詩「きつね」
捕えろ
捕えろ
捕らえてみなきゃ
分からんぜ
全速力で逃げていく
鍬持つ人は 追い掛ける
その女子は 本当に
人か獣か分からんぜ
いよいよ追いつき
引っ張られ
女子は地面に崩れ落ちた
鍬持つ人の目ん玉 赤く血走った
女子は深く目を閉じて
元の姿にかえったが
それは人でも獣でもなくて
黒く濁った丸い形をしていた
見ていた人の目ん玉は
恐怖と痛みで
もっと
もっと
赤く染まった
黒くよどんだ丸い玉
四本足で逃げてった
もといた棲みかへ逃げてった
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