見出し画像

【ライブレポ】東京アイドル劇場 Fragrant Drive公演(2022.5.21)

5月21日(土)、YMCAスペースYホールにて「東京アイドル劇場」Fragrant Drive公演が開催されました。
丸一日かけて何組も出演するイベントであるアイドル劇場、常連のFragrant Driveの出番はトリの夜遅い時間というのがもうすっかり定着しました。
Fragrant Driveは4月29日に新メンバー4人を加えて7人の新体制となったばかりです。
前(前)体制から慣れ親しんだYMCAホールのステージに7人で立つのはこの日が初めてでした。

フラドラ新衣装

お披露目からおよそ1カ月間、Fragrant Driveは休日はもちろんのこと平日にもハイペースでライブ・イベントに出演しています。
ゴールデンウィークを挟んだから、というのはもちろんあるのですが、それでも1年半ほど続いた前体制では片手ほどだった1日3本ライブが新体制では予定も含めてすでに2回組まれているなどアグレッシブさが目立っています。

ここまでで15本くらいに上るでしょうか。
しかも都内を離れ遠征してのイベント出演が何本かあってのこの数です。

個人的にはお披露目以来のライブと間が空いてしまいました。
その時書いた感想はいまいち漠然として捉えきれていない感じがしていたので、今日こそはフリコピとかは脇に置いてステージをじっくりと観ようかと思っていたのですが、それでもどうもかすみがかっている感じです。
でも一つ言えるのは、ステージからの圧や巻きあがってくる風というのは、7人だからこそ作られるものなんだろうなということです。

メンバーそれぞれの意向を汲んで作られた衣装は、似た系統もあるにはあるのですが、メンバーごとに結構違っています。
グループカラーの赤色で統一されていなければばらばらに見えてしまうくらいなのですが、どの衣装にも「広がり」という共通点があります。
パンツスタイルやタイトスカートといういでたちのメンバーにもレースが飾りとしてついていて、シルエットにしてみるとどの衣装でも調和がとれています。

衣装はメンバーのターンや大きな動きで膨らみ、そうして生まれた広がりが一気に視界を狭くし、こちらに圧を感じさせるような気がしています。
目にすると恐ろしいほどの速さでステージに呑まれます。

この日は1曲目の「胸の奥のVermillion」の時点で呑まれてしまい、「全体は無理だな」と諦めて結局座っていた上手側だけを注視するような見方に切り替えたのですが、それでも目が追いつくのに忙しかったです。

ソロを歌うメンバーをセンターに一人残し、他のメンバーが3人×2の組み合わせで両サイドをダンスで固めるというフォーメーションは、元々グループが7人組からスタートしたことを思えば本来の形に戻ったということなのでしょう。
非常に見栄えが良かったです。

それから歌声ですが、こちらも漠然とした「広がり」という言葉を乱用したくなるくらい、幅が出来ていました。
全員でのコーラスともなると、声質の違いから来るのだと思うのですが、一方向ではなくいろんな方向に散っていく感じで、これもまた一つの武器なのかなと感じました。
特に印象的だったのが三丸結愛さんです。

少し震えたような声は、バックの音の後押しもあって不思議な揺れを見せていました。
意図して出したものなのか緊張なのかはわからないのですが、いままでに聴いたことのないような聴こえ方で、この声が全員でのユニゾンの幅を持たせていたり音を効果的に動かしているのかなという気がしました。

全体的な印象はこれくらいとして、他に何曲か取り上げて書いてみます。

3曲目の「Evergreen」。
これについては落ちサビの板橋加奈さん。
新体制への切り替えとともにここのパートを担当することになったのですが、裏声から完璧でした。
これに尽きます。

4曲目の「ドリームパレット」は、Fragrant Driveと同じ事務所だった3人組グループ・「PASTELL」の曲でした。
PASTELLは2021年ステージデビューの後2022年3月に解散、所属メンバーのうち千代田流季さんと小日向美咲さんがこのたび新メンバーとしてFragrant Driveに加入しました。
新体制となり、メンバーだけではなく曲ごとFragrant Driveが吸収したということになります。

もともと自分たちの曲だったというだけあって、「ドリパレ」での千代田さんと小日向さんは心底楽しそうでした。
イントロに被せる千代田さんの曲振りはPASTELL時代から変わらずもう慣れたものでしたし、ソロを歌い終わった小日向さんの身振りも良かったです。
元々歌っていたメンバーだからと、こちらが勝手にフィルターをかけている部分はあるのかもしれませんが、だとしても二人の存在感はこの曲では特に増していました。

ラストの曲は「Everlasting First Kiss」。
YMCAホール、過去何度も書いていますが音響が素晴らしいです。
特に「エバキス」では底から襲ってきて足に振動が伝わってくるような感覚でした。
音に包まれているという実感が生まれてきます。

新体制のFragrant Driveが披露できる曲は今のところ7曲。
この日はFlower Notesから受け継いだ「恋花」以外6曲の披露でした。

7曲の中には「恋花」「胸の奥のVermillion」など過去の体制で数えきれないほど歌ってきた曲もありますが、この7人でとなるとまだまだ少なく、こと今回はメンバーの入れ換えも多かったので、生で聴いてみるとまるで新曲かのような新鮮さも感じています。

過去の同レーベル曲など初披露が待たれる曲はいくつもありますが、先を急いで初披露曲を次々と増やしていくのではなく、ステージを重ね、7人仕様に育て上げていこうというのが今の方針なのでしょう。
形を整えている途中にあるのだと思います。

こちらとしても新生Fragrant Driveについてはまだまだ知らないことが多いです。
不思議なのが、辻さんや片桐さんといったコアのメンバーのことは前体制から散々見てきたはずなのに、この7人の中に混ざるとまた違った風に見えることがあります。
構成が変わることで目に見えないバランスが変わっていったのでしょうか。
ここから時間をかけて新たな魅力を見つけていけたらと思っています。

◆セットリスト
M1. 胸の奥のVermillion
M2. ふたりのストーリー
M3. Evergreen
M4. ドリームパレット
M5. Let It Flow
M6. Everlasting First Kiss


この記事が参加している募集

#イベントレポ

26,215件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?