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【ライブレポ】210718 東京アイドル劇場 綺星☆フィオレナード公演

ライブアイドルを(再び)観はじめて1年弱。
長くはない期間ですが、その間にも秀逸な楽曲をひっさげ、圧巻のパフォーマンスを魅せるアイドルグループをたくさん目にしてきました。

まだ知らないだけで魅力的なグループは多々あろうかと思うのですが、この日、衝撃的なグループを新たに見つけてしまいました。

それが、今回ライブレポにてお伝えする7人組アイドルグループ「綺星☆フィオレナード」(スターフィオレナード、以下スタフィオ)です。

僕自身スタフィオについてはまだよくわかっていないことが多いので、ネットに転がっている情報を引きながら導入に行きたいと思います。

これは余談ですが、グループに興味を持ち始めたもののまだ全貌が掴めず、色々探っている時期というのは結構楽しかったりします。

スタフィオは2017年12月に3人組グループとして結成されました。
概要は以下の通りです(公式HPより)。

綺羅星、フィオレ(フランス語でちいさい花)、ナード(ヲタク)をコンセプトにかっこよさと可愛さを併せ持つ東海地方を拠点とするアイドルグループ。
2017年12月22日に正式デビュー。

もともと三重のご当地アイドルとして発足した「煌めき☆アンフォレント」というグループがあり、同事務所で遅れてデビューしたスタフィオはこの妹分という立ち位置だそうです。
これまでは東海地方を中心に活動をしていましたが、昨年の頭から拠点を東京に移しています。

人数の変遷を経ながら昨年まで5人のメンバーで活動していましたが、今年1月のワンマンライブでうち3人が卒業。
4月に新メンバーが5人加わり、7人組の新体制となりました。

新体制に伴い、衣装はメンバーカラーをより全面に打ち出した可愛らしい衣装に変わりました。
下に貼ったアーティスト写真でメンバーが着ている衣装ですが、まるで「お菓子の街」をモチーフにしたかのような華やかさがあり、随分と明るい印象を受けます。
このおかげで、ライブ中は遠くからでもメンバーの色が一目瞭然でした。

スタフィオメンバー紹介

今回のライブから一週間を置かず、ライブレポを書いているときにまた別の新衣装がお披露目となりました。
これまた賑やかな色合いです。

ではライブレポに、といきたいところなのですが、僕がなぜスタフィオを知ったのか、その経緯だけ書かせてください。
スタフィオを知ったのは、この日のアイドル劇場にも出演していたFragrant Driveというグループがきっかけでした。
Fragrant Driveは他グループから継承した曲をライブで披露することが多いのですが、今年冬から「°Crepuscolo」という曲が解禁になりました。

イタリア語で「夕暮れ」を意味する「Crepuscolo」を由来にタイトルがつけられたこの曲は、MVどおりうすくオレンジ色のもやがかかった黄昏の光景がありありと想起される、切ない良い曲なのですが、元々これはスタフィオが昨11月にリリースした曲でした。

「°Crepuscolo」の作詞欄にはSean Shellerという名前がクレジットされているのですが、これはFragrant Driveのプロデューサーである貝塚翔太朗さんの作詞上の別名義です。

所属事務所やレーベルすらも違うFragrant Driveとスタフィオの間で曲の引継ぎがなされた背景には、これを思うと貝塚Pの存在が大きいと考えて間違いないでしょう。
今回のライブ前日にはスタフィオの定期公演が開催されましたが、Fragrant Driveがゲスト出演しており、かかわりの深さが伺えます。

このように両者の交流が深いことから、Fragrant Driveを観ていく中で「スタフィオ」という名前だけは目にする機会は多く、いわゆる「SNSではよく見かけて知った気になっているけど、一度も生で観たことのないグループ」の一つになっていました。
応援しているグループと浅からぬ縁があるからと、ライブでスタフィオを観る機会を長らく伺っており、この日の東京アイドル劇場でその機会がようやく巡ってきました。

・・・

ここからライブレポです。

7月18日(日)にYMCAホールYにて開催の、東京アイドル劇場のライブです。

ライブを通して、それまでほとんど知らなかった各メンバーのキャラクターや特徴といった輪郭が、衣装の分かりやすい配色という助けもありつつですが徐々にくっきりとしてくる感覚がありました。
色々書きたいことはあるのですが、とはいえメンバー7人全員について触れられるほどには観ることができておらず、こればかりはお許しください。

◇セットリスト
M1. Shu★parklinG!!×Ⅱ
M2. Brilla di più♯
M3. Nuova★Storia
M4. Eterna⁂Tenere
M5. La mia adolescenza.
M6. :Dum spiro spero


この日序盤に披露された2曲「Shu★parklinG!!×Ⅱ」、「Brilla di più♯」はポップな曲だったので、可愛いめな新衣装とよく合っていると言うか、場がキラキラと明るくなるような雰囲気を感じたのですが、その後続いた4曲は、そんな衣装に似つかないほど激しく感情の入ったパフォーマンスで、この日はそんな後半の印象が強かったです。

スタフィオのライブを観てまず驚いたのが、メンバー一人一人の歌声の広がりでした。
以前のライブレポでも書いた「倍音」的な特徴が各メンバーの歌声にあるように思えました。
一人一人の出す音の幅が広く、7人でのコーラスはおろか各人のソロでも音を浴びるような感覚は一層でした。
アイドルのライブでは、人数が多くなることで音同士がぶつかり、うるさく聴こえてしまうことも正直多いのですが、7人もいるスタフィオに関してはそんなこともなく非常に聴きやすい歌声でした。

続いて各メンバーについて書いてみます。

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世良明梨さんは、この日暑さのあまり体調を崩されたそうなのですが、ライブ中の姿からはそうと察せませんでした。
メンバーの歌声の広がりがすごいと書いたばかりですが、世良さんの歌声はそれとも少し違った味わいです。
どちらかというと息が多く柔らかいイメージで、これがグループのアクセントになっていました。
ダンスでもそれは現れていて、例えば激しい振り付けであっても、落ち着きを備えた振る舞いをひとりしていたように思います。

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矢羽根かこさんは、グループ内で一番という背の高さとくっきりとした顔だちが目を引きます。
背が高いといってもプロフィール上では164cmで、2番目に高いメンバーより数センチ高い程度なのですが、それ以上の差があるように見えました。
姿勢や堂々たる立ち姿がそう思わせていたのでしょう。
上手から下手へと一人大きく移動しているパートもあったり、その特性が大いに活かされてもいました。

少し脱線しますが、矢羽根さんは4月に加入したメンバーの一人で、スタフィオ加入以前は「アルテミスの翼」というグループに所属していました。
そんな矢羽根さんがスタフィオに来た経緯というのが、もともとスタフィオに所属していた小泉花恋さんとの「期間限定トレード」だったのですが、トレードなんてアイドルの世界にもプロスポーツみたいなことがあるんだなと当時思っていました。

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不思議とひかれるところがあったのが、木咲りんさんでした。
Nuova★Storia 」でのサビでは、腰を低く落とし腕を振りながら小刻みに動くという、どう考えても大変な振り付けがあります。

ここでは木咲さんが一番腰を落として激しく動いていたような気がしたのですが、かと思えば別の曲の振りのときにはトーンを落として軽めにしているように見えました。
想像ではありますが、木咲さんのなかでパフォーマンスの中に動静をつけているのかに思います。

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そして辻彩花さん。
辻さんはエモーショナルな曲での表情の消し方が抜群に上手かったです。
辻さんのツイッターのプロフィールには自らのダンスについて「厳つい」と書いていましたが、そうした視点では観ていなかったので次の宿題です。

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各メンバーについてはざっとこれくらいなのですが、この日ラストに披露された曲について書いて終わりにします。

先月に初披露されたばかりの新曲「:Dum spiro spero」。
この日の余韻はしびれるような感覚となって身体に残ったのですが、それはこの曲を聴いたからでした。
あまりに衝撃が大きかったです。

曲タイトルの意味は、ラテン語で「生きる限り、希望をもつことができる」。

サビ直前に2回続く三連符(間違っていたらすみません)の「生きる限りは」という歌詞での、とにかく訴えかけてくる感じであったり、サビでコーラスから一瞬間をあけての「花が咲くときは星屑 安息の刻」のパートなど、メロディーからまず秀逸です。

ライブ前に聴いていた時点で名曲を確信していましたが、生で聴くと魅力が増大します。
メンバーから出される豊かな音は、もはや音と表現するより空気の振動と言い換えたほうがしっくりくる気がします。
それくらいこちらに押し寄せてくるものを感じました。

先に書いた「花が咲くときは~」のパートではまた、末永香乃さんがセンターに立ち、迫力を増していく他メンバーのダンスの中で前かがみになりながら歌っていた姿が印象的でした。
タイトルになぞらえて苦しさの中に希望を見出すようなイメージがありありと浮かんできます。

そして曲のラスト。
橘すずさんと末永さんがセンターで天に向かって指切り?を見せるシーンで曲の幕が閉じます。
ふたりは向かい合っているため、このシーンではふたりの横顔しか捉えられないのですが、真正面の表情を観られないからこそ想像力を掻き立てられるワンシーンでした。

最後のこのシーンまで4分間、ただステージに引き寄せられていました。
この曲がライブの全てだったと言っても言い過ぎではないかもしれません。
その結果としての冒頭のコメントです。

先述のように「:Dum spiro spero」は先月初披露になったばかりで、こんな良い曲を早いうちに知ることが出来たのは大収穫でした。
個人的には、今年に入って聴いた曲の中でトップレベルの良曲と思います。

以上がライブレポです。

スタフィオは東海と東京を頻繁に行き来しながらライブに出演していますが、機をみて再度観られればと思っています。

見出し画像:東京アイドル劇場公式ツイッターアカウント(@tokyoidolgekijo)画像を改変


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