見出し画像

プロフ帳と私達『日記:2024.2.18』

今日は友達と洒落たカフェに行った。

いつもは3人だが、今日は2人。
2人の仲が悪いわけでもなく普通なのだが、長い時間2人で話したのは3年振りだった。

彼女とは趣味が合うしやりたいことも被る。だが彼女の方が全てにおいて知識があるので、私の好きをさらに広げてくれる。
私はこんなものが好きだったんだ、と教えてくれる。人から見た、私が好きなものを紹介されるのがとても好きだと思った。


彼女が食べたワッフルはフルサイズ。だがハーフサイズと悩んでいた。

「甘いの苦手だっけ」
「いや、好きでも嫌いでもないけど」

私は何故か、彼女が甘党だと思っていた。お酒が飲めない彼女は、きっと甘いものが好きに違いないという固定概念に縛られていたからである。実際は、甘党でも辛党でもない、特に食に興味のない子だった。

彼女と友達になって5年、もうすぐ6年目になる。それなのに、私は彼女のことを何も知らないと思ったし、彼女も私のことを知らなかった。血液型も、家族も、何を経てここに辿り着いたのかも何も知らなかった。


「プロフィール帳でもやるか」


知っているだろうか。または、覚えているだろうか。プライバシーポリシーの欠片も無い、質問だらけのデコ用紙を。

平成に生きた私達は、その時個人情報の獲得方法を思い出した。あれなら気軽に書いているしなんでも分かる。大人になった今だから書くことに意味があるのではないか。

2人で心に決めて文房具屋に駆け込んだが売っていなかった。

みんなあんまりほしくないみたい。


「将来は何になりたい〜?」

こんな質問があったはず、と話した。

希望に満ち溢れていた私達は、好きなことを好きなだけ書いていただろう。だがもう私達は大人だ、書いてもつまらない内容になってしまうのではないか?そんな不安や疑問が過ぎった。


私は将来何になりたいのだろう。
去年のこの時期、私が必死で考えていたことだ。

就職先のアルバイトをしながら、自分はこのままこの生活を続けていくのだろうか。若さをここで使っていいものなのか。

将来の自分の中で、今が1番幼いのに。輝かしい未来を想像出来るはずなのに。

悩んで物書きになることを決めて、働いていた。


彼女は目標が無いと言う。
でも彼女には趣味があるし、来週はこれをしたい、これを買いたい、こんな場所に行きたいと語る。

人生に目標なんて、必要ないんだと思う。

人生のイベントとされてきた結婚や出産はごく一般的なものだ、という時代は変わりつつある。その中で特に私達は、それらを望んでいないタイプの人間だし、そんな人の方が多くなっているはずだ。

だから、明日は何を食べよう、来週はライブがある、仕事が終わったら好きな作家の本を買いに行こう、企画書を進めて今週末には提出しよう、そんな「ただ生きる」をしている。それで満足しているかは分からないが、楽しもうとはしている。

でも去年の私は、目標や目的、生きている意味が無いと生きていけなかった。
何かに縋ってしか動けなくて、何かを求めていないと心が廃れて、生きる意味を探していかないと生きていけないちっぽけな人間なのだ。

それは今も変わらず、物書きという夢を捨ててしまえば、自分はどこに行けば良いのか分からないし、捨てる未来も見えない。
私がどんな所に行ってしまったとしても、叶わないまま続くのならば一生背負う夢なのだと思う。


だから私はこの気持ちが続くまで「将来は何になりたい〜?」の答えは「物書き」と書くつもりだ。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

527,899件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?