クローズ求人採用面接結果待ちの心境


障害者雇用の不採用通知を確認したその日の午後からクローズ求人の採用面接が待ち構えていた。

障害者雇用の求人と同じ職種であることから今季2回目の面接はあまり緊張はしていなかったが、とにかく気持ちが沈んでいた。前回の面接は元気に受け答えできたが結果不採用になった。ならば別に元気でいる必要はないなと半ば投げやりな気持ちになっていた。


会場に着いたが場所がわからずウロウロしていたら、面接の方ですか?と聞かれとても感じの良い職員の方に案内してもらえた。控え室に着くと他にも面接待ちの人が何人かいた。前回の障害者雇用の面接から、もうここで他の人と比較して勝ち負けを考えるのは辞めようと思った。

面接の予定時間になると先ほどの感じの良い職員の方とは裏腹に、とても感じの悪い職員から睨むような目つきと共にボソッと名前を呼ばれた。

「あーもういいや・・・」

期待が裏切られた気分になり全てが嫌になりどうでもよく感じた。

前回同様にノックは3回して入室したが、別に2回でも良かったと思う。

三人面接官がいた。もう何人でもどうぞと思う。

今回の面接ではオーソドックスな志望動機を1番に聞かれた。
暗記していた文章を淡々と抑揚もなく話すその姿には私の中に志望動機が存在しているようには到底思えないだろう。


「現在の健康状態を教えてください。病院など定期的に通院していますか?」

ギョッとした。クローズの求人でもそれを聞くのかと。
障害者雇用でしか聞かれないと思っていたし、正直に話したら不採用となった。
その前提もあり私は嘘をついてしまった。

「軽い偏頭痛がありたまに・・・」

とてもぎこちない返答で何とも見苦しい光景だったと思う。

この瞬間で面接官が怪しいと感じて病気がバレたら採用されないだろうし、どうせ正直に話したところで不採用に違いないと思った。統合失調症なんて到底言えたもんじゃない・・・頭のおかしいやつだと思われるに違いないと思った。


この時点でこの求人と私は縁のないものだと思い始めた。

大学で取得したとある資格について前回と同様面接官に褒めていただけた。
そんな大したことない資格だと思っていたのでなんとなく取っておいて良かったと思った。

だがその資格と今の応募している求人には関係性がない。
採用する予定のない私とは特に話すこともないから適当に話題を振っているのだろうと思った。


その後大学で先行していた学問に対しても質問された。
それも求人の内容とは関係ないし、大学卒業なんてもう何年も前のことだ。
新卒採用でもないのにこんな話を聞いて何になるのか。

「以上で面接は終了です」

面接官は早く帰って欲しそうだった。
私も健常者のふりをして嘘をついたし申し訳なくて早く帰りたかった。

退出時のドアを閉める瞬間、うーん・・・という声がかすかに聞こえた。


もう諦めた。全然採用されなくていいやと思った。
しかしまた頑張れる気がしない。

就職活動で二件応募してどちらも駄目になったら頑張れない。
そんなことで落ち込んでたら駄目だと就職氷河期世代の人から言われるだろう。


やっぱり私は正常なメンタルではないし社会復帰はまだ早いのではないかと考えさせられた。


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