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【ライブレポ】東京パフォーマンスドール " St.Valentine's PREMIUM DANCE SUMMIT 2021"

個人的な思いとして、アイドルのライブレポはできるだけ俯瞰で書くことを心がけたいので、主観でしかなく伝わりづらい言葉である「可愛い」などはできれば使いたくないのですが、今回ばかりは頻繁に使ってしまいそうです。

2月14日(日)のバレンタインデーに渋谷・ストリームホールにて開催された東京パフォーマンスドール(TPD)の表題のライブに行ってきました。

メンバーも事前に予告していましたが、バレンタインということで「可愛さ」を前面に出してくるのかなと思ってはいましたが、結果としてはその予想を大幅に超えられるくらい可愛さで溢れているライブでした。

TPDは2019年のバレンタインにもワンマンライブを開催していて、平日の確か木曜だったのですが行った記憶があります。

あれから2年。

断片的な記憶はあれど、当時のライブの詳細はもはや覚えておらず、ザテレビジョンの当時のレポを頼るよりほかは無いのですが、可愛さという点ではむしろ当時より増しているのではないかという印象でした。

まずセットリストから振り切っています。
今回のライブは三部制で、僕は第一部に行ったのでそのセットリストを下に掲載していますが、第二部、第三部ともに変更点はほぼなく、ソロ・ユニットコーナーの曲が違うくらいだったようです。

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TPDの身上でもある激しいダンスが特徴的な曲はセットリストにほぼ入っておらず、かわりにバレンタインチョコのような甘い雰囲気を持たせる恋愛系の曲で占められていました。

例えば、指ハートを作る振り付けが特徴的な「Lovely Lovely」

女性目線のもどかしさを歌った恋愛ソング「Honey! Come Come!」「Kiss×Bang Bang!」

これ以外にもメンバーの笑顔が目立つ曲がいっぱいで、「陽」の部分が強く打ち出されている構成になっています。
セットリストからほぼ外されることのない「SURVIVAL!!」ですらここには入っていません。

また、可愛さをさらに増していたのが、ライブ序盤にメンバーが着ていた衣装です。メンバー櫻井紗季さんのツイートを参照します。
櫻井さんは赤のストライプですが、水色ストライプのメンバーもいました。

ステージにこの衣装で上がったメンバーを一見して、行ったことはないものの、ひと昔前のパーラーをなんとなくイメージしてしまいました。
目にも鮮やかな原色は、少しばかりの懐かしさを感じさせつつ、この日が特別であることを強調しています。

結果としてこの衣装は4曲目までで、5曲目からのソロ・ユニットコーナーを境に別の衣装に替わってしてしまったため、後から振り返ってみるとトータル1時間のライブ中15分程度しかこの衣装を拝めていなかったのですが、短い時間でもインパクト十分でした。

プレミアム感

こうした可愛さに加え、いつもとは違う渋谷ストリームホールの景色というのも、今回のライブタイトルに挿入されている「PREMIUM」感を演出している気がします。

今回のライブ会場である渋谷ストリームホールは2018年9月に開業したばかりと新しいのですが、TPDはこれまでこの会場にて6カ月連続のライブシリーズの締めくくりライブや年末ライブ、さらには周年ライブまで行っており、その短い歴史の中でもここ数年のTPDの活動において重要な会場となっています。

こちらとしてもすっかり行き慣れた会場なのですが、コロナ禍となってからは初となるこの渋谷ストリームホールは、それまでとはまた違った顔を見せていました。

外観などはもちろん変わっていなかったのですが、フロアの様子やそこから見えるステージの景色がまるで違っていました。

かつてはフロアにスタンディングでギュウギュウにファンが入り、わずかな視界からメンバーを見上げていた記憶があったのですが、今回は人数が本来のキャパシティ(公式HPによると650人)から大幅に絞った100人程度しかおらず、さらにそこには等間隔でイスが並べられていました。指定席での観覧です。

こうした座席配置はコロナによる制約から来ており、そもそも今回3部公演としたのも一回の公演で入れるお客さんの数があまりに少ないことに由来するのですが、そうしたことが図らずもプレミアム感を生んでいる気がしています。

僕があてがわれた席はほぼ最後列だったのですが、それでも人数の少なさゆえ非常によくステージが観られましたし、メンバーが「よく見えていたよ!」とステージの上からファンの皆に呼びかけていたことはなにもリップサービスではないのだろうなとも思います。
お互いがお互いをしっかりと認識できたことで、ステージと客席の心理的な距離感が短くなったような気がしました。

今後そうないであろう可愛さで占められた演出に加え、行き慣れた会場に対する人数の少なさによって、刹那を楽しむことができました。

全体の雑感はここまでとして、後半はメンバーのパフォーマンスなどに目を向けていこうかと思います。

フォーメーションチェンジのなめらかさ

これまでTPDのライブは基本的に最後列で観ることが多く、しかもお客さんが多かったので視野も限られていましたが、今回は先述のように人数が大幅に絞られていたことにより視野が広くなり、上手下手はもちろん、ステージ上の床までよく見わたすことができました。

その結果、新たな発見を得た気がします。

例えばグループのデビューシングルであり代表曲でもある「BRAND NEW STORY」では、メンバーがステージの広さを存分に使ってクルクルとフォーメーションを変えていきます。

これまで何度となく映像や会場で観た光景ですが、生の引きの画でしっかりと観たのは初めてかもしれません。
クルクルと自在に回っていくメンバー6人はあまりになめらかで、まるで6個のコーヒーカップが所狭しと回っているようでした。

多分これも「BRAND NEW STORY」だったかと思うのですが、ターンの振り付けの直前に浜崎香帆さんがこちらに向けた決め顔もしっかりと頭に残っています。

橘二葉こそ高音

しかし、今回なによりも特筆したいのはこのメンバーの歌声に驚かされたということです。

TPDの最年少メンバーであり、グループの妹キャラである橘二葉さん。

直近のライブレポでも彼女の高音の歌声の綺麗さに触れていましたが、今回もそれをまざまざと見せつけられました。
とくに目立っていた2曲をご紹介します。

まずは、4曲目に披露された「Glowing」という曲。

冒頭で主観を排したいと言っておきながら、この曲のイントロが流れた瞬間は、「Glowing」が収録されているアルバム「Hey, Girls!」のリリースイベントのことを思い出して半分泣きそうになっていたことを書き添えておきたいのですが、この曲のAメロの以下の部分は、浜崎香帆さんの歌う主旋律と橘さんが合わせるハモリによって構成されています。

「それでも寄り添えばすべて忘れられた」

とくに「それでも寄り添えば」の部分は主旋律の浜崎さんに対し、橘さんがハイトーンのメロディで被せているのですが、もはや主旋律を飲み込んでしまうほどに橘さんの歌声は大きく渋谷ストリームホールを包んでいきました。

またアンコールで披露された最新曲「TALES」でも、この伸びは強く聴こえました。
橘さんはこの曲の冒頭でソロバートを任されており、これだけでも歌声に期待がなされていることが透けて見えるようですが、とりわけ素晴らしかったのは、2番サビでの"涙にサヨナラ"のパートでした。

たった一言なのですが、それだけで十分すぎました。

最後の曲の2番という、いわばライブのオーラスが見えかけているような中、声量としても薄くなっていきそうなものを、むしろ高音で弾みをつけてひと盛り上がりさせていました。
最後の最後ではありますが、ここでギアが一段上がった音さえするようでした。

改めて音源を聴くと、当該パート(動画内2分50秒)の高音の歌声が対比によって少し控えめになって聴こえてしまうほど、生で聴く歌声は素晴らしいものでした。

撮影可への対応

ところで、今回のライブではTPDには珍しく曲中(Hey, Girls!)に動画撮影タイムが設けられました。
静止画のみの撮影はこれまでもたまにあったのですが、静止画で一瞬を切り取ろうとすると画像のブレが目立つため、それなら大盤振る舞いで一曲まるごと動画撮影可にしてしまえばいいじゃないか、という計らいから生まれたものでした。

僕もスマホを取り出して撮るには撮ったのですが、曲に合わせて腕を上げたり、スマホをクラップしてしまったりとライブを楽しむことに気を取られすぎたため、ブレがひどくどこにもアップできそうにありません。

昨今のアイドルのライブでは動画/写真の撮影が可能なことが多いため、今後もこうした撮影の機会は増えていくと思います。
文章だけのライブレポは味気ないものになるという自覚もあるので、レポに華やかさを加えるためにも撮影の腕は上げておかないといけないという気にもなりました。

ーーー

どうもTPDのライブレポはいつも以上に思いがまとまらず、納得できるライブレポとはなっていないのですが、次回も書く機会があることを願いつつ記事の締めくくりとしたいと思います。 

見出し画像出典:東京パフォーマンスドール公式ツイッターアカウント(@TPD_official)画像を改変


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