飛行機と独り言。
大きいリュックを背負って低い坂を登って家路を辿る。
空には、飛行機。
さっき見た白黒猫より小さい。
私の手のひらより小さい。
でもなぜか私には大きく見えた。
ふと、リュックが重かった。
気づいたら、人差し指と親指で潰せそうな飛行機を眺めていた。
ただただ潰せそうな飛行機を。
私の気持ちも知らずに飛んでいく飛行機はどこへ行くのだろうか。
楽しいところだろうか。
期待で溢れているだろうか。
何が見えているのだろうか。
地上にいる私にはずっと見えているのに、
きっとそちらは下なんて見ていなくて、
通り過ぎたものも見ていなくて、というか見えなくて、
ずっとずっと先を見ているのだろう。
いや見ていていいのだ。
見ていていい。見ていてくれ。
私の独り言。
小さい小さい私を大きい大きい空へ拾い上げて。
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