【働く母】「あなたは○○でいいですね」という地雷(2024/05/09)
私は、今でこそ時間に余裕があるパート勤務で働いていますが、長男が1~3歳の頃は、片道1時間以上の都内の会社へ電車通勤し、時短勤務で正社員で働いていました。両家の実家は頼れる距離ではなく、夫も同じくらい離れた距離へ通勤しており、朝は7時過ぎの電車、帰りは23時を過ぎることも多く、今でいう「ワンオペ」に近かったと思います。
当時の話を詳しく書き出したら長くなってしまうので、また別の機会にでも記事にできたらと思いますが、何が言いたいかというと、当時の生活は自分の人生史上、「めちゃくちゃきつかった」のです。「健康で文化的な最低限度の生活」が送れているとはとても思えないレベルでした。(※金銭的な問題ではなく、時間に追われ過ぎていて。)
結果的に私は、次男の出産を機に正社員で働いていた会社を辞め、家から近い場所で非正規を転々とすることになるのですが、子供が保育園時代にモヤモヤしていたことがずっと引っかかっていました。その長年のモヤモヤをようやく言語化できることになったきっかけがありましたので、今日は記事にしてみたいと思います。
■「あなたは○○でいいですね」は地雷
育児しながら正社員勤務をしていた当時、私の頭の中を締めていたことといえば
・絶対に正社員を辞めたくない、会社にしがみつきたい。
・今の生活は、時間と体力的に厳しすぎる。
・私はクタクタになって時間ギリギリで駆け込みながら保育園の迎えに行っている。祖父母が代わりに迎えに来ている家庭がうらやましい。
・私だって、両親の力を借りられればもっと働けるのに。
でした。
別に、好きな仕事でも好きな会社でもなかったのですが、そこを辞めると二度と「正社員」で働けると思っていなかったので、当時の私はしがみつきたかったのです。
その後、さんざん悩んでいろいろ考えた結果、その会社を辞めて、家から近い場所で非正規で働くことを選択しました。非正規に転職したあとでも、同じ保育園には預けることができました。しかし、その保育園は、近隣では人気があり、もともと加点が高い人が多く集まってるため、傾向としてはバリバリに働いている正社員のママさんが多い印象でした。
それと同時に、自分が知る限りの少ないn値ですが、出産前から働いている都内の会社で出産後も正社員を続けていた方は、漏れなく近所の実家の手厚いサポートがある人でした。
なので、当時の私の脳内としては「頼れる実家が近所にある人は、バリバリ働けて羨ましい。私だって実家が近ければ・・・」という、僻みとか妬みにも近い感情を持っていました。
そこで、都内勤務の正社員(近所の実家サポートあり)のママさんから、こんなことを言われたことがありました。
「ななうみさんは、パートでいいですね。私ももっとゆるく働きたい」
それに対し、私はこう答えました。
「○○さんは、ご実家のサポートがあっていいですね。私は、実家のサポートがあれば、もっと正社員で働きたかったです」
↓そのときの私の心の中。
(別に私だってパートになりたくてなったんじゃないし、パートになれば収入や社会的立場だって下がる。というか、あなただって、「会社を辞める」という選択は自分の意志で自由にできるのに、会社を辞めない選択をしているのは自分自身でしょ??こっちは低収入のリスク取って会社辞めてんだよ。(怒))
そして、また後日、別のママさんとの会話。その方も実家が近い方で、よくお手伝いに来てもらっているのを見かけていました。
私が「ご実家が近くて良いですね」というと、
「逆に、ななうみさんは実家の近くに住むことを考えなかったのですが?親を呼び寄せるとかでも」
と、返されてしまいました。これには、ぐうの音も出ませんでした。
そうです、実家から近くないところに住むことを選択したのも、私自身です。完全に、ブーメラン食らった気分になりました。
この件に関しては、私たち夫婦の実家の周りでは仕事がなかなか得られない環境という事情もありますので、もともとのご実家近隣が職に困らないという地域でしたら、それはそれで羨ましいという別の問題もありますが…どこに住んでいても仕事ができるだけのスキル等を身に付けてこなかったお前の責任だと言われればそれもごもっともなのですが…
結局のところ、「あなたは○○でいいですね」っていうのは、あまり言ってはいけないワードだなっていうのを、そのとき感じました。このことは、それ以降もずっと心の中で引きずっていて、noteでも何度か記事にしようと試みましたが、上手く言語化できなかったです。
■リスクがあるからリターンがある
上述のモヤモヤを明瞭に言語化していただいた件がありました。
尾石晴さんの、下記の投稿↓
晴さんが引用されている元のポストは非公開にされて見れなくなっていますが、元々の流れとしては…
晴さん:子供が微妙な体調不良のとき、「学校休んでもいいよ?」と言えるようになったのが独立開業してよかったことのひとつ。フルタイム会社員のときだったら、それは難しかった。(意約)
↓
フォロワーさん:仰りたいことは良くわかるし、晴さんのvoicyもよく聴いている。しかし自分は会社員でいることを選んだため、このような投稿には心がざわつくことがある。会社員を選んだ自分は間違っている?子供はかわいそうなのか?(意約)
↓
~からの流れで、上記のXの投稿となっています。
この件について、晴さんが2024年5月9日に「消えボイ」として、voicyにて24時間限定公開で音声配信されています。要約すると、「(安定した会社員を辞めるという)リスクと取ったから、(時間の融通が利くという)リターンが得られている」というような話をされています。本人が取ったリスクというのは、他人からは見えないことが多いので、リターンの部分だけ見て「いいなぁ」っていう話になりがちなんですよね。
これは、まさに先述した私のエピソードにも当てはまることで、深く頷いてしまいました。
私のこの記事を読んだ時点で、↓下記のリンク先の放送がまだ聴けるようでしたら、ぜひ聴いてみてください。とくに、「働く母」には、何か気付きになることがある気がします。(※24時間限定配信のため、読んだタイミングによってはリンク先が消えている可能性があります。)
もし、晴さんの上記のX投稿と、voicy配信が無い状態で本件を記事にしようとしていたら、ただの愚痴っぽくなっていたところですが、長年のモヤモヤを言語化していただいたことで、非常に頭がクリアになりました。言語化能力、大切ですね。
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