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男はつらいよ~寅次郎星降るエクスプレスの旅

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寅さん+星降るエクスプレスの旅で小説家を書いてみました。
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満男の手紙~男はつらいよ番外編

満男の手紙~男はつらいよ番外編

 拝啓 車寅次郎様

 叔父さん元気でリリーさんと旅を続けてますか?
 この前、叔父さんが能戸村に来たときは本当に驚いてしまって、ろくに話もできずに申し訳なく思っています。
 遥々与那国島まで行って僕を探してくれたそうですね。
 もっと色々話したかったのに、叔父さん翌朝には村を出て行ってしまいましたね。そのためこうして手紙を書くことにしました。
 村役場の泉総務課長をはじめ、地域振興課長のあかうま

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寅次郎能戸村への旅~男はつらいよ番外編 【春弦サビ小説】

寅次郎能戸村への旅~男はつらいよ番外編 【春弦サビ小説】

 ここ海に囲まれた静かな漁村、能戸村は数年間で急速に過疎化が進み深刻な医師不足で村の医療が逼迫していた。
 そのため新しく村役場の総務課長に就任した泉課長は新たに村に来てくれる医師を探した結果、沖縄の与那国島で開業医をしている諏訪満男医師、通称Dr.コトー先生に白羽の矢を立てた。
 当初彼は島の医療で手一杯と断っていたものの、泉課長の熱心な勧誘に根負けしついに能戸村へ赴任することにした。

 今日

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寅次郎能登七尾線の旅~男はつらいよ番外編 【春弦サビ小説】

寅次郎能登七尾線の旅~男はつらいよ番外編 【春弦サビ小説】

 

 わたくし京都の宿屋で雪女に騙され、半ば幽霊となって宇宙をさ迷っておりました。
 しかしいつまでもこうして宇宙をぶらぶらしている訳にもいかず、つい望郷の念に駆られて地球へ戻る回送列車に飛び乗ったのでございます。
 わたくしの故郷と申しますのは東京葛飾柴又江戸川のほとりでございます。
 今頃故郷に残したたった一人の肉親のさくら、その夫の博はわたくしを心配してるに違いありません。
 甥っ子の満男

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Cafeヴィレ&居酒屋銀河亭グランドオープン男はつらいよ番外編

Cafeヴィレ&居酒屋銀河亭グランドオープン男はつらいよ番外編

 
 とらやのさくらと博の元へ再び宇宙郵便で手紙が届く。

 拝啓 諏訪さくら博さま

 この度ひょんなことから北十字駅にある居酒屋で葛城ミサトさん加持リョウジさんと知り合いになり、この2人のたっての願いでわたくしが仲人となりめでたく結婚する運びとなりました。

手紙の中にはどこで撮ったのか和式の花嫁衣裳のお嫁さんと紋付袴を着た新郎さんの結婚写真が挟まってた。

 このご両人今流行りの新婚さんで夫

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男はつらいよ3~星降るエクスプレス 寅さんからの手紙

男はつらいよ3~星降るエクスプレス 寅さんからの手紙


 拝啓 諏訪さくら 博様

 わたくし車寅次郎は京都の宿屋にて雪女に騙され生死の境をさ迷った挙げ句、半ば幽霊となって銀河の駅で売(バイ)をしておりました。
最近はあの世も物価高騰の煽りを受け、六文銭で渡れた三途の川の渡し賃も、今じゃ666万円に膨れ上がったみたいで。
こりゃ渡るまで何年かかるかと途方に暮れておりましたところ、心優しきさくら様の御計らいにより、銀河鉄道に乗って来たリリーと再会するこ

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