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最初で最後の後悔『2023.11.9』

今日は同期女子会。
といっても半年一緒に働いてくれた二人だけ、計三人だ。

私が辞めてから初めての三人飲み会。

一人が体調不良で、待ち合わせ付近まで来てくれたが帰ってしまい、急遽サシ飲みになった。

体調不良の所不謹慎だが、私はこの時、体調が悪いから帰ると言える関係を作れていたことに喜びを感じた。
辛くても来て気を遣われるより、今日は行けないと断れる関係。半年でここまで築けたと思うと彼女と関われて良かったと思う。

彼女には「次は三人で」と連絡をした。


私はこの同期二人が大好きで、日記にも何回か話している。↓


特にサシ飲みが決まった彼女は、私のおふざけにいつも付き合ってくれる子だった。

彼女は静かな子で、私以外にはあまり喋らない。入社当時、私と担当が被って私の猛烈なアプローチを受けて、ようやく彼女の扉を壊せた。
そのせいか彼女の本当の面白さを、職場の人間は誰も知らない。私しか知らない。

大人数なら尚更話さないから、サシ飲みやサシ飯は彼女と本音で話す絶好のチャンスだ。


前職の環境は十月の日記で何度も話しているが、相当劣悪だ。だが彼女も、今日来られなかった同期も、まだ働いている。
いつ辞める?次何やる?の話題は、私が働いている時から尽きなかった。


だが。
今年中に唯一の一個上の先輩が二人も辞めることが決まっていた。
二日前の飲み会で知り、私を含めた同期たちは落胆した。
彼女は特に落ち込んで、その後の飲み会もテンションが落ちたまま。

今日もその話だ。

私は辞めて気楽になったものの、彼女は辛い仕事と、少ない給料と、貰えない休日に押し潰されそうになっている。
一見余裕そうに見える彼女の表情は、私なら見破れるし、見破れると分かっている彼女もいる。


話題を振ってもらえないと話せないという彼女に、愚痴を零せるような環境を作って、ひと笑いしてもらうことが、入社してから今までの私の生きがいでもあった。

「○○さんがいなくなってから誰とも話してない」

彼女は四月の彼女に戻ってきていたけれど、私と話す時は、最後に一緒に働いた時のままだ。それがとても嬉しかった。


今日一緒に来てくれた彼女と、もう一人の子が、働く上で一番大切な存在だったんだと再認識した。


「また絶対連絡するから、次は三人で飲みに行こう」

彼女にメッセージを送った。
彼女も私もマメな連絡が苦手だから、こうでもしないとお互いに連絡しようとしない。


「ほんと○○さんがいてよかったわ また絶対連絡する!飲み行こう!」

彼女の返信を帰り道で見る。

泣きそうだった。

自分が辞めたこと、社会人らしからぬ辞め方をしたこと、仕事を失ってもこうしてぬくぬくと暮らしていること、そして今までの人生での失敗。これらを後悔したことなんて一回も無かった。

それなのに、彼女たちの同期であったこと、常に三人でご飯に行けたこと、どんな時も助け合ったこと、ふざけ合いながら働けたことは、私の人生には必要な日々でプラスでしか無い。
だから、これが現在進行形ではなく、過去の思い出になってしまったことは、後悔に値した。

あの頃の楽しい記憶は、もう繰り返すことのない貴重な経験だったんだ。辛い苦しい辞めたい仕事の中で、こんなに大切な事があったんだ。

大切なものは失ってから気付くとはこの事だ。

でももう時間は進んでしまう。
私の目指すべき場所も、彼女達が見ている未来も、私達の環境も全て違う。

「夢が叶ったら報告するね」
「わかった待ってるね」

私が彼女達の目に留まるくらい有名になったら、この後悔も『思い出』になって私の中に残るだろう。

そんな日を夢見て、私は彼女達と飲みに行く。

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