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ただ書きたいだけ『日記:2024.4.22』

私はただ、自分の中にある創作物を誰かに見てもらいたいだけである。

ただ見て、眺めて、読んで、心を豊かにしてくれる人が一人でも増えたら良いと思っているだけである。


「ただ有名になりたかったんです」

好きな芸能人が話していた。なんでも良いから有名になりたかった。自分の職業は好きだけど、それに一筋というよりは、それを通して自分が有名になれたらいいと思っていたみたいだ。

素敵だと思った。私みたいだと思った。

物書きになりたいと決めてから、なぜ物書きになりたいか分からず過ごしてしまっていた。それがどうしても嫌で、目標達成の為にコツコツ物をこなしていく人を見ると、自分はなんて情けなく悪い意味で適当な人間なんだろうと悔いてしまっていた。

でも、小説を書いて賞を貰いたい、ゴールデンタイムのドラマの脚本を書きたい、作詞をして好きなアーティストに歌ってもらいたい、などの細かい理由が1つも思い付かなかった。むしろ全部やりたい。脳内から想像を膨らませて出来ることなら全てやりたいと思った。思っている。

ただ有名になりたい。目標というのをいちいち設定する訳でもなく、こんなん良いなあと思いながら時の流れに身を任せて成功している彼を、私はただ見つめた。

それは彼の強がりや努力を隠すタイプの人間だからかもしれない。陰でものすごく必死なのかもしれないし、幾度となく挫折を経験しているのかもしれない。それでも表では「有名になりたかっただけですよ〜」と話せる格好良さ。それが私が目指したい人物そのものではないだろうか。


私はただ、物を書きたいだけである。自分が考える物語をただ可視化していきたいだけである。それをするだけで生きていける世界があるならそこに行きたいだけである。

何かを目指して生きたことがないから、目標達成の為には抽象的ではなく具体的目標が必要である。だが私はそもそもそれが出来ない。書けるなら何でもやりたい。

むしろ長所ではないかと考えることにした。小説を読めば脚本を書きたくなるし、映画を観ていれば小説を書きたくなる私だが、それはそれで色々なことに向いているのかもしれないし。


私は自他ともに認める強運の持ち主である。大事故を防ぐような小さな怪我をたくさんしてきた。その度に「周りや先祖に支えられている」という感覚があった。

私はその強運と「ただ物を書きたいだけ」という気持ちを持ち続けるし、目標を作れないのだからこれだけは心に刻んでおこうと思う。

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