業界未経験の平社員が、執行役員本部長に上り詰めた話
無いものを創り続けたら平社員から執行役員本部長になった
―まず最初に、うぇいさんの社内での経歴を教えてください。
私は2015年の5月にみんなのマーケットに入社しました。きっかけは、フリークアウトで働いていた友人に紹介してもらったことですね。うちの会社がフリークアウトのオフィスを間借りしていた時に、私の友人と浜野さんが知り合ってその繋がりですね!
で、経歴か…最初から最後まで、コンサルティング本部なんですけれども。えーっとですねぇ!何をしてたか…。何も無かったんですよね。仕事。
―(そんな訳ないでしょw)え?どういうことですか!?
コンサルティングをするってことは聞いていたのかな。でも、その時は、業務もちゃんと定まってなかったので。何をやってたかっていうと、出店審査っぽいものですね。
―審査「っぽいもの」と曖昧に話すのはどういうことですか?
今が厳格化したという意味で、審査「っぽいもの」をやってましたということです。当時はコンサルティングとかは全くやってなかったので。スタンスとかも明確に定まってなかったですし。マニュアルとかもないですし。「あなたの業務はこれです」って与えられるものはないので。何もない状態にポンって入れられた感じですね。
―「仕事は自分で探してくださいね」みたいな感じですか?
いや、それも言われなかったかな。でも、それはそれって感じじゃないですか?スタートアップだし。しんどかったのは、私が業種も職種も変えて転職したことですかね。
―そういう意味では全くの素人として入ってきたわけですね。前はどんな仕事をしていたのですか?
前はメーカーの営業事務ですね。なので、持ち込める知識とかもないし、何の指示もないので、何をしたらいいか全然分かんなかったんですよね。それはしんどかったですね。普通に。
―放り出されたみたいな。
まぁ、しょうがないと思うんです。会社もそういう状況だったと思うし、自分で選んだことなので!
―そういう状況で審査っぽいものをしていたわけですけど、当時は売上を伸ばすための提案はなかったということなんですね?
学長が売上アップ講座をやってたじゃないですか。当時のコンサルティングの中心はくらしのマーケット大学ですよね。でも、コンサルタントの人数も増えてきて、入社してから数ヶ月後にはコンサルティングのチームができました。売上を伸ばす「カタ」を作る感じでやってましたね。
―当時を思い返すと、「売れている店舗=魅力的なページ」では決してなかったですね。そういう中でコンサルティングを始めて、今は執行役員本部長じゃないですか?これは一体何が起きたんですか?
何が起きたんですかね。CFOの吉岡さんから「(叩き上げのうぇいさんが経営メンバーに選ばれたことは)いいロールモデルだ!」って言っていただきましたけどね(笑)
―CFO(チーフ・ファイナンシャル・おじいちゃん)にも認められたんですね!本部長就任はいつからですか?
本部長は今年2023年の1月からですね。
―本部長になってちょうど1年が経とうとしているわけですか。
そうですね。1年経ちます。
ー本部長になるための秘訣とかはあるんですか?
ずっと、うちの会社にも世の中にも無いものを創り続けるっていうのをやってきたんで。だから本部長になったっていうのはあると思います。
私1人で頑張っていてもこの会社はスケールしない
―「無いものを創り続ける」ってどういうことですか?具体的に教えてもらえますか?
コンサルティングが始まってしばらくしてから、ファーストクラスっていうチームができまして。これは売上上位の店舗さんをコンサルティングしていくというチームでした。当時の本部長は「コンサルティングを有料で売りましょう!」みたいな考えの人だったので、有料のコンサルティングの商品設計と、それをコンテンツに落とし込んでカタチにするということをやりました。で、それを売るのも、リピートを取るのも自分ですということをやりました。
―それってどういう商品なんですか?
パーソナルコンサルティングという名称の、一対一で行うコンサルティングです。出店者さんのレポートを作ってそれをもとにコンサルティングをしていくものです。お客様対応だったりとかページの内容へのご提案ですね。なので今の有料機能のレポートのリッチ版みたいな感じです。様々なデータを数字やグラフでお見せしてました。ペルソナ設定のコンテンツとかを作って、それを見ながら提案していったりとかもしましたね。
―パーソナルコンサルティングはいくらだったんですか?
1回1時間の3回セットで60,000円です。
―60,000円は結構高いですよね。
そうですね。今までコンサルティングに課金をしたことはなく、私達はずっと0円でコンサルティングをやってきたんで。当然、出店者さんと関係性を築けないと売れません。「やりたくない」って泣きわめいて離脱するメンバーもいましたね。
―カオスですね。
6万円の価値は私には提供できませんと。チームを異動させて欲しいですと。
―うぇいさんはどういう気持ちでそのメンバーを見ていたんですか?
どういう気持ち…?この程度のレベルなんだろう。この子はっていう。
―ご自身はどういう気持ちだったんですか?
自分で商品を作って、それを売るって会社が決めたのですよ。会社にそれをバリューとして求められてるんです。やる以外にないっしょっ?ていう。ただそれだけっすね。
―気概が違いますね。それで、うぇいさんはパーソナルコンサルティングを作って売っていったということですね?
沢山買っていただいて、リピートもしてもらいましたね。販売終了まで、1年以上継続して毎月パーソナルコンサルティングをしていた店舗さんもいらっしゃいましたね。
―むしろ、出店者さんからお願いされ続けたと?
そうですね。その価値を感じて継続していただいたんで。
―でもまぁ、確かにデータの分析をして、店舗のページだけじゃなく、接客まで踏み込んでご提案していくのであれば、6万円の価値は出したいですよね。
当たり前だと思います。その価値を発揮しないと仕事をしている意味がないと思うんです。
ーその後はどうなったのですか?
その後は、一人チームになったんですよ。今度はウェイトチームっていう私1人のチームでした。売上上位トップ500の出店者さんは全て私がコンサルするという、一人部署ですね。
―売上上位の500店舗って大変じゃないですか?
大変ですよ。1年ぐらいやってたんですけど、その時はもうやばかったですね。あ!私が酒を飲まなくなったのはそのタイミングです。
「酒飲んでらんね!」っていう。「生産性を1ミリも落としてらんね!」っていう。
―朝から晩まで全力で働く…ってことですか?
そうです。スキルって急に上がらないじゃないですか?じゃあ生産性を上げるために何ができるかって、集中できる時間を増やすところだなと思ったんで。あとは、行動量を下げないためには、疲れを溜めないことだと思ったんで、生産性を上げる方法とか時間を作る方法とか疲れを取る方法とかって色々あるじゃないですか。全部やりきりましたね。
じゃないと絶対に終わらないんですよ。仕事が。
―一人で全部やるわけですからね。しかも、出店者さんからの日々の問い合わせって、凄い数があるじゃないですか?
それも全部やりますよ。500店舗分の問い合わせも全部対応しますし、パーソナルコンサルティングもあったんで。
―500店舗にそれをやっていたら、寝る時間がないですよ。
大変なんですよ。でも必死こいてやっていたのが伝わったのか、チーム間評価で年間1位を取れたので。会社のみんながちゃんと見てくれたのかなっていう感じはありますけどね。
―見ていましたよ。オフィスでいつもハイヒールをカツンカツン言わせながら全力でダッシュで仕事してるうぇいさんをみんなは知ってます。
そうですね。出店者さんが来社したら全力で走っていくっていう。
―そこは意識していたんですか?
意識してますね。トロトロ歩くコンサルタントとかうざくないですか?仕事できなさそうじゃないですか。だらしない服着てたりとか、変な髪色してたりとか、猫背で歩くとか…出店者さんからしたら、どう見ても売上を伸ばすことはできなさそうですよね。
社内でトロトロ歩く奴って確実に仕事できないやつなんで。
―それはその通りですね。
そういうやつはね、暇なんですよ。時間の価値が違うんですよ。出店者さんは時間を削ってお金を払って売上を伸ばしに来社しているんですよ。
―おっしゃる通りです。
まぁ、そういう感じで、一人でやっていたのですが、またチームに戻ります。今度はチームのリーダーになったんです。それで、1年ぶりに他のコンサルメンバーと一緒に働くことになって、愕然(がくぜん)としちゃうんですよね。
―どのように愕然としたのですか?
レベルが低すぎて「これやばい」と思って。それで気づいたんです。
私1人で頑張っていてもこの会社はスケールしないなって。
なんかそれなりに成果を出していたつもりだったんで、会社に評価もいただきましたし。それはよかったなって感じなんですけど、私はプレイヤーとしてベストを尽くしたかもしれないのですが、私だけ出店者さんの売上を伸ばしていてもしょうがないって気づいたんです。それ以外のコンサルタントが全然ダメだったら、会社全体の売り上げは上がらないじゃないですか?そもそも、出店者との関係性も作れないし…愕然としたんですよ。レベルの低さに。正直。
そこから、私は自分が活躍するのはもちろんなんですけど、活躍するコンサルタントを増やしてスケールさせないとやべえなって思って、それに向かって頑張ってるって感じですね。
―うぇいさんは全社からプレイヤーとして最高の評価をされたわけです。でも、その評価を得た時に、今度はマネージャーとしてチーム、組織を作っていかないと会社は良くならないと気づいたわけですね。
はい。このままでは会社がスケールしないと気づいたんです。それでいろいろやるんですよね。ちょうどその時に当時の本部長から「コンテンツを作ってください」と言われたんです。当時は何も無かったですし、他に誰も作れないので。だから、メンバーが伸びるように1on1やロープレ大会をやってみたり、マニュアルを作ってみたり、コンテンツもどんどん増やしていきましたね。今の研修の土台になっているようなコンテンツも、その時に担当店舗を持ちながら並行して作りましたね。
―うぇいさんが、組織の基礎を創ったのですね。当時の本部長にはできなかったんですか?
できなかったんじゃないですか。本部長といっても万能じゃないと思うので。メンバーに任せてみるみたいな側面もあるとは思うんですけど、当時の本部長はくらしのマーケットでコンサルティング業務をやったことがなかったので、それはできなかったと思います。出来ないなら私が組織を創るしかねぇなって。
―(マジでヤンキーあがりのおっさんみたいな喋り方だなぁ。千葉出身だし元ヤンなのかな?)プレイヤーとして極めたうぇいさんがマニュアル化して、誰でもできるようにしていったということですか?
そうですね。自分の考えをどう伝えるのかということを重要視してましたね。アウトプットをどうするか、口頭でもテキストでもそうですし、コンテンツとしてもどう伝えていけばいいのか…みたいなところはその時に考え抜いたっていう感じです。まぁ、無いものを創り続けるというのはそういうことですね。で、それが1年くらい続いてから、当時の本部長が退職することになったんです。
外からいきなり入ってきた人間にコンサルの本部長はやってもらいたくない
―次の本部長はどのように選ばれたのですか?
「次の本部長は誰がやるの?」ってなった時に、まあ選択肢は色々あったと思うんですけど、私は外からいきなり入ってきた人間がコンサルの本部長とかやってもらいたくないなと思ったんですよね。
―いいですね。
うちのコンサルの考え方って他にはないですし、浜野さんの考えを具体化したのは私だと自負しています。だから、他所から来た人が本部長になってしまうと、出店者とのスタンスや関係性が壊れる可能性があると思いました。その本質や大変さを理解している人じゃないと務まらないというか。
あと、他のコンサルティング本部のメンバーのことも考えましたね。何も分かってない外から来たやつがトップに立ってたら、みんなも嫌じゃね?って。当時、残っていたメンバーは真面目に仕事に取り組むメンバーが多かったので。だったら私がやってるわって。
でも、私が決めることじゃないので、浜野さんにご連絡して「私も選択肢に入れていただけないですか?」って依頼させてもらったっていう感じですね。
―それはかっこいいですね!それで、うぇいさんが選ばれたということですね。
まぁそうですね。浜野さんに選んでいただいたっていう感じですね。選択肢に入れていただいて、その中で選んでいただいたって話だと理解しています。
―外部の人が本部長になると、浜野さんが作った世界観が崩れる可能性は否定できないと思います。くらしのマーケットのコンサルティングって理想を目指しているからこそ、すごく難しいと思っています。だからそれを体現しているうぇいさんがトップに立つっていうのは、めちゃくちゃ良いことだと思いました。
ありがとうございます。私が本部長になるまでの話は以上でございます!
―そして、いきなり外からやってきたCFOの吉岡さんに「(叩き上げのうぇいさんが経営メンバーに選ばれたことは)いいロールモデルだ!」という評価をいただいたと(笑)
誰よりも色んな会社を見てきた吉岡さんにそのように評価されたことを私は光栄に思っていますよ!吉岡さんありがとうございます〜!
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