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拝啓、過去の私へ『日記:2024.2.29』

締切が一旦終わって、音楽を流しながらゲームをしていた。
高校生の時に聴いていた、放課後高校近くのカラオケで歌っていた曲が流れた。

今日は4年に1度の閏年だって。


高校生だったのは6年も前だ。
小学校に入学した子が卒業してしまうくらい、私も時間を経ているのだと知る。

4年前に閏年なんてあったかなあとカレンダーを遡れば、4年前は2020年。

短大に行っていた頃の私がちょうど、短期留学から帰ってきた時だった。2月いっぱいだったから、本当に2月29日に日本に帰って来ていた。時差と共に、4年に1度の機会を忘れていたみたいだ。


過去を振り返ると、あの時何も考えていなかったと思うことが多い。

4年前の2月29日も、パンパンにお土産を詰めて「おにぎりが食べたい」と空港で大量のおにぎりを買ってもらった。
留学は思い出になったけど、今思えばただ日常になりつつあった語学学校からホームステイ先まぇも行き来する生活を繰り返していただけだ。

高校生の時なんて特に何も考えてなかった。唯一考えていたとすれば、どれだけ早く家に帰れるか。片道30分の乗り換えバスを上手いこと乗り換えて15分で帰ることに命を懸けていた。

何も考えていなかったけれど、過去の私は面白かったんだろうなと思う。帰ってから何をしたかも、なぜ早く帰りたかったのかも覚えてない無いけど、彼女なりに帰りたい理由があったんだと思うし、なんだか愛おしく思える。

高校の近くにカラオケ屋があった。

地元の人間と、私の高校の生徒しか行かない本当に小さな地元カラオケ。

そこで歌ったあの曲が蘇る。

あの時の私は、生きる意味を見出さなくても毎日を生きていた。大人になったら、大学に入ったら、短大に入ったらどうするかなんて何も考えていなかった。

ただただ目の前のことに真っ直ぐで、美しかったと思う。

今の私はどうだろうか。

高校生の私が見たら驚くだろうな。仕事もせず今の好きなことに向けて必死になっているのだから。


今の私から、彼女に向かって何が言えるだろう。ろくな大人になっていないから、人生の先輩としてのアドバイスが出来ない。

楽しいに突き進んだ5ヶ月間だった。
ただひたすらに、自分がやりたいことを必死でやって、成長した部分もあったのだと思う。


でも5ヶ月じゃ、人間は完全に変わることは無いし、認められることは無かったよ。

5ヶ月でこれなら随分と人に見てもらうことが出来たよ、と褒める私と、5ヶ月でこれなら今後も成長しないしもう私要らないしこの世に、と全否定の私もいるよ。

私の中で賞賛と非難が交差して、自分じゃ仲介に入れなくなっているよ。

私はどっちなんだろう。常に私は、私と戦っている気がする。自分の唯一の味方は自分で、唯一の敵は自分であると心に刻まれる日だった。


これからどうしたら良いと誰かに聞く人生はもう高校の時に終わっていたかもしれない。

だから高校生の時の私へ。

たくさん迷って、たくさん間違えて、たくさん怒られたら良い。未来にいる私が強くなれるように。

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