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闇金ウシジマくんを見て考えたこと

どうも、いつものIT系のおっさんです。

現状説明

盆休みで暇なんで、ドラマ版の『闇金ウシジマくん』をシーズン1 ~ シーズン3まで見ました。今、DTV専用版の「タクシーくん」っていう別シリーズ見てる途中です。この後、映画版も見ようかな。。あ、漫画版も昔、最初のほうだけ見たことあります。それでちょっと感想です。

10日で5割って、年利で言うと?

10日で5割って、やっぱり、凄いですね。試しに計算してみたんですが、最初に5万借りて、そのまま1年放置すると、10日ごとに借金が1.5倍ずつ膨らんでいくわけなので、360日(約1年)経過すると、1092億円になります。年利換算で2億1841万%です。めちゃくちゃですね。まぁ、1092億円の借金にした所で返せるわけないので、もっと早く取り立てを始めるとは思いますけどね。

10日で5割、利息だけ払ったら?

一方で、10日ごとに利息の2.5万だけは払ったとすると、それでも、元金の5万と合計で1年で95万払うことになります。これでも、年利換算で1800%です。上の2億%は明らかにバグった数字でしたが、こっちのほうであっても、十分にバグってます。95万払うくらいだったら、最初の5万を我慢するほうが簡単そうですが。。

街金や信用金庫でも十分高い

ちなみに、街金(=消費者金融、サラ金)の金利は高くても年利20%ですよね(以前は25~30とかもありましたが)。1800%とじゃ、全く値が異なります。次元が違います。

とは言え、私が言いたいのはそこじゃなくて、街金の20%とかだって、十分に高いです。私の実家は、これで滅茶苦茶になりました。そもそも、信用金庫とかの7%とかだって高いです。

株式投資の利回り(参考)

参考に、株式投資で順調に行ってる時の年利がだいたい7%くらいらしいので、あなたは株で調子よく儲けられるような人なんですか?って自問自答してみたら、無理ゲーだって分かりそうなもんです。特に借金が自分の年収を超えてる場合とかは明らかにそうですね。

どれくらい借りたら首が回らなくなるのか?

自分の年収がたとえば、350万の人が350万借金した場合、それに年利が20%付くとしたら、1年後には420万になってます。しかも、年収350万で毎年100万貯金できるような人だったら、利息70万と元金30万を払うことで、11年半かければ、自力で返済できなくもないでしょうけど、そもそもが、お金が無くて350万借りてるわけなので、元のやりくりのままだと、元金が減らないだけでなく利息も払えません。というわけで、350万の借金を普通にやったら返せるわけないです。結局、他で必要なお金を無理矢理回したり(=家にお金を入れない、とか)、親戚からお金を借りてきたりしないと返せないです。もちろん、節約なんかも必要でしょう。というわけで、年収350万の人が350万借りたら、自力では無理でしょう。無理な上限はもっと下にありそうです。そこで、もうちょっと突き詰めて考えてみます。

年収350万ってことは、1ヶ月29万以下で生活しないといけないってことです。どこに住んでるのか、何人で住んでるのかによっても違ってくるでしょうが、がんばれば、苦しいかもしれませんが、24万で生活することは可能なんじゃないかな?すると、5万浮くので、年間で60万です。以下、年間60万を返済にあてられる人が年利20%でいくら借りたら「何年で返せるか&返済総額」の表です。

毎年60万返済できる場合

借入金10万 => 0.2年、総額10.4万
借入金20万 => 0.4年、総額21.6万
借入金30万 => 0.6年、総額33.6万
借入金40万 => 0.8年、総額46.4万
借入金50万 => 1年、総額60万
借入金60万 => 1.3年、総額75.6万
借入金70万 => 1.5年、総額91万
借入金80万 => 1.8年、総額108.8万
借入金90万 => 2.1年、総額127.8万
借入金100万 => 2.5年、総額150万
借入金110万 => 2.9年、総額173.8万
借入金120万 => 3.3年、総額199.2万
借入金130万 => 3.8年、総額228.8万
借入金140万 => 4.4年、総額263.2万
借入金150万 => 5年、総額300万
借入金160万 => 5.7年、総額342.4万
借入金170万 => 6.5年、総額391万
借入金180万 => 7.5年、総額450万
借入金190万 => 8.6年、総額516.8万
借入金200万 => 10年、総額600万
借入金210万 => 11.7年、総額701.4万
借入金220万 => 13.8年、総額827.2万
借入金230万 => 16.4年、総額984.4万
借入金240万 => 20年、総額1200万
借入金250万 => 25年、総額1500万
借入金260万 => 32.5年、総額1950万
借入金270万 => 45年、総額2700万
借入金280万 => 70年、総額4200万
借入金290万 => 145年、総額8700万

簡単な表なので、もし、実際に借りようと思ってる人は、これくらいの計算してから、借りたほうがいいと思います。これもできないんだったら、まず、Excel覚える所からやったほうがいいんじゃないですか?自己投資にもなりますしね。

たぶん、街金で金借りる人は、軽い気持ちで借りてると思いますから、せいぜい、2~3年くらい引っ張るだけだろうって思ってそうですから、実際、その通りなのは、120万ぐらいまでってことになりますね。ただ、それも、毎月5万、節約するか、収入増やすか、できれば、の話ですけどね。

120万を超えると、想像以上に長期間になるか、家族や親戚を巻き込んで、金を借りたり、必要最低限の生活費も強制的に削減したりして、あちこちに歪みが出て来るでしょうね。

年間100万返済できる場合

一応、「自分なら年間100万くらいは捻出できる!」って方のために、100万を返済にあてられる場合の表も用意してみました。でも、それができるような人だったら、そもそも、借りてない気もしますけど・・・。かなり、楽観的に考えても、これくらい、ということで。。

借入金10万 => 0.1年、総額10.2万
借入金20万 => 0.2年、総額20.8万
借入金30万 => 0.3年、総額31.8万
借入金40万 => 0.4年、総額43.2万
借入金50万 => 0.6年、総額56万
借入金60万 => 0.7年、総額68.4万
借入金70万 => 0.8年、総額81.2万
借入金80万 => 1年、総額96万
借入金90万 => 1.1年、総額109.8万
借入金100万 => 1.3年、総額126万
借入金110万 => 1.4年、総額140.8万
借入金120万 => 1.6年、総額158.4万
借入金130万 => 1.8年、総額176.8万
借入金140万 => 1.9年、総額193.2万
借入金150万 => 2.1年、総額213万
借入金160万 => 2.4年、総額236.8万
借入金170万 => 2.6年、総額258.4万
借入金180万 => 2.8年、総額280.8万
借入金190万 => 3.1年、総額307.8万
借入金200万 => 3.3年、総額332万
借入金210万 => 3.6年、総額361.2万
借入金220万 => 3.9年、総額391.6万
借入金230万 => 4.3年、総額427.8万
借入金240万 => 4.6年、総額460.8万
借入金250万 => 5年、総額500万
借入金260万 => 5.4年、総額540.8万
借入金270万 => 5.9年、総額588.6万
借入金280万 => 6.4年、総額638.4万
借入金290万 => 6.9年、総額690.2万
借入金300万 => 7.5年、総額750万
借入金310万 => 8.16年、総額815.92万
借入金320万 => 8.89年、総額888.96万
借入金330万 => 9.71年、総額970.86万
借入金340万 => 10.63年、総額1062.84万
借入金350万 => 11.67年、総額1166.9万
借入金360万 => 12.86年、総額1285.92万
借入金370万 => 14.23年、総額1423.02万
借入金380万 => 15.83年、総額1583.08万
借入金390万 => 17.73年、総額1772.94万
借入金400万 => 20年、総額2000万
借入金410万 => 22.78年、総額2277.96万
借入金420万 => 26.25年、総額2625万
借入金430万 => 30.71年、総額3071.06万
借入金440万 => 36.67年、総額3666.96万
借入金450万 => 45年、総額4500万
借入金460万 => 57.5年、総額5750万
借入金470万 => 78.33年、総額7833.02万
借入金480万 => 120年、総額12000万
借入金490万 => 245年、総額24500万

この場合でも、おそらく、借りた人の想定内で済んでるのは、3年で済む、200万あたりまでですかね。

やっぱり、年間の返済能力の2倍までってことですね。節約で対処するつもりの人は、これから1年でどれくらい節約できるかを考えて、その2倍までってことです。1年で30万しか節約できないと思うなら、60万までしか借りれないってことですね。

最後のほう、急激に、無理な返済期間、返済総額になりますが、要するに、元金の返済額(=年間の支払能力-年間の利息)が急速に細ってくるので、こうなります。借入金500万になると、利息だけで年間100万なので、返済能力が年間100万あっても、元金は一切減りませんから、返済期間も、返済総額も無限大になります。死ぬまで働け!ってことです。

相保証(あいほしょう)について

闇金ウシジマくんの中で出て来る保証契約の形態です。2人で互いの連帯保証人にさせるっていうやつ。。そもそもが連帯保証人になるだけでもまずいのに、これ、ドラマの中では、相手がどれくらい借りてるのか、知らずにやっちゃってないですか?自分は5万しか借りてないのに、相手が200万借りてたら、5万の人にとっては、全然割に合わないですよね。そんなんだったら、自分が5万のほうなら、絶対やらないですよ。

連帯保証人と保証人の違い

せっかくついでなので、基本事項の復習も。。これの違いなんですが、連帯保証人は一心同体ってことですね。Aさんの連帯保証人にBさんがなった場合、貸し手は、Aさんが返さないとか、連絡取れなければ、いきなりBさんに全額請求してもいいってことです。Bさんは

「まずはAさんに言って下さい!」とか
「Aさんは実は資産がたくさんあるから、それを回収して下さい」とか
「保証人は他にも居るから私が全部払うのはイヤです!」

などと言う権利(抗弁権)は無いですからね。Bさんは、全額払えと言われたら、払うしかないです。払わなかったら、給料とか家とかの差し押さえになるでしょうね。ちなみに、私の母の叔母は、連帯保証人になって、事業パートナーが夜逃げして、全額借金かぶって、破産しましたね。

これが「連帯」が付かない、ただの保証人だと上に3つ挙げた抗弁権があるんですよね。だから、全然違います。まぁ、ただの保証人であっても、ならないほうがいいでしょうけど。。

そもそもが連帯保証人制度がアレ、という話も

この連帯保証人制度の存在自体があまり良くないって話も聞きますね。普通の人が会社を起こす場合とかも、連帯保証人って結構使われるらしいです。会社が事業資金を借りるのに、会社のオーナー(≒大体は社長)が連帯保証人になる、みたいな感じです。

でも、それをやっちゃうと、会社がパンクした時に、社長の個人マネーを没収されますからね。社長独りならまだいいですが、家族が居る場合もあるでしょうしね。それで、一家で無理心中とか、社長が事故に見せかけた自殺とか他殺とかで生命保険金、というコースもありそうですね。(自然に死んだと見なされれば、生命保険だけでなく、マンションのローンとかも団体保険とかの特約付けてれば、残りの支払いチャラになったりもしますからね。)

日本で起業が増えない一因として、そういうのもありそうですね。だから、連帯保証人制度自体やめたほうがいいんじゃないの?なんて話もあるようです。が、現状、それで回ってるので、急にやめると困るっていうのもあるでしょうからね。まぁ、でも、ある時から廃止されて、新規の連帯保証人契約はできない、って時代もいつか来るのかもしれません。

おわりに

闇金ウシジマくんは本当にエグイですが、名探偵コナンよりは、死んでる人の数は全然少ないですからね。本当にヤバいのは名探偵コナン説。。お後がよろしいようで。。



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