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小学校

 私は、学童でアルバイトをしている。

 それは、小学校に悪い思い出ばかり思い浮かんだので、もう一回様子を見に行こうと思ったのがきっかけだった。

 小学校を卒業したのは8年前だが、当時と何も変わっていない気がしている。

 悪い思い出というのは、端的に言えば、つまらないかごの中に閉じ込められていたような感覚を覚えていたことだ。

 小学校は、日本の子供がランダムに同じ地域にいるという共通点だけで入学させられる施設だ。
 力のない6歳の子供は、何も考えずにそれに従う子がほとんどだ。しかし、その施設に疑問を感じて、不登校になったり、転校を考えたりする子も少なからずいる。

 私は、大人に従った。すぐに理解できることを長々と話し続けられて、進んで食べたくはないが、食べるしかない給食を口に放り込んで、休み時間だけは集団を離れて一人でゆっくりできたりもして良かった。放課後に、その県ではトップのレベルでスポーツをできたことが唯一の救いだった。

 最近の流行りに乗ると私はギフテッドチャイルドだったのかもしれない。

 私が小学生のときに、大人に従った理由は、先生という職業はかなり大変で、自分がある程度従わないと彼らを怒らせてしまって迷惑になる。疲れさせてしまう。
 
 最終的には、その集団で自分がもっと生きづらくなってしまうと思っていたからだ。

 学童で、実際に働いてみて大人側はだいたいそうだと思う。でも、大人の都合で押さえつけられる小学生を見ると、今でも、変わらず可哀想に思ってしまう。
 
 大人の事情を察してしまうと、めんどくさがられる。
 大人が効率的に話を通したいから、小学生は全員静かに話を聞く。
 大人が子供をより楽に管理したいから大人の決定に従う。
 能力が高い子は大人の理解の範疇を超えているから相手をしない、放っておく。

 しかし、小学生には力がない。

 おそらく今の日本の教育では、大人に従うのが、なんと言えばいいのか、一番過ごしやすい環境で安全なのだ。つまらない学校でも、そこで1日のほとんどを、過ごすしかない。あまりにも、つまらないと感じている子どもたちには、どうしようもない環境だ。

 私は、特定の分野だけでものびのびとやりたいことをやれる。
 どこまでも先に進んでいける。
 どんな、大人にも邪魔されない。

 その子のギフトを大人に邪魔されることなく伸ばしていける場所

 そんな場所を大人が準備しておいて、小学校でストレスを感じていた子たちが笑顔になるようにしたい。

 

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