見出し画像

【知られざるアーティストの記憶】番外🥳☕:わたしは2021年に生きている

わたしは2021年に生きている

あなたがわたしの前から居なくなった
「2022年」という数字を見ると
わたしは痛みを感じる
時が止まり そこに閉じ込められる
「7」と「2」という数字の組み合わせもそう(※)

しかし時はせわしなく前に進むいっぽうで
「2022」はもうあまり見かけない
クーポン券や食品の期限 イベントの案内にも
日々目にするのは未来の数字ばかりなの
あなたが遺した日持ちのする食材の期限もとっくに切れた
あなたが置いて行ったシャンプーの買い置きも
もうすぐ使い終わるよ

あなたの知らない未来
あなたの知らない時代の日付に
わたしは焦りを感じる
わたしは追い立てられる
わたしは、取り残される……

今はまだ、
わたしは2021年に生きている

(※)2022年7月2日が彼の命日。

あなたのいない 恐ろしい日々……
どこまでも 終わらない

マリの言葉
2022/7/8 ノート『愛』より 「愛48」


登場人物の名前は仮名です

「知られざるアーティストの記憶」の内容はすべてノンフィクションで、実際にあった出来事を私の目を通して語っています。地名や病院の名称などもアルファベット表記でぼかして、特定できないように心がけています。

事実を書くかわりに、登場人物の名前はすべて仮名にしています。故人である彼のプライバシーと、関係者や私の家族を守るために。

彼の本名は、苗字はわりとポピュラーで、下の名前は音だけ聞くと女性かと思うような名前です。私はタイトルや登場人物の名前などを考えるのが苦手なのですが、彼の仮名は「ポピュラーな苗字と女性のような名前」を基準にして考えました。しかし、どのような名前も、彼の本名の他はどれもこれも違和感しかなく、ピタリとはこないのです。そこで、彼の仮名「ワダ イクミ」は、私の知り合いの女性の名前を一音だけ変更してつけさせていただきました。

彼の仮名の元となった女性は、故人ですが、生前の彼と少しの関わりがあった人で、彼と私の物語を見届けてくれた人です。彼女なら、
「名前を使ってくれてもいいわよ。」
と笑いながら言ってくれそうな気が、勝手ながらしたので、使わせてもらうことにしたのです。

私の仮名「スナガ マリ」も、今は亡き私の友人からつけさせていただきました。彼女もまた、私たちの物語に少しの接点があった人です。このお二人は、もしかしたら物語の最後のほうにちらりとだけ登場するかもしれません。彼女たちに感謝と敬意を感じながら、お名前を拝借いたします。彼女たちが見守り、導いてくれているような気がします。

私の三男の仮名「ハヤテ」は、三男が生まれて家族で名前を考え合った時に、ボツになった夫案です。三男の名前は、見事に家族全員の意見が割れて一向に決まらなかったので、いちばん多く呼ぶであろう私の案が採用されました。せめてネットでは夫の付けたかった名前を採用してあげています。

その他、一度しか出てこないような登場人物は仮名を考える手間を省いてアルファベット表記にさせてもらっています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?