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南フランス旅行記 –マティスを追いかけて

イギリスでワーホリ滞在中のMaddieです。

こちらでの就活も進み仕事もそろそろ決まりそうなので就職する前に旅をしよう!と急遽思い立ち、南フランスのプロヴァンスとコートダジュールへ4泊5日の旅に出ました。

訪れた都市は
マルセイユ・ヴァンス・ニースです。

マルセイユとニースは知ってるけど、ヴァンスってどこ?って感じですが、私がずっと昔から行きたかった場所でどうしても見てみたいものがあり、今回の旅程に組み込むことにしました。

おもしろそうだなと思われたら、ぜひ本文ご覧いただけると嬉しいです♪

利用したフライト

今回はロンドン・ガトウィック空港からLCCの「easyJet」を利用してフランスへ向かいました。フライトは以下の通り、マルセイユIN → ニースOUTの旅程です。

出発の前日に飛行機を予約したにもかかわらず、なんと料金は往復で£85.98(約16,700円)でした。この料金でフランスまで行けちゃうのはLCCが普及しているヨーロッパならではですね。

マルセイユからヴァンス、ヴァンスからニースの2区間は「TER」という列車で移動しました。フランスの列車というとTGVが有名ですが、TGVは新幹線・TERは快速列車といったイメージだそうです。

左がTGV、右がTER


1日目:マルセイユ

もう4月だというのに気温10℃ という冬空のロンドンを早朝に出発し、太陽の光が降り注ぐマルセイユに到着したのはお昼頃。飛行機を降りればそこは初夏の気温にカラッと乾燥した空気でロンドンとは別世界のようでした。

南フランスは年間通して雨がほとんど降らないそうです。やっぱり年中晴れっていいなあ〜と思ったのも最初のうちだけ。

実は日が経つごとに極度に乾燥した空気のせいで喉を痛めてしまいました。やはり湿気大国に生まれた日本人には耐え難いほど乾燥しているので、これから行かれる方はのど飴や寝る時用のマスクなどお持ちになると良いかと思います。

という健康被害の報告はほどほどにして(笑)
マルセイユで訪れた場所をお伝えしたいと思います!

海と山の対比が美しい、カランク

カランクとは断崖絶壁の岩に囲まれた入江のことで、マルセイユから東に20キロ続く海岸線にあります。白い岩の色とトルコブルーの海。ここ以外でこの景色は見ることはできないでしょう。

晴天でも湿度がほぼなくてカラッとしているので、全然暑くありません。泳いでいる人も写真にはいますが、水温はまだ4月だと低く、とてもじゃないけど海に入ろうとは思えませんでした。

マルセイユといえば!ブイヤベースを堪能

ブイヤベースとは「地元の磯でとれる魚介類を香味野菜で煮込む海鮮料理」(Wikiより)だそうです。

お魚大好き日本人の口に合わないわけがない!ということで、これを絶対に食べて帰るのだという使命を課してマルセイユにやって来たので、賑わっているお店を狙って少し列に並んでから席につきました。

初めて食べたブイヤベースは感動ものでした

写真のようにスープとパンが提供されます。パンにフレンチマスタードとチーズを乗せ、魚介の旨みが詰まったスープに浮かべ、ひたひたになったパンをスプーンですくって、スープと一緒にぱくり。

このパンとスープのマリアージュは他では絶対に味わえない美味しさです…!個人的にはフレンチマスタードが良いアクセントを加えているなと思いました。

ユーロ高でレストランの食事は全部高いな〜と渋っちゃいますが、ブイヤベースにだけは課金して正解だと思いますよ。

旧港(Vieux-Port)を散策

マルセイユのシンボル的な風景といえば、やはりこのボートが並ぶ港と丘の上にそびえ立つ教会。


このあたりにはレストランやお土産物屋もあり、散策していて飽きることはありません。

ちょっと歴史的な勉強がしたいな、と思ったらマルセイユの港を囲む砦に行ってみてください。紀元前 6 世紀頃に築かれた長い歴史を持つマルセイユの港。博物館もあり見どころ満載です。

ちなみに…
個人的な話ですが、マルセイユのこの景色を見ていると、10年も前に3週間だけ語学学校に通ったマルタでの滞在を思い出しました。

マルタも小さい島国ながら同じ地中海にある城塞都市として有名で、海の色や城壁の色など、かなり景色が似通っていたので昔を思い出していました。

城壁に囲まれたマルタの旧市街バレッタ


2日目:マルセイユ→ ヴァンスへ

マルセイユを存分に楽しんだ後は、メインターミナルの「Saint-Charles」駅(サン-シャルル)を出発し、TERでヴァンスまで向かいます。

ヴァンスまで、といってもヴァンスはニース近郊の山々にある街のため、鉄道は通っていません。最寄りの鉄道駅「Cagnes-sur Mer」で降りた後、公共バスに乗ってヴァンスへ向かいました。ヴァンスへは9番のバスに乗って最終停車駅まで乗りっぱなし。以下の道順です(出発時間は適当)。

途中カンヌ(Cannes)で列車を乗り換えます

列車の乗り換えやバスへの乗り継ぎなど動きがあるのでそこまで長時間には感じなかったのですが、なんと合計3時間半かかっています(笑)。

ホテルに着いた頃には19時でしたが、陽が落ちて真っ暗になるのが21時くらいなので、十分に夕暮れの景色を楽しむことができました。

中世ヨーロッパが感じられる場所

城壁と堀に囲まれている

ヴァンスは中世ヨーロッパの街並みがそのまま残っています。旧市街を囲む城壁はなんと古代ローマ時代に建てられたとのこと。古代の洗濯場のような場所もあり、古い街の作りがそのまま現存する場所はヨーロッパの中でも珍しいと思います。

また、街は美しい山々にも囲まれており、以下はホテルからの写真ですが山の岩肌と緑とカラフルな家々の対比が美しい眺めでした。

部屋の窓から
ホテルの屋上から


ヴァンスで訪れたレストラン

この日の夕食は地元民が訪れるレストランへ。メニューが全てフランス語で書かれているので、店員のお兄さんが英語で全て説明してくれました。

その後も度々同じようにレストランで英語に翻訳してもらうという事態が発生しましたが、その度にフランス語が読めたらなあと感じました。スーパーに行っても商品の説明が全く分からないので買い物の楽しみも半減です(笑)。

ちなみにこちらのレストランではお兄さんの英語の説明もフランス語訛りが強く半分以下の理解度でしたが、もうどれを頼んでもおいしいだろう!と意気込んでロゼワインと食事3品を注文。予想通り、全て美味でした。

左:アーティチョークのサラダ、右上:パンコントマテと生ハム、右下:牛肉にマッシュポテトが乗ったグラタンのようなもの


3日目:ヴァンス

この日はヴァンスのホテルをチェックアウトし、ニースへの移動日でした。再びヴァンスから9番の公共バスに乗って鉄道駅「Cagnes-sur Mer」まで行き、TERに乗ってニースの中央駅「Nice-Ville」へ向かいます。

その前に、ヴァンスでのメインイベントが待っていました。それは、フランスの画家アンリ・マティスが手がけた「ロザリオ礼拝堂」へ行くことです。

夢だったロザリオ礼拝堂への旅

アンリ・マティスの存在を知ったのは、原田マハさんの小説『ジヴェルニーの食卓』だったと記憶しています。この本がきっかけでマティスについて調べるようになったり、画集を買ったりして興味を深めました。

そして、いつか彼の人生の集大成とも言えるロザリオ礼拝堂に行きたいと思うようになりました。私のバケットリストの一つでした。

ロザリオ礼拝堂へは、先ほどのホテルの屋上からの写真にもある山の斜面に位置しています。山の斜面といっても、城壁に囲まれたヴァンスの旧市街から出て橋を渡り、坂道を歩いていけば10分程度で到着しました。

十字架の立つ白い建物が礼拝堂。奥の建物ではない。

残念ながら礼拝堂の中は撮影禁止のため、中の写真はありません。ですが、マティスが作成したステンドクラスの柔らかい光と、線だけで描かれた聖母マリアやキリストの受難の物語の絵。それらに囲まれたとき、まるでマティスの温かい愛に包まれたような気がしました。

その場にいるすべての人が心を落ち着けられる場所。

きっと後にも先にもマティスにしか生み出せない空間です。

ヴァンス美術館

ニースへ行く前にもう1軒、ヴァンス美術館(Musée de Vence)を訪れました。ちょうど切り絵を中心としたマティスの作品が何点か展示されていました。

ニースにもマティス美術館があるので、ここでは見なくていいかな?と思いつつ、せっかくなので行ってみることにしました。この決断が後々功を奏すとは知らず・・。

以下の大きなデッサン画も、美術展じゃお目にかかれない珍しいものじゃないの?と思い写真に収めました。

生き生きとしたマティスの筆使いが感じられる

夢だったヴァンスに来られたことに感謝し、滞在を終えました。

4日目:ニース

事前情報で「ニースは昔イタリアの統治下だった」と知っていたので、それを踏まえて街を歩いているとやっぱりマルセイユとは違うなあとしみじみと感じました。


以前、イタリアのポジターノという街に行ったことがありますがその景色にもちょっと似ている感じです。

そしてニースの方がザ・リゾート地です。ロサンゼルスのベニスビーチのような長いビーチがあるので、きっと夏にはヴァカンスを楽しむヨーロッパの人々でいっぱいになるのでしょう。

良い被写体になってくれた子たち


マティス美術館・・ではなくシャガール美術館へ

ニースにきた一番の目的は「マティス美術館」へ行くことでした。

が・・・なんとマティス美術館のWebサイトを見ると「東京の美術展に作品が展示されているので今はマティスの作品は置いてない」と書かれているではありませんか!!!

不覚でした。日本を出る前に「あ、東京でマティスのロザリオ礼拝堂を再現した美術展やってるんだ〜」と情報はキャッチしていたものの、まさかマティスの作品までごっそり日本に持って行かれているとは思いもしませんでした。

この状況でマティス美術館に行ってもしかたないよなあ・・と泣く泣く今回は諦めました。今回は、です。またきっと行きます。
でも、ヴァンス美術館で少しでもマティスの作品を見ることができたのは良かったです。

また行くという点で思い出しましたが、実はマルセイユの近郊にあるロクシタンの工場にも行きたかったんです。

フランスにはまだまだ訪れて見たい場所があるし、今回の旅でとても気に入ったので、またイギリスにワーホリで滞在しているうちに行けたらいいなあと思っています。

ということで、マティスではなく代わりにシャガール美術館へ(代わりにとか言ってシャガールさんごめんなさい)。こちらも大変見応えがありました。生涯通して彼の作品がどのように変容していったか、見比べてみると面白かったです。

シャガールのステンドグラスも圧巻です


ピカソもシャガールの色使いを認めていたといいます。マティスにしてもシャガールにしても、色彩豊かな作品が印象的です。やはりこの南仏の光が画家たちを魅了していたのでしょう。

5日目:ニース→ ロンドンへ帰着

怒涛の4泊5日の南仏旅を終え、eastJetでロンドンへ帰りました。

冒頭でもお伝えしたように、乾燥で喉がやられたので寒くてもロンドンの湿度が恋しいくらいになっていました。でもこうして記事を書いている今は寒いばかりのロンドンの気候が嫌になっていますが(笑)。

お土産は特に大したものは買っていませんが、ニースの名産「ソッカチップス」はおすすめの一品です。ひよこ豆で作られたチップスですが、一度食べると病みつきになります。

左がプレーン、右が黒こしょう味


以上、南仏旅行記でした。
太陽の光が恋しくなったら、また南仏に行きたいです。

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