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中高生探究活動#03 小野田もものさん

大学入試について

Q.大学入試と、現在の進学先を教えてください。
2022年4月に武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科(以下、武蔵美CI学科)に、総合型選抜入試で進学しました。

Q.武蔵野美術大学の総合型選抜の形式は、どのようなものですか?
一次試験では学習計画書を提出しました。自分が今後大学4年間でどんなことを学んでいきたいのか書いたものです。二次試験は構想力テストと面接でした。私が受験した時の課題は「お米の消費量を増やすためのアイデアを考えてください」で、米の消費量に関する文章とデータを渡され、2時間の持ち時間で取り組みました。アイデアをできるだけ多く出し、その中から一つ選んで詳しく書くという試験だったので、データを見ながら解決策を思いつく限り出し、A3一枚の紙にイラストを用いて、まとめました。

Q.具体的に試験ではどのようなことを書いたのですか?
最終的に選んだアイデアは、年配者と若者をマッチングさせ、年配者が若者の為にご飯を作るサービスです。若者の中には、ご飯を食べたいが炊くのが面倒という人がいる。年配者にご飯を作ってもらったり、レシピを教えてもらったりすることで、昔ながらの美味しいおふくろの味を教わることができる。その一方で年配者は、若者のためにご飯を作ることで生き甲斐を得られる。このサービスの実現により、若者と年配者の世代を超えた交流が生まれ、結果、米の消費量を増やすことができると考えました。

Q.総合型選抜入試対策としては、どのようなことをしましたか?
過去問を使い、2時間でアイデア出しを行い1枚の紙にまとめる練習をしました。また、社会課題について調べ、ひとつひとつに解決案を考えました。万人にわかりやすいよう視覚的に伝えなければならないので、限られた時間の中でイラストを描く練習もしました。

Q.アイデア発想にはある程度の型があるのでしょうか?
私が実践しているアイデア発想の方法は「〇〇したいができていない」という困りごとに対し、言い訳を出す=状況を分析し、その状況を解決するにはどうしたらいいのかを考え、アイデア発想につなげていく方法です。


1. 「朝ごはんを食べたいが食べられない」という困りごとに対し、言い訳を出す。
・朝ごはんを食べる時間がないから
・コンビニで買っても食べる場所がないから など。

2. 言い訳を逆に変換する。
・朝ごはんを食べる時間がないから
→朝ごはんを食べる時間がある
→朝ごはんを食べる時間がなくても大丈夫

3. 朝ごはんを食べる時間がなくても大丈夫な状況はどういうことか考える。

4. 時間がなくても大丈夫にするにはどうすればいいか考える。

5. 一口で食べられるご飯であれば、時間がなくても口に放り込みながら、朝の準備ができる。

この型を使うと、言い訳を考える=状況を分析することができます。また、言い訳が増えるほど分析する観点が増え、「〇〇しても大丈夫」という変換をすることによって思いこみがなくなり、思考の幅を広げることができます。

中高生時代の話と課外活動

Q.中高生時代の課外活動としては、どのようなものをしていましたか?
中学生の時は、外国人留学生に日本の文化慣習を英語で説明し、一緒にお祭へ行くボランティアに参加していました。また「おもてなし親善大使」として、東京オリンピックに向け、外国人を案内するボランティア育成講座を受講し、外国人に日本の文化慣習を伝えるイベントなどにも参加していました。高校生の時は、学校祭本部実行委員として活動し(※小野田さんの出身校は国際基督教大学高等学校、通称ICU高校)、課外活動では、デザイン分野に興味があったのでMONO-COTO INNOVATION(以下MCI)に参加しました。

参加されたボランティアの資料

Q.こういった課外活動に参加するきっかけはありましたか?
私が課外活動に参加するきっかけは、幼少期に住んでいたアメリカとシンガポールでの経験が影響していると思います。シンガポールで通っていたCanadian International School in Singapore(通称CIS)では、アクティブラーニングを取り入れている学校で、タームごとに探究するテーマが決められていました。テーマについて調べ、フィールドワークに行き、グループで話し合いまとめ、発表、振り返りをしていました。この学びが私の原点になり、興味を持ったことに積極的に挑戦するきっかけになったように思います。

Q.小野田さんのモチベーションの根源は何でしょうか?何が自分を動かすのですか?
人との繋がりができることが活力になっていると思います。プロジェクトを進めていく過程で、普段関わらない人と繋がりができることにすごく魅力を感じます。高校3年間参加した学校祭実行委員では、クラスや部活以外の人と繋がりができました。2年生の時はコロナ禍で、学校祭自体が中止になりかける中、先生、生徒、関係者を説得してオンライン学校祭を企画しました。初のオンライン学校祭をいちから一緒に作り上げた実行委員メンバーとの絆は一生モノです。

Q.プロジェクトを通していろんな人と出会うことが、魅力なんですかね?
そうですね。(大門:普段の世界よりも一、二歩外に出るってことですかね?)確かにそうかもしれないです。私は何度か転校の経験があるのですが、環境が変わる辛さより、新しく出会う人たちや新しい環境に魅力を感じていました。色々な人と出会うことが、そもそも好きなのかもしれないです。 

CISの授業の様子(手前が小野田さん)

MCIについて

Q.総合型選抜にあたり課外活動が必要と考えてMCIにエントリーされたのですか?
入試に課外活動が必要だからMCIに応募したわけではありません。私が武蔵美のCI学科を目指すきっかけになったのがMCIでした。むしろMCIに参加していなければ、CI学科に通ってはいないです。

Q.MCIを通して美術大学への進学を考えたという、きっかけを教えてください。
MCIに参加をして、社会課題を解決する手法であるデザイン思考を学びたいと考えました。様々な大学を調べた結果、武蔵美のCI学科を見つけました。

大学について

大学ではどのようなことをしているのですか?
1、2年は基礎課程で、絵画や彫刻、映像編集などといったアートやデザインの基礎を学びます。3、4年は市ヶ谷キャンパスに移動し、1、2年で学んだアートやデザインをどのように社会に実装するのかについて学んでいきます。

Q.今後はどのような活動を計画していますか?
子供が好きなので、夏にYMCAのキャンプのボランティア活動に参加する予定です。その他は、学生インターンに興味はあるんですが、大学の課題に追われてまだ何もできていません。(大門:クリエイティブを発揮しなければいけない課題に取り組むと、時間は容赦なく溶けていきますよね)そうなんです。自分が納得するところまでこだわればこだわるほど、時間が過ぎてしまいます。大変ですけど、凝り性なのでどんどんブラッシュアップするのが楽しいです。

武蔵美CI学科の授業で制作された石膏作品

(インタビュー・記事:大門・田中)

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