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【ライブレポ】Dive /Connect vol.13【東京パフォーマンスドール】

今回は久々に、東京パフォーマンスドール(TPD)のライブレポです。

ソニーミュージックが今年9月よりサービスを開始した、オンラインワンマンライブ「Dive/Connect」。
毎週火曜開催の第13回目(2020年12月1日配信分)に、TPDが出演していました。

結成7周年かつを迎えたTPDは、12月6日(日)に新生TPDとしての7周年と、1990年より活動している先代TPDと合わせて30周年となることを記念したアニバーサリーライブを予定しています。

そんなアニバーサリーライブを直前にした最後のライブがこの「Dive/Connect」でした。

生のライブにしかできないことがあるのと同じように、ダイレクトにつながる、 オンラインだからこそできるライブ・体験がある。 アーティストとともに、つながり、ステージに飛び込んでいく。

「Dive/Connect」のHPではこのような紹介文が書いてありました。

「オンラインだからこそできるライブ・体験がある」というのは、Dive/Connectには、Zeppのステージであらかじめ収録済みのワンマンライブをお家で楽しむとともに、その後のトークコーナーではアーティスト自身がゲストやファンとともにそのライブを「生」で振り返るという新たな試みが盛り込まれていることを指しているのでしょう。

確かに、収録ライブとその後の生配信を組み合わせた試みというのは、昨今盛んなオンラインライブの中でも珍しいでしょう。

これまでにこのライブに出たソニー所属のアーティストはというと、アジカン、ブルエン、KANA-BOON、ネクライトーキーや緑黄色社会などで、ロック色が濃い顔ぶれが揃っています。

もちろん他ジャンルのアーティストも出るには出ますが、アイドル/ガールズグループはTPD以外になく、その存在感は際立ったものになっています。

そんな「Dive/Connect」、あくまで内容はオンラインライブとはいえ、シリーズものの一部です。出演する他アーティストのファンの目に留まらないともいいきれません。
公式ツイッターもTPDメンバーの告知ツイートを頻繁にリツイートしていましたし、

そういった意味では、通常のワンマンライブと対バンライブの中間というような位置付けになるでしょうか。

リーダーの高嶋さんも、ライブ中の簡単なMCにて「初めましてのかたも多いかと思いますが...」みたいなことを言っていました。

そんな若干の「よそゆき」感があるこのワンマンライブ、手短にレポというか雑感に移ろうかと思います。

【雑感】

これまで開催のオンラインライブとの大きな違いとして、各メンバーの歌声がしっかりと聴こえてきたような気がします。

TPDは今年に入ってから3度のオンラインワンマンライブを開催(6月,9月,10月)してきましたが、僕が見ていた直近2回のオンラインライブでは、メンバーによってはその歌声が伴奏の音圧に負けてしまうような印象を受けることがたびたびありました。

メンバーごとの声量の差が顕著に出てしまっているのか分かりませんが、「あれ?」と物足りなく思ってしまったことは否めませんでした.。

とはいえこれは微々たる違和感で、不満という程でもありませんでしたし、オンラインライブだから生と違って聴こえるのかな?と受け止められるくらいでしたが。

ですが今回は、メンバー6人の歌声をはっきりと感じることができたような気がします。
PA関係のことはよくわかりませんが、だいぶマイクが音声を拾ってくれたのでしょうか。
TPD本来の安定感を思い出したような気分です。

【攻めのセトリ】

先述したセットリストに目を転じると、2018年にリリースした2nd アルバム「Hey, Girls!」収録の曲をふんだんに入れている(収録されている全12曲のうち実に8曲も)など、セットリストの半分以上がここ2,3年以内にリリースされた曲で占められており、今のTPDというものを強く押し出しているような印象です。

前半セットリスト

【TRICK U】→【eyes】→【Brand New Story】→
【Collection feat. ☆Taku Takahashi(m-flo)】→【Counting the seconds】
→【Starship Flight】→【Lovely Lovely】→【Shapeless】


簡単なMCを入れつつ、後半戦に移ります。
こちらは新旧の盛り上がり曲ばかりが織り込まれています。

後半セットリスト

【FREEDOM】→【Are you with me?】→【Jumpin’ Up!】→
【純愛カオス】→【逆光×礼賛】→【SURVIVAL!!】→【Hey, Girls!】
→【SHINY LADY】


おそらく収録では、前後半の間に休憩があったかと思うのですが、休憩を挟んだことによってメンバーが多少なり小休止でき、それゆえに終始攻めっぱなしの1時間のライブとなったように思います。

緩急でいえば「急」の曲が目立つセトリであることから、最新曲である「TALES」などもう少ししっとりめの曲を多くしたセットリストを楽しみたかったなど、ファンによってさまざま意見は出るかとは思うのですが、新生TPDの名刺替わりとしては十分すぎるくらいだったと思います。

このライブを観るまでは、既に同様の形式の配信ライブを2回も「生」で観ていましたから、Dive/Connect開催という告知を見て「いまさら収録なの?」と思ってしまってもいたのですが、このようなセットリストは配信も含め、普段の生のライブではなかなかお目にかかれないでしょう。

いつもなら中盤に衣装替えプラス少々の休憩を含んだユニットコーナーがあるでしょうし、6人全員そろって最初から最後までフルスロットルとはなかなかいきません。
ユニットコーナーが小休止とは思ってはいませんが、通常のライブであれば1時間(+α)を歌い切れるように配分も調整するはずです。

オンラインライブは今後もあるかもしれませんが、収録もこれはこれでアリだなと思い知るような、良いライブを魅せてもらいました。

【セットリスト各論】

細かい内容についてはアニバーサリーライブのレポで書く予定ですが、最後にセットリストの数曲について手短に残して終わりにします。

後半に披露された「Are you with me??」はTPDでも数少ないタオル回し曲です。

コロナの影響により、声を出すことはおろかタオルなどを回す行為も禁止される場面が目立っています。
メンバーのダンスを真似する「フリコピ」さえも、場合によってはとがめられる例も散見します。
声を出さないんだからいいじゃんとは思いますが、しょうがないですね。

ですがオンラインでならいくらタオルを回しても怒られません。
近いうちにおとがめなくタオルを回せる日が来るといいのですが。
楽しい曲ではあるのですが、このご時世に聴くとまた違った思いで受け止めてしまいます。

◆Are you with me??


そして、「SURVIVAL!!」。過去のnoteにも書いてきましたが、ライブには必須の上がる曲です。

ここ最近ではライブの終盤にかかる傾向が多いようにみられ、浜崎さんの叫ぶアオリも最終盤に向けてギアを一段と高めるものになっています。

また、以前にも書きましたがこの「SURVIVAL!!」、いわゆる「落ちサビ」の部分ではCD音源だとトーンが落ちるのですが、ライブ映像だとむしろ打ち込みの拍数が増え、大サビに向かってエネルギーを高めていくようなアレンジになっています。

もともと激しい曲ゆえ、個人的には落ちサビでも勢いを落さないこの「ライブバージョン」のほうが好きなのですが、今回のライブではうれしいことに「ライブバージョン」でした。直近2回のライブではCD音源のほうでしたが、どちらのアレンジを持ってくるのかは完全にランダムなのかもしれません。
次のライブでどちらのバージョンが来るのかを予想するのも小さな楽しみです。

◆SURVIVAL!!

ラスト2曲は、楽しくもありながら少ししんみりした空気を残している「Hey, Girls!」「SHINY LADY」。
2ndアルバム収録と比較的新しい曲ではあるのですが、ライブ終盤やアンコールでの印象が強く残っています。

どちらの曲も非常に好きな曲で、これまでのnoteの投稿で散々書いてきましたし、今更多くを語る必要はもはや無いとは思いますが、「SHINY LADY」での高嶋さんの歌うAメロ

「当てのない苛立ちをスルーしてくように 
街はNoisy Noisy ヘッドフォン塞いで」


ここはいつ聴いてもなぜか涙が出そうになります。

たぶん次回のアニバーサリーライブでも披露されるかとは思うのですが、生で聴いたら感情がどうなってしまうのか予想もつきません。

「SHINY LADY」ではさらに、チャイムでおなじみのイントロが流れた瞬間、メンバーの脇あかりさんが「この曲でラストの曲です!」と切り出して観ている人たちへのお別れコメントを残しました。

脇さんのコメントを聞いた瞬間、2年前の結成5周年記念ライブの際の映像を思い出しました。
このときも、イントロとともに脇さんが、5周年を迎えての万感の思いを口にしており、なにかデジャヴを感じます。

◆SHINY LADY (@5周年記念ワンマンライブ)


ライブ後のトークコーナーでもメンバーがはこのように話していました。

はじめはどのカメラを観たらいいか分からなかったオンラインでのライブも、2回、3回とこなしていくにつれて慣れていき、楽しさが増していったと。

今回のダイブコネクトは、オンラインライブも板についたそんなTPDの一つの完成形を見たような気がします。

おそらく可能性は低いですが、DVD/Blu-ray化してほしいほど、これまでのオンラインライブの中でも出色に見えました。
これは単にセットリストが自分好みだったからということもありますが。

本ライブのアーカイブは12月8日(火)の20時まで残されています。

さて、この投稿の次の日にはもう、冒頭で書いたアニバーサリーライブが控えています。
オンラインライブの余韻も引きずっていますが、生に勝るものは無いでしょう。
非常に楽しみです。

見出し画像: TPD公式ツイッター(@TPD_official)より




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