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誰かの普通から頂戴して『日記:2024.2.19』

久しぶりに短編シナリオを書いた。

これで9本目になった。

シナリオを書いていて気付いたことがある。
私は会話劇が好きだ。


私の母は、雑談が好きだ。
自分が話す側もそうだが、人の雑談を見ることが好きだ。

お笑い芸人が司会になり、お笑い芸人やら芸能人を呼んで彼らの歴史を探っていく番組。
共通点が無さそうな芸能人を集めて、演技論やお笑い論、お互いの交友関係などを語る番組。
仲良しの芸人が2人でただただふざけ合う番組。

母がリビングを占領する時は、いつもどれかが流れている。

そんな母に似て、私もそれらが好きである。

ゆるっと話しながら生み出す、その人本来の面白さや言葉が好きで、自分もそこにいて直に話を聞いている気分になる。
歴史などを地上波で放映してくれている事に感謝しかない。


昨日は友達とまあ洒落たカフェに赴いた。

ソファ席があるフロアの「予約席」に呼ばれ、満席の中座った。
彼女の住む地域に近いその場所は、私とは生きている世界が違いそうな人々ばかりだった。

BGMなどは流れていなく、友達と私が聞き耳を立てずとも周りの声が聞こえてしまうこと、それに反応してしまうことも、当然の行為だった。


私の後ろの席は、高貴なマダム達が雑談をしていた。子どもの習い事や受験、学校の事情を話していた。
その中には小さな子どもを連れた若いママも座っており、初めてのママ友会かもしれないと心配になった。

斜め前には女子高生2人が座っていた。インスタ映えスポットがあるそこに向かうため、自分の髪を整えたり、私達と同じように周りに聞き耳を立てていた。

右隣にいたカップル。明らかに日本人で、注文も日本語だったのに私達が知らない言語で話していた。
私達も何か使える言語は無いかと頭を掻き回してみたけれど、日本語もままならないうちは他言語も話せないと諦めた。

左隣にいたカップルは、大きなテーブルにこれでもかとゴミを広げていた。さらにはパソコンを取り出して充電をせがんだり、人目も気にせず写真を撮っていた。私達の中では「旅行に来たインフルエンサー」という括りにすることにした。


「今日見た人達で1本書けるよ」


脚本家を目指していることを知っている友達。私にそう伝えた。

確かに、もしかしたら1本だけじゃ収まらない程の情報量があの小さなカフェに詰まっていた。


会話劇の好きな所は、日常から生まれる言葉からの面白さが見られる所である。

もちろん作り物ではあるから、展開や終わりをきちんとするのは当たり前なのだが、ノンフィクションでも中々の面白さが期待出来る。
昨日行ったカフェだって、ドッキリかと思うほどおかしい人間がたくさんいたけれど、あれは夢ではなく現実だった。

私はそんな「誰かの普通」から、面白さを見出していきたい。

こんな奴いるわ、とクスッと笑えるような、分かる、と共感してもらえるような作品を書きたい。


あ、思い付いたかも。

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