたわけではありませんが、一曲目に来る割合が格段に高い曲が「胸の奥のVermillion」だと思っています。
袖から出てきたメンバーは横向きのままフォーメーションにつき、90°回ってフロアと向き合い、手をバッテンにクロスさせます。
90°回るまでのタイミングは日によってまちまちで、イントロ直前のこともあればフォーメーションについてすぐこちらを向くというパターンもあるのですが、いずれにしても正面を向いて腕を組んだのを見た瞬間、「バーミリオン」だとわかるわけです。

この日も「胸の奥のVermillion」始まりだったのですが、しかしそれと分かったのはフォーメーションからではなく、メンバーの誰かが曲名を告げたからでした。
この時点ではまだ腕を組むどころか、正面を向いてすらいませんでした。
個人的には一カ月ぶりのライブだったので、しばらく見ないうちに導入を変えたのかな?と思ったりもしたのですが、些細な違いではあるものの結構引き寄せられます。

久々のライブを観るにあたり、この日は特に2人のメンバーに注目して観ようと思っていました。
辻梨央さんと片桐みほさんです。
7人もいるのでぼーっとしていると目線をもっていかれてしまうから誰かに絞らなければと思い、中でも最近あまり観られていないパフォーマンスの主力メンバー2人をじっくり見ておこうという心づもりだったのですが、プランはあっさりと覆されました。
他のメンバーの歌声が、聞き逃せないくらい良かったのです。

特筆したいメンバーが、小日向美咲さんと三丸結愛さん。
二人とも、今年4月末にグループに加入しました。
Fragrant Driveが初めてのアイドルだという三丸さんは、デビューから2カ月経ちハイペースでライブを重ねる日々に慣れたのか1カ月前のライブやお披露目ライブで観たときよりも明らかに声量がたくましくなっていました。
「胸の奥のVermillion」2番のBメロ「強さは無垢だと自分には言い聞かせていた」のソロパートだったかと思うのですが、以前観たときとは比べるまでもないほどの出方です。

小日向さんは「ゼンマイ仕掛けのロマンス」の落ちサビを担当していました。
甘い声なので長めのパートを歌い切れるのかと少しいらない心配をしてしまいましたが、全くの杞憂で、しっかり歌い切っていました。
手に汗握りながらもいつの間にかタイトロープを渡りきってしまったような感じです。

Fragrant Driveが7人組の現体制となったのは4月29日で、前体制からのメンバーである板橋加奈さん、片桐さん、辻さんの3人が、新メンバーとして千代田流季さん、小日向さん、三丸さん、そして乃上恋々さんの4人を迎えるという形でした、
お披露目ライブを終えたあと、自分は7人のステージについて「歌が綺麗に二分される」といった趣旨のことを書きました
エモーショナルで力強い辻さん、千代田さんに対し、小日向さん、三丸さん、乃上さんの声には可愛らしさがあり、メンバー間で割りと振れ幅があります。
これを利用し、例えばパートの割り振りによっては1番はカッコよく、2番は可愛く、という風に一曲の中で全く違う顔を見せるようになったら面白いのではないかと期待していたのでした。

こう書いた裏には、あとの3人に対しては少し心細さを感じていたというのも正直のところあったのですが、この日聴くと始めの印象はかなり見当違いだったのかもしれないなと思わされました。
先に書いた二人に加えて乃上さんもです。
グループ全体として、新体制となったばかりのころよりボーカルの底上げがしっかりとなされているのが分かりました。
二カ月でここまで伸びたことには驚きましたし、軽く感動すら覚えました。

こうして結局特定の誰かといわずメンバー全員に目が行ってしまったのですが、元々注目しようと思っていた辻さんや片桐さんもすごく良かったです。
「胸の奥のVermillion」の2番、「嫉妬してたころ醜さ 愚かさを悔やんで涙するの」を歌うのは片桐さんです。
5人の時はセンター始まりでしたが、7人体制となって(もとは7人でグループが始まったことを思えばオリジナルに戻ったということでしょうか)下手からセンターに寄りながら歌うという動きに変わりました。
この時の片桐さんに注目してみると、歌いだしでセンターに移りながら、腕から手首にかけてなにやらくるりと回すような動きを入れていることに気が付きました。
決められた振り付けではないはずです。
毎回何かしらの変化を入れる片桐さんのこと、おそらく自らのアイデアで手数を増やし、フロアの目を少しでもステージに向かせようとしていたのでしょう。

※このライブレポを書いた当日(7/5)は片桐さんの誕生日です。おめでとうございます。


辻さんも同じく「胸の奥のVermillion」2番サビ後の間奏を経てのCメロ「ひとりでいても何にもならない 言葉よりも気持ちで示すべきと」と歌いだすところで(たしか)足を蹴り上げていたのですが、迫力十分でした。
パフォーマンスで足を使うというのは、これまであまり観たことなかったかもしれません。
板橋さんもなのですが、辻さんは端っこ座っていても目が合うような気がしていて、優しい板橋さんの目線に対して辻さんのそれはかなり鋭いです。

ところで、今回のライブレポをはじめ、今までのライブレポを見返してみてもなにかと「胸の奥のVermillion」でのパフォーマンスをを取り上げがちだなと感じているのですが、特に他意はありません。
なぜなのか自分でも不思議ですし、もう少し他の曲も書かなければなと思っているのですが、披露される回数がダントツで多い曲なだけにフォーメーションなどが一番頭に入っていて、以前との違いを見つけやすいというのがあるのかもしれません。

ただ、前体制ではほぼ毎回セットリストに入るくらいの頻度だったのが、どうも新体制となってからは多少減り気味で、入らないこともちらほらとあるようです。
30分未満のライブは一曲の占める存在感は大きいため、あまり経験の無い「胸の奥のVermillion」抜きのセットリストは気になりますし、こと6月は全くライブに行けていなかったのでここから巻き返しを図りたいところです。

◆セットリスト
M1. 胸の奥のVermillion(オリジナル曲)
M2. ゼンマイ仕掛けのロマンス(Flower Notes)
M3. Evergreen(Clef Leaf)
M4. ふたりのストーリー(オリジナル曲)

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