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クリスマスケーキ

 メリー・クリスマス。一二月二五日。クリスマス当日。テーブルに置かれていたのはクリスマスケーキ(ショートケーキ)。純白の生クリームのドレスでコーティングされている。ケーキの上部には真っ赤な苺のティアラで飾り付け。まるでクリスマスケーキがどこぞの国の王女様に見える。こんな一般庶民的な家ではこのクリスマスケーキは不釣り合いだろう。それでも我が家ではクリスマスケーキがあるのは素直に嬉しい。喜ばしい。笑顔のキャンドルがポッと点る。笑顔のキャンドルは燃え尽きることがなく延々と点り続ける。
 今年のクリスマスは特別な予感がする。何故だろう?何があるの?そっと心に問いかけてみる。子どもの時とは違う。謎のドキドキ。謎のワクワク。謎のムズムズ。心拍数が上昇中。答えが気になる。時間が惜しい。待ちわびて特別な予感の正体が明かされる。答えはゴミ箱に「捨てられた記憶」。「捨てられた記憶」を手にし涙がポロポロ流れ濡らす。

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