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縫ったら使えるから『日記:2024.2.15』
シナリオが完成した。
私はいつもギリギリで生きているKATーTUNみたいな人間なので、明日綴じる用の紐とコピー用紙を買いに行くし、家に帰って112枚を刷って、バコバコ穴を開けて紐で綴じて、郵便局に行って郵送する。
しかも明日は大雪である。私は本当に何をしていたんだ。
脚本が完成したのはほんの数時間前。
一昨日物凄い勢いでこなしたおかげで、昨日と今日の負担がとにかく少なかった。起承転結の転まで書けていた。
今日は最後まで書き終えて、Wordファイルに書き出して、修正して、提出。この作業がシナリオ完成への最後の一歩だということは分かっているのだけれど、作業になると途端に気が進まなくなる。苦手だ。
だが私以外に私のシナリオを修正してくれる人なんて誰もいないのでそそくさと作業をする。
Wordファイルに移して、原稿用紙何枚分なのかをようやく知ることになった私。
お、多いな。え、なんだ、多いな。
私の思っていた枚数+30枚の原稿用紙が表示された。
応募規定にある文字数はあくまで文字の数なので、台詞を書いて改行したり、シーンの間の余白を一切考えていない規定だ。だからそれに沿って書いていたら余裕で超過してしまった。
だからもう一つ。応募予定だったものより少し多めな原稿が許される方に応募することにした。それにはあと4枚足りない。
この時点で22:30。私は書き始めた。
物語に足りないものは何かと考える。
このシーンはこんな台詞が必要なんじゃないか、この行動は頭で思い浮かんでいるけど書かなきゃ分からないな。そんなことを考えながら書き進める。
私の作品は、起承転結を繋げる縫い目が少ない。
起承転結とは都合のいい言い方であり、起の次に承になる間に、それなりの理由や繋ぎが必須になる。それがないと四コマ漫画を描いているのと同じで、物語がコンパクトになる。四コマ漫画はそれが最高に面白いけれど、ドラマはまた違ってくる。
起承転結。それぞれがふわふわ浮いた状態になってしまう。こんな要領の作品を何個応募したか。繋がりがない、とすぐ破り捨てられているだろう。
でも、起承転結自体は悪くない。作品として、何かしらのキーポイントになるし、むしろそれがないと物語は完成しない。
脚本家を目指すには、私はテロテロになった起承転結を拾い上げて、縫い付けなければならない。
縫ったらまだ使える。
私は裁縫が苦手で、何か解れていたとしても気にしないで過ごしてしまうし、限界を迎えたら親にぶん投げるような野蛮な女である。
だがシナリオを縫い付けるのは得意かもしれない。このシーンとこのシーンはこうやって繋げようが、好きかもしれない。
今回完成した作品とコンクールは一旦終了。次のコンクールまであと10日。
私のパッチワークはまだまだ続く。
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