改・「60おっさんのタイからラオス・初めてのバックパッカー1人旅」 note版
〜ウボンラチャターニーからバス国境越えで、
ラオス、パクセーヘ
No.10
6月21日(木)、7日目
「戻って来たら、またヨロシクね」
と、お母さんとお嬢さんとでパチリ!
お嬢さんの運転でバスターミナルへ。
市内中心部を横切って行かず、
外周りをどんどんスピードアップして、
ベンツで飛ばす飛ばす。
80キロ以上をヴィーーンって感じ。
お嬢さん、大人しそうに見えて凄いやん!
20分程で到着。
国境越えラオス、パクセー行き200THBのチケットを手に、
これまた初体験のバスターミナル内をウロチョロ。
『ここからもバンコクほか各都市に出てんのか・・・』
『パクセーの次は・・・バンコク、戻って・・も、いいけど・・・
パタヤーかな、ここから、パタヤー行きのバス、ないのかな?』
窓口で僕の通じない英語と日本→タイ語訳本を示しながら、
パタヤー行きバスの有無を確認。
『あるやん!』
この頃から、もう、平気で対面できるようになっていた。
タイムスケジュール、料金も確認。
500THBほどの高速バス、朝と夜発、数便。
これもいいかも、頭にインプット。
バスは寝台料関係なし、宿代浮くし、いいやん!
あとで、調べると列車は昼だと300THB程。
だけど、昼の時間は丸潰れ。
なのでバスに揺られて夜の12時間程だったら断然安い。
無駄になったあの寝台列車の701THB。
豪華寝台特急の981THBは、昼間の普通運賃の2倍3倍だと判り、
無駄遣いしたと反省。
でも、死ぬまでの1回キリの経験や、
別にいいやん!の気持ちで、開き直り、
バス乗り場1番のベンチで待機。
係員が来たのでチケットを見せ、確認。
「OK!乗っていいよ」
『そうなんや』
と停まっていたバスに乗り込む。
『このバスが国境、超えていくのか・・・』
乗客の少ない席に着く。
『一からスタートし直しや』
と考えに耽り、
何気に左後方に目をやると通路挟んだ席に、
若き女性バックパッカーが眠っている。
『日本人みたいやな・・・でも、違うかも・・・おい、お前、日本人じゃなくても声掛けんと悔い残るぞ。お前のアカんトコや。今はな、助平なこと抜きやで。ただ、チャレンジや、旅を拡げるためや。でも、日本人やん。
アホ、何もせえへんかったら、ナンもない。それでええんかいな。
お前はタイ人なりラオ人なり、声掛けられんのか。アカんやろ。
だったら、早よ、せえ!ホンマは何人でも声掛けんとあかんねんけどなぁ』
そうこう考えてるうちに、バスは発車し、
街を駆け抜けていく。
窓外を眺めながら、時には彼女の様子をチラチラ。
『眠ってるしな、悪いな。起きたら・・・やっぱり、声掛けてみようか』
走るバス、流れる風景。
日本でも見るような畑や田んぼ、ときには木造家屋が去って行く。
で、唐突に民族音楽的BGMが車内に流れ出す。
『おお〜、いいやん』
しばらく、いい雰囲気に浸かる。
『国境はまだかなあ・・・』
様子をチラリ。
「起きてるみたい。よし!・・・Where are you from?」
「日本です」
「!?ああ、そうですか。私も、60ですが、初めての一人旅です。
1度は経験したくて」
「そうですか。いいじゃないですか」
「旅慣れた感じですが、もういろんな所へ」
「はい、私の母も好きなので小さい頃から、よく連れられて・・・、
今では一人で行きますよ」
「どんな所へですか」
「やっぱり東南アジア方面ですね、なかでもラオスが一番いいの」
「ふーん・・・」
「人とか風景とか素朴で、私、人混みの都会より田舎の素朴な所が好きなの」
「ああ、いいですねー。で、いつから旅に?私は、15日、バンコクに入って、17日、寝台列車でウボンラチャターニーの入って、3泊して、そこの宿のお嬢ちゃんにラオスの国境越え進められて。いま、ここにいるんです」
「そうですか。私もバンコク入って、すぐ、飛行機でウボンラチャターニーに来て、2泊して、今、これから、パクセー泊まって、ドンデッドって云うメコン川にある島で何泊かするつもりなの」
「ドンデッド?」
「そう。とっても、いいらしいの。
いろんな人に会うけれど、皆んながいいって。どうですか?」
「ハァ・・・?」
急に新情報が飛び込んできた。
が、
「女の子、一人、勇気ありますね。家族の人、心配じゃありませんか」
「さっきも言いました通り母も旅好きで、気にしてないようです」
「あーそうですか。で、兄妹は?」
「いません。一人です」
「ハァ〜!それは、それは」
「でね、私、行く所、友達も居てね。今回もドンデッド行ってから、友達が居るタイの田舎町に行くの。ただ、ドンデッドから24時間、まる1日バス乗って、ビエンチャン行ってタイに入るの。それが大変なのよ。そうだ、良かったらルアンパパーン行ったらいいですよ。ここ私好きです、一番かな!いい景色、桃源郷みたいな、そんな感じの。でも、やっぱバス結構乗らないと、行けませんが、価値ありますよ、どうですか?」
気さくに喋る若い女性の名はAYさん。
東京の◯△市に住んでて、
ネイリストしている金髪ハデハデ今風ネエちゃん(私の感想です)だが、
実は、生きがい、やりがいを求め、
試行錯誤しながら人生を充実させようとしているしっかり者。
流行りに走る女性の気持ちは判んないと言い切る、潔さ。
日々、ルーティンの同じ繰り返しに疑問を持ち、
ポーンと新しい体験を、日常と違う時を過ごし、刺激を受けたくて、
バックパックで旅に出るという勇ましい女性である。
「もし、良かったら、昼、一緒にして、お話しできますか?」
「ええ、いいですよ」
旅が面白くなってきた、ワクワクドキドキ。
サポートしていただけましたら、より一層、充実した日々が送れると共に、明日へのパワーが漲ります!よろしくお願いします。