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改・「60おっさんのタイからラオス・初めてのバックパッカー1人旅」 note版

〜ミニバスに揺れて、褐色の川、メコンを横切り、
水と土と緑のドンデッドに来てしまった!
No.13

6月22日(金)、8日目

ロビーで20半ばの若い男が、
「ニホンゴ、スコシ」
と、声を掛けてくる。

僕は改めて確認する。
「ここに、日本人居なかったの?」
「居た。一昨日、帰った」
「そうなの。僕は昨日、来たんだ・・・帰ったのか
・・ふーん・・・??」

地図を見せて、
「僕は、これからドンデッド、ここに行くんだけど・・・
また、ウボンラチャターニーに戻るためには、
ここパクセーに来ないと行けないの?」
「・・・??」
「それとも、ドンデッドからパクセー来るまでに、
どこかウボンラチャターニー行きに乗り換えるバス・ステーションあるの?知らない?」
「・・・判らない」

そのうち、昨日の若いアンちゃんが出勤して来たので、同じことを聞く。
「ここ、このホテルに来ればいい、7時と15時、2回、どっちか?」
「ウウ?何か、おかしいなぁ〜」


僕は、この時、利用するバスは、
直接、このホテル近辺の乗り場から乗れる普通の大型バスと思っていたが、実はそうではなかった。
ハイエースクラスの車が、一旦、ホテルに寄り、
ウボンからここパクセーに来た時に大型バスから降りた、
あの不明の乗り換え場所へ行き、大型バスに乗り換えることのようだった。

でも、それとは別に、後ほど判るが、実は、結構立派なバスステーション(乗り換え中継地点)があったのだ。

ただ、最終的にはドンデッドからウボンラチャターニー行きの経路が有り、それを利用した。


『ハイエースクラスの移動手段か・・・そうなんやなぁ〜』
ふと、ラオスのお国柄を思ってしまう。

ホテルのスタッフらしい、若いお姉さん2人が、ニコニコ駄弁りながら、
メイン入口から入ってくる。
『彼女たちが色々、準備するんかなぁ』
と想像する。

午前8時、朝食の時間だ。
テーブルで待っていると、
あの姉さんの一人が親子丼と赤だしを持ってくる。

『あぁ、やっぱ、作ったんや!』

口に運ぶ。

『旨い、日本の味だ。Good!』
『この、赤だしも、イケる』

懐かしい。
一瞬、外国に居る、今の状況を忘れる。

朝食をカッ喰らって、
『さてと、ドンデッドへ行くか!』

お姉さんに「ベリーデリシャス」、
アンちゃんに「サンキュー」と告げ、
満ち足りたお腹を抱え出て行く。

バスの出発時間に、AYさんと落ち合い、
ドンデッド行きのバスに乗る。

『?!そうなんだ(ここで体験する)ロングハイエース。
これがバスなんだ!』

運転手が、荷物を後部にある空きスペースに、
お構いなしに、ギュッギュッギュッと押え込む。

乗り込む。
僕は、2人掛けに座り、AYさんは横に座るかなと思いきや、
彼女は一人掛けに座っている。

『2人とちゃうん・・・!?』
と惑っていると、
「こんな時はギュウギュウ詰めにされるから、一人掛けがいいのよ」
とアドバイスされる。

『ハハーン、さすが!』
で、すかさず、彼女の前の一人掛けに移る。

案の定、出発したバスは次から次へと各ホテルを廻り、
体格の良い一回りも二回りも大きながっしりした外国人を乗せ廻って、
パッツンパッツン満席イッパイで、パクセーを出発。

『なるほど、こういうことやったんか・・・』
と何となく先が思いやられる。

僕はウボンラチャターニーからのバスの様に、
快適、のんびり、リラックスでAYさんと
会話を楽しんで・・・と思っていたが、
ギュウギュウで身動き取れない、
圧迫、窒息しそうな8時〜11時の3時間の旅だった。

途中下車の客を降ろした後、
トイレ休憩を兼ねた、中継所に向かう。

1000Kip 13円、払って、用を足す。



到着。
ギラギラ太陽の真下、
映画「明日に向かって撃て!」のラストシーン、
ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが
大銃撃で殺されていった、
開発途上のあの場所、
そう!ボリビアみたいな所にミニバスが停まった。

一同皆んな、初めてなのに、
徐に、既に行き先を心得ているかの様に、
屋台が並ぶ土道を、ある一方向に歩いていく。

メコン川にあるフェリー乗り場へと。

灼けつく太陽と土埃と屋台。
まだまだ、未開拓な地。
そこに、並んでいるATM。
感心する。
この様な場所にも健全と立っているATM。
で、一体、何時、誰が、現ナマを補充に来るんだ。
こんな所へ!
ATM天晴れである。


我々、ミニバス同乗者集団も、フェリー乗り場へ到着。
チッポケな小屋だけの乗船場。

狭い待合室の一隅にある窓口で、チケットを購入する人。

で、僕は・・・??!!

『えっ!どう動くん?・・・手書きの紙切れ、このチケット、どうなるん?これ!?通用するん!?だって、手書きだよ!通じんの!?
ここに居る、フェリー切符売りの担当者に、
この乱暴に書かれた文字でOK なの?この人の取り分は?・・・!!??』

と、なぜか一挙に難問疑問が去来して呆然!!
どうしていいのやら?!って、
ホント、一人だったら舞い上がりそうだったが・・・、

AYさんが居る。
彼女の行動を、後方で見てるだけ。

彼女、窓口向かって、
「このキップ、フェリー込みよ!」
「OK」
以上、終わり、終了である。

『フーン、アヘ・・・!!!』

次から次へと遭遇する未知な世界、そして、頭がパンク。

フェリー代込みの紙切れチケット、紙切れなのに神通力、100倍。
心配無用!紙切れってバカにするな!
フェリー代込み・・・、15000Kip は200円かぁ・・・とぼんやり浮かべる。

私一人だったら、なんやこんやで、混乱のまま、流れに身を任せ、
フェリー代払っていたかもな・・・。

『落ち着け!』
普通に、今、持っているチケット見せて、相手の反応を伺うだけやん!
こんなフツーの事がフツーに出来へん、海外一人旅やねん!
これが僕。
(この時はAYさん居ますが!)
ホンマに修行が足らん、世の中、知らなさすぎる。
甘えったれやなぁと、再三、思う。
英語が出来なかったとしてもの事だ!!

出航まで待機。
彼女はトイレへ、待つ私。
しかし、待ちはじめて直ぐ、出発の声。
彼女は行ったばかり!
・・・中々、戻らない。

僕は「トイレット、ウェイト!」と叫ぶ。

時間稼ぎも兼ね、ゆっくりと僕と彼女の荷物をボートに乗せ、
待つ。
心は焦る、焦らなくてもいいのに。

掛ける言葉が軽く出ないからだろう、
「もう、少し待ってて下さい、今来ます」からと。
なんもない事だ。
やはり、伝える事は自然に簡単に伝えたい、
それが出来ないと”こう”なるんだなぁ。

AYさん、程よく戻って来て、
メコンの褐色の川を横切り、
ドンデッド島へ。

川面スレスレの船、その開放感、来たぞっ!!って感じ。


なのに、僕の弱い部分が、
『明日、帰る、フェリーとバスの見当つけないとダメだぞ』
と囁いている。
「ウルサイ!先ずは宿へ行くことだ!」

フェリーが着く。
島に上がると、観光客目当てに装った店舗の佇まいが並ぶ。


歩いて、宿探してみようかと、2人でトボトボ。

僕の、お目当ては、
”Mr Tho's Bungalows"ミスター・トーズ・バンガロー。

彼女の宿と共に探しながら15分くらい歩いたかな、
なかなか見つからない。
心配になって目に入った飲み物、雑貨店の兄ちゃんに、
iPhoneで”Mr Tho's Bungalow"の予約サイトを見せる。
「OK」
理解したようだ。

歩くと大変だからと、
バイクに客車の付いている、
トゥクトゥクの小振りバージョンの乗り物を用立てる。


「これで行く!乗って、早く!」
と、押し売り、ムリやり感満々のゴリ押しで、
あっ気にとられ乗ってしまう。
彼女も合意して、気圧されレッツゴー!

ビュンビュンビューん!!!
狭い土塊道を、ごっつい段差も、板張りの凸凹橋もお構いなしに、
本人一人、はしゃいでるかの様に、ぶっ飛ばす、ぶっ飛ばす!

お陰で、僕のAYさんのバックに、泥が飛び散っている始末。
だが、知ってか知らないのか、彼は、ニッコリと、
先ずは自慢げに、
「着いたよ!あれよ!」

『判ったよ。でも、ええ加減にせいよ。ったく!』
と心の中で叫びつつ僕は、
全くもって悪気があるようでない、得意満面な彼に、
「サンキュー」と返答してしまう。

で、先に見つかった僕の宿。

しばし、2人に了解を得て、待ってもらう。

テラス張りのカウンターで寛いでる、
”Mr Tho's Bungalow"の経営者、
オーナーというかチンピラ風情の仕切り役と云った方がシックリする
若いニイちゃんに、iPhoneの予約オーダーを見せる。


チラ見で、
「OK、OK」
これ書いてと宿帳を示す。

「???」

英語がズラリ、不明点も多々有り・・・。
判るパスポートナンバー、ネイムを記入して、
理解しようと悩んでいると、
AYさんの助け舟、
「1泊か何泊か聞いてるよ」
「はい、1泊です」
と、宿帳の続きをやろうと悩んでると、解らないと察したのか、
チンピラ風兄ちゃんに、
「OK、OK」
と、iPhoneのアゴタの契約文、云々気にすることなく、
1泊、95000Kipと請求される。

「ムム、何か怪しい?・・・」
素早く、予約オーダーの金額をチェック。
ほぼ掲示額通りなので、すんなり支払う。

で、早速、チンピラ風兄ちゃんは、
お母さんにも奥さんにも見えるような女性に、
部屋の案内を頼む。

私の様子を見届けてくれたAYさんは安心して、
「ジャーネー、また、どこかで会ったらねぇ・・・」
と、飛ばしや兄ちゃんと自分の宿探しに向かった。



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