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Asexualの恋愛学習

自分がAsexualで、恋愛がわからない、ということがわかっていなかった時代。そして、自分に自信もなく、好かれて受け入れてもらわなければ、と思っていた時代。
私は、恋愛を、(主に)本で勉強しました。


蝶々さん

当時話題で、誰かに好かれてお金出してもらえるのは、いいなと思ったんだよね(他力本願の姫)。"モテる人はそもそも男をさばくのに忙しい"って書いてあって、うーん、その時点で私はそもそも違うな、モテないな、と思った。モテる人はテクニックを自然に知っている、って印象だった。

蝶々さんの本は、NYにいるときにBookoffで買って結構読んでいた。NYに住んでいたことがある人なので、ちょうど私が行ったばかりのrestaurantがエッセイに載っていたこともあった。写真はCentral Park前のベンチだよね。

ぐっどうぃる博士

珍しく?男性目線の本も読んだ。
つきあうまで寝ちゃいけないんだな、生物学的には、やはり見た目が魅力的であって、来てもらうことが必要なんだな、魅力的だと思ってもらえない限りはどうしようもないんだなあ…と思った。
これまた、好きなことを悟らせないこととか、テクニックな本だった。

この本は気に食わなくて、男がますます嫌になったけれど、そんなやつらにすら好かれない自分には価値がないんだと思ってた。高校で告白されたりなんだりしてきたことも、まったく見えていなかった。誰でもいいから彼女がほしい雑魚が、たまに来るような価値しかないんだと思っていた。

ある/ANNAさん

ANNAさんは、上の2人よりは優しくて親身になるかんじだった。
相手に好かれても好かれなくても、あなたの価値は変わらないから安心して!という趣旨のことが書いてあったし、そもそも恋の前に心理学的な問題があるんだなあ…というのをなんとなく諭されたような気がした。
ただそういう肝心な部分って多くの場合有料だったり、書かれてなかったりするんだよねえ。

テクニックとしては、ちょっと馬鹿がいいとか、ほめるとか、よくあるやつだったと思う。基本的にホステスが書いている本って、合う合わないがある。そういうキャラで、そういう相手をtargetにしてるならいいんだろうけどさ。
私の本音は、こんなやつのこと嘘で褒めて、思ってないのにオーバーリアクションなんてやって好かれたくねえよ!だったわけだしね。でもそうしないといけないと思ってたからさ。自己否定から始まってたからさ!

恋愛部長

とてもわかりやすかった。この人はホステスじゃないし、全員が小悪魔になればいいってわけでもない、と書いてあった。
ピンポンダッシュで攻めるのがいい、うまくいかなくても相手は忘れていて友達になれる、というのが、実践的なやり方だと思った(私は忘れないし、拒否されたらショックだけどね)。同時に何人もデートするというのは、そもそもそんなに好きになれる人がいません、というかんじだった。
よく聞くことだけど、相手に執着しないために頑張ってほかのことをしたり予定を入れる、というのは、私には腑に落ちなかったなあ。なんで無理やりやんなきゃいけないのかな~って思った。

役立つ部分もたくさんあったのだけど、年代の差も感じた。家に男は2人もいらないとか言われると、やっぱり自分を犠牲にして尽くさないといけないわけね、ってことで、やっぱりつきあいにも結婚にも夢が持てなかったなあ。

佐藤富雄(番外編)

これを読んだ時、私はやせなければならない!phaseで(ナント中学生)、友達と歩きに行ったりしていた。イラストも好きだったし、messageもpositiveだったけど、まあ、歩くだけでそんなに変わる可能性は低いよね。

で、この本で、遊んでいる女性がいいというような表現があるんだけど、
…おじいさんが、若い素敵な女性と遊びたいと言っているようにしか思えなかった。ここはうざかった。

石田衣良Podcast

「気になる男を落とすには、飲み会で太ももにそっと手を置く」と語っていて、あー、触ることが重要なのね、こうやって伝えるのね、と学んだ。
…allosexualは、こんなこと学ぶ必要ないんだよねえ?それとも、学ぶ必要があるから、こういうadviceや本の需要があるのかしら?

これまた効果があったんだけど、私は手をつなぎたいという欲すらなく、触りたくなることがないわけで…触るぞ!と、何日も意識して、数日かけてようやく触れた。その話を後日したところ、なんて可愛いんでしょう、とカウンセラー♂に言われたこともあったけど、そういう問題じゃないのよね…

日本の男子は、にこってやって、じーっと見て、触っとけば落ちる…と言っていた時期があったんだけど、この影響だよなあ…

結論

恋愛本を読んでいて思ったことは、

すべて、男の都合のいいように、書かれてないか…?
What's in it for me?

だった。恋愛に限らないけど、男性に対して期待値が低く、甘やかしている、というのが私の日本社会への感想である。
テクニックで相手を落としたところで、自分が幸せになれるイメージは持てなかった。騙して結婚まで持ち込めばそれで勝ち、みたいな印象を受けた。それが意図ではなかったのかもしれないけど。テクニックはだめ、というのも、よく見つけたんだよなあ…
まあ、古い教えで、時代に合ってないよね、と今なら言えるね。これも読んだけど、典型的な古い本だよね。

で、この"男を騙せ"的な恋愛本って、アメリカでもたまーーにあるみたいなんだけど、あんまり聞かない。
このPodcastで大変に批判されていて、だよね~と思った。

自己否定から始まる

恋愛勉強は、そもそも自己否定から始まっていた。
私は転校生事件からすっかり自信をなくし、高校に入って、"可愛くて細くて成績のいい子じゃないと受け入れてもらえない"という勘違いをしていて、自分はとにかくだめで、魅力的なら素敵な人が自然と寄ってくるはずなのに来ないわけで、寄ってくるきもい奴らを受け入れなければいけない、自分にはそんな価値しかない、と思っていた。
だから、男をほめるとか、リアクションを大きくするとか、そういうtechniqueを使って、好かれる自分にならないといけないと思っていた。
とはいえ、やりたくなかったし、やってなかったんだけどね。自分はだめだ、から始まっているから、それに合う証拠を見つけていただけだよね。

自信はアメリカに行って取り戻すことができたし、その時気になる人を自分からデートに誘うこともできた。そこから私はだいぶ変わった。

それでも、日本のおっさんがデレデレ触ってくる事件は多発し、"好かれたくねえよ、尽くしたくねえよ、こんなやつらに!"は、長年のテーマ。笑
そのことと向き合っても、男にいいイメージが持てない、というのは続いたので、そのイメージを変えるために、幸せに結婚していたり、長くつきあっている友達に話を聞いたり、家にお邪魔させてもらって家事分担や家計管理のことを聞いたりすることになった。
恋愛話やら、今度デートするこの人がSo hotで~なんて話は、わざわざ聞きたいとは思わないけど(やっぱり共感できないし)、出会いは?どんな関係?どんな生活?は、参考に聞くかもね。

恋愛を眺める

恋愛も性愛も、ほかの生き物を眺めるというか…理解はできるけど共感はできない、というかんじになっている。産婦人科の男医師みたいな…?
少女漫画も、ドラマも、恋がわからない私にとっては、これが恋なの?恋ってこういうものなの?というかんじ。現実は全然違う…のであれば、なんでそんなものをドラマにする?とは思う。

心理学の勉強はしたので、友達の話を聞いていれば、わかることはある。
「頭ではいい男じゃないってわかってるんだけど、でもやっぱり好きで~」なんて話も、理解することはできるし、fear of intimacyは(直訳だよね)、恋愛自体がわからなくても、距離感が近づくと離れたくなるのね~それって家族がだいたい原因だよね~というようにわかる。友達には幸せになってほしいので、私が昔友達にもらったadvice(あなたの魅力がわからないその男は馬鹿)を、そのまま伝えたりもする。

こういう話を聞くことも減ったけどね。私のまわりはみんな、優しい男と結婚しているような気がするな。

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