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【ライブレポ】IDOL'S THE PARTY #1(翡翠キセキ / イートイン / Girl's Time)

4月23日(土)に山野ホールで表題の対バンライブが開催されました。

以下3組のライブについて書いてみます。

◆翡翠キセキ

翡翠キセキの振り付けを観ていると、動作と動作の間に微妙な空白があるように感じます。
動きが流れるような振り付けの構成になっておらず、一つ一つの動作が粒立っています。
ごまかせないだけに、タイミングを合わせるのが難しいのかなと思うのですが、メンバーの動きはズレずにピタッとハマっています。

未来坂」の2サビ後、落ちサビへのブリッジでは仲谷水伶さんがセンターに立ちます。
仲谷さんが前に伸ばす腕と音が合うところが気持ちいいです。

前回観たのは2月27日開催の初のワンマンライブでしたが、その時より歌が良くなっているように感じました。

神谷優月さんは細さがなくなり頼りがいのある歌声になっていましたし、低音域にめっぽう強い白松ゆりさんは出せる声色が豊かになった気がします。
そして仲谷水伶さんは出す音が器用です。
低音の白松さんと高音の神谷さんの間でバランスを取りつつも、どちらかというと低音のほうが得意なのかな?とかねてのイメージではあったのですが、得意不得意なく自在に操っている感がありました。

水色に照りつける照明の下、エメラルドグリーンの衣装を着たメンバーはとても清楚感に包まれていました。
このグループもまた、ホールが似合います。

良いライブを見せてもらったなと思っていたのですが...
このライブの数日後、こんなお知らせが飛び込んできました。

翡翠キセキは、同事務所の透色ドロップと合同で新メンバーのオーディションを開催中なのですが、新メンバーの加入を前に白松ゆりさんと神谷優月さんがグループを離れることとなりました。
ふたりの卒業ライブは5月21日。
もう一カ月も残されていません。

あまりライブには行けてはいませんが、グループアイドルの最少人数であろう3人だからこその過不足ないバランスの良さや、仲良くしつつ高めあうような感じをはた目にも受けていたため、卒業という事実や、またその理由の一つが「すれ違い」だというのはかなり驚きましたが、中のことは分かりようがありません。
これ以上何も考えるべきでも言うべきでもないのでしょう。
仲谷さんは残り、新メンバーとともにグループを守っていくそうです。

個性がありつつ統率感もあった翡翠キセキがどうなっていくのかは静かに見ていたいと思います。

◆イートイン

2021年12月にステージデビューしたばかりのイートイン、持ち曲はお披露目の時から変わらず5曲なのですがどれも短めなようで、通常5曲が相場の25分間のライブでも、MCを挟んでも平然と6曲披露してしまっています。
そのおかげで、5曲のうちどれか1曲を二回披露することが出来ています。
1度のライブで二回も聴けると、たとえ初見でも頭には結構入ってきます。

この日の流れはこうでした。
まず一曲目に「knock knock knock」を披露し、途中のMCで「knock knock knock」のMVが3000回再生を越えたことや、物販でデモCDを売っていることなどを告知してフロアに曲を意識づけ、ラストにダメ押しの「knock knock knock」、というものでした。
パフォーマンス動画は他の曲でもありますが、MVまで作られているのは「knock knock knock」以外にありません。
今のイートインの顔はこの曲なのでしょう。
今日は「knock knock knock」の日でした。

この日のイートインは、満月さんと山村伶那さんが欠席で、いつもは5人のところを急遽3人(鈴奈さん、小林瑞希さん、井咲由衣さん)でのステージでした。
本当に急遽だったので、メンバーは立ち位置や歌割などに始まる全てを大慌てで3人仕様にしたそうです。
それでも人数が減ったことで縮こまることもなく、むしろ広い山野ホールのスペースを存分に使ったパフォーマンスでした。
下手から上手までダッシュすることもあったり、奥行きも必要以上にとっていました。
なんだかもとの5人どころか、さらに二人くらい増えた7人でのパフォーマンスを想定したかのようにも見えるほどです。
おかげで欠けたメンバーの穴を感じることはあっても物足りなさは一切ありませんでした。
相当動き回ったのでしょう。
冒頭の鈴奈さんのツイッター画像でも少し分かりますが、ライブ後、真っ赤になったメンバーの顔がその運動量を物語っていました。

3人でもトラブルなくやれることを感じた一方で、やはり欠けた2人のことも待ち遠しくなりました。
キャッチーでフリコピ要素のある「Summer Song」、いつもはサビ前に満月さんが「いくよー!」と一言入れていたのですが、この日は不在のため煽りがありませんでした。
煽りでどれだけフリコピを引っ張ってもらっていたかということに、このとき気付かされました。
まだ観た回数も少なくなんとなく遠慮がある中で、満月さんの一言はそんなものを取っ払ってくれていました。

歌パートは3人で欠けた二人のぶんを補っていていましたが、歌い慣れているからか自らのオリジナルパートでは明らかに出しそうなことが伝わってきました。

◆Girl’s Time

2021年1月、7年にわたって活動してきた4人組アイドルグループ・転校少女*が解散しました。
解散時のメンバーのうちオリジナルメンバーの二人(松井さやかさん、塩川莉世さん)はソロとなりアイドルからは(恐らく)引退しました。
一方、2020年11月にグループ加入した二人(佐々木美紅さん、成島有咲さん)は新グループに向けて準備中だと、解散ライブで発表されていました。

それから2カ月。
秘密裏に準備してきたその新グループの詳細が明かされました。
それが「Girl’s Time」でした。

グループ名は転校少女*の代表曲「Girl*s Time」に由来し、コンセプトは「フレッシュな魅力と共に転校少女*の楽曲やDNAを継承するグループ」とあります。
メンバーは佐々木さんと成島さんに加え、麻倉瑞季さん、稲葉ゆうかさん、小鳥みゆうさん、そして七瀬由佳さんという4人の新しい顔ぶれがお披露目されました。
SNSは1万人以上のフォロワーを抱える転校少女*のアカウントを引き継ぎ、名前だけ変更という形です。

この発表がなされた当初は正直、すぐに飲み込めないところがありました。
涙で見送った1月の解散ライブのことがどうしても頭にありましたし、発表のタイミングや仕方もあったので面食らっていたのですが、今としてはこれがより良い形なのかもしれないなというふうに考えが変わっていきました。

解散ライブのMCで、松井さんが二つの願いを口にしていました。
一つめが、解散が近づくにつれて格段に頼もしくなった佐々木さん、成島さんという「ありみく」ペアが先輩として引っ張る姿を見てみたかったこと、そして二つめが、素晴らしい転校少女*の楽曲をどこかのグループが歌い継いでほしいということでした。
そしてこれは、おそらく多くの転校少女*ファンの方の総意でもあったと思います。

経験のある「ありみく」ペアがグループを引っ張り、転校少女*の曲を受け継いだグループ「Girl’s Time」は、そんな願いが出来る限りの範囲で実現した結晶だといえるでしょう。
解散をせず転校少女*という名を残していれば、7年間の看板だけで名の知れた対バンライブや大きいステージに立てただろうと思います。
でも今は、あくまで新興のグループという姿勢です。
転校少女*の後期にはおそらく立つことのなかったであろう小さなライブハウスから草の根的に活動しています。

今のところGirl’s Timeのオリジナル曲は無く、セットリストは全て転校少女*の曲です。
個人的にはこの日が初めての「ガルタイ」であり、解散ライブ以来の転校少女*曲でした。

オリジナルメンバーのように「ありみく」が前へ前へと出ていくのかなと思っていたのですが、ステージをみていて驚いたのが、さほど二人が前に出すぎていないということでした。
一日の長があるぶん、塩川さんと松井さんが歌っていたメインのパートの多くはありみくのふたりが歌い継いでこそいますが、ツーマンチームになっていません。

あまりの違和感のなさに、途中我に返りました。
聴こえてくる歌声やステージの見え方は以前とは全然違うはずなのに、違和感なく受け入れられてしまっています。

転校少女*の曲はハイトーンで出すのが難しいです。
でもパッと見ても、「ガルタイ」で初めて転校少女*曲を歌う麻倉さん、小鳥さん、七瀬さん、稲葉さんの4人は苦戦しているように見えませんでした。
赤色担当の麻倉瑞季さんなど、「Girl*s Time」の元松井さんパートでは、松井さんよろしくこぶしを効かせてハロプロ歌唱っぽい歌い方になっていました。
努力して音域を広げたのか、もともと持っているものを出しているだけなのか。
よくここまでグループに適した人を集めてきたなと、以前転校少女*にありみくが加入した時と全く同じことを思いました。

グループを一新して変わったシーンもいくつか見られました。
最後に披露された盛り上がり曲「TRIGGER」は伴奏が変わった気がします。
歌割りも、パートの分け方から違う風になっています。
プロムナードの足跡」の落ちサビは、いままで1人で歌っていたところをガルタイでは複数のメンバーで均等に分け合っていました。

逆に「With You」のセリフパートでは小鳥みゆうさんがほぼ1人で語っていました。
こちらのほうが雰囲気が出ます。

ステージを見ていて、だれがフィーチャーされるということではなく6人で一つのグループなのだということがすごくよくわかりました。

あとは、グループにどんな新曲が下りてくるか。
まだデビューライブから一カ月程度です。
当座は転校少女*の遺産を受け継いで足場を固める段階なのでしょうし、知ってる曲ばかりなのは楽しいのですが、やはりオリジナル曲を持ってこそだと思います。
このDNAがフレッシュな6人組にどう転写されていくのかがすごく楽しみになっていきました。

◆セットリスト(うろ覚えです)
1 Girl*s Time
2 ときめけ☆アフタースクール!
3 プロムナードの足跡
4 With You
5 TRIGGER

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