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コロナ禍がマーケティングを再定義する

こんにちは。新卒2年目カスタマーセンターの子です。

緊急事態宣言がいよいよ全国解除となった5月25日、コロナ禍で一時活動が休止されていた日本マーケティング学会主催で緊急オンライン座談会が開催されました。

登壇者はマーケティング研究の第一人者たちばかり。
#いまマーケティングができること をテーマに、マーケティングの角度からW/コロナ・A/コロナを読み解いて下さっていました。

その中で阿久津聡・一橋大学ビジネススクール教授が発言されたのが
時間軸理論」。

これまで「二項対立」とされてきた関係性が色濃く出たのがコロナ禍だ。
経済」か「健康/安全」か
デジタルシフト」か「対面での信頼関係」か
こうした概念が、コロナ禍の中で受ける制圧により、
「どちらかを選ばねばならないもの」として捉えられるようになった

だが、マーケティングには、二項対立する「一見矛盾する概念」を両立させ
「イノベーション」という形で価値に変える考え方
がかねてから存在する。
そして、それを実現させるものが「時間軸」。
「Aを立てればBが立たぬ」ではなく、
「今Aを立てておかなければ、将来的にBも立ち行かなくなる」
こういった考え方が必要。

確かに、この理論には「なるほどなぁ!」と感じさせられる部分がとても多く、大変勉強になりました。
一方、純粋に浮かんだ疑問も。

w/コロナ・A/コロナの世界でマーケティングを強くするのは
「時間軸」だけじゃないのではなかろうか?

今から8年前の事、2012年に経営破綻し、世界中を驚愕させた米国の巨人・コダック社。
そして、彼らとの闘いに勝ったと対比されることの多い、今でも成長続ける日本企業・富士フイルム。
この勝敗が、「フイルムにこだわった(時間軸が無かった)」コダック社と、「デジタルカメラ・スマホに舵を切った(時間軸があった)」富士フイルムで説明されるのなら、この時間軸理論をもってしても、今のパラダイスシフトは何も変わっていない事になります。

では、いったいコロナはマーケティングの何を変えたのか?

6人の討論の中で、こんな話が出ていました。

コロナは「予測不能」な世界を生み出した
例えば半年前、コロナウイルスが大流行する事は疎か、
これだけのデジタルシフトが(半強制的に)進む事も、
人々のファッション・趣味への考え方がこんなにも変わる事も、
人間関係のあり方がこんな風に変わることだって、
誰にも予想できやしなかった。

それは、w/コロナ・A/コロナを予想する事も同じである。
予想なんて、何の意味もない。
正解が見えないコロナという世界は、「未来予測」という概念を無くした。

だからこそ、世界が変わる。価値観が、マーケティングが変わる。
ゴール・正解が見えない今だからこそ、リーダーシップの在り方が変わる。
誰にも正解が予測できない、だからこそ
そんな中でも明確なビジョンを掲げ、それを「私たちにとっての正解」とし
「この指とまれ!」と発信し続けられるリーダーこそが、
コロナ禍で生き残り、イノベーションを起こしていくのだろう。

何が変わったかなんて明文化できなくても、きっと今誰もが感じている事と思います。
確実に、いま、世界は大きく変わろうとしている。
この議論を聞く中で、合っているかは分からないけれど、僕なりの明文化ができたような気がしたのです。

コロナが生み出した世界、それは予測不能な世界。
そんな中での意思決定は、非常に困難を極める。
だからこそ、そもそもの「自分達の存在意義」を理解し、
何を成し遂げたいのか」を明確にし、
一貫した「何のためにそのアクションをするのか」を貫ける事、
そして、その想いを「ストーリー」として伝えられる事、

これこそが、コロナ禍でのマーケターに求められる視点なのかもしれない。

もちろん、これらの話は既にサイモン・シネックが2010年にTEDで提唱した
ゴールデン・サークル理論であり、

コリンズが1994年に提唱したビジョナリー・カンパニー理論であり、

既に提唱されている概念です。
ただ、私が言いたいのは、「W/コロナ・A/コロナもこの概念で説明できる」という事ではありません。

W/コロナ・A/コロナがどうなるか、ではなく、どうしたいか

僕はやっぱり、人々が「こういうのが欲しかったんだよ!」と
感動するような価値創造溢れる世の中であってほしい
し、
僕自身が、その価値創造者の一人でいたい。
そう思うのでした。

最後まで読んでくださりありがとうございました! 社会人経験たった2年の拙い思考によるものですので、至らぬ点はご容赦ください。 あくまで個人的発信ですので、サポートは不要です。 代わりに、多様な視点からのインプットのためにも、是非他のご意見等お持ちの方はコメントの程お願い致します!