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ドイツのスキー登山文化

今回はドイツのスキー登山について、写真中心の投稿で。

むかしドイツに住んでいた時、僕は雪山は登るけれど、スキーは殆どしなかった。動的な運動はあまり得意な方ではなく、怪我をしそうで。

だから雪山登山では、歩いて下山するか、または登山道が整備されている山ではソリで下山するかのどちらか。

でもドイツ人は「スキーで登山」を楽しむ人たちが多かった。

って、日本でもそのスタイルは一般的なんだろうか。僕は日本での冬山の経験が少ないので、日本の事情はよく分からんが。

以下では、当時僕が住んでいた地域でのスキー登山の様子を。ただ、たぶん同じドイツでも地方によって違いが大きいだろうし、あと自分自身がやっていたわけではないので、あまり詳しいことは分からないけど、という前提で。

スキー登山者

スキー登山の皆さんは、通常の登山者とおなじように車や電車・バスで登山口までやってきて、スキーを担いで登り始める。そのうちに登山道が充分に整備された状態になると、おもむろにスキーを履いて登り始める。クロスカントリースキーで平地を歩くのと同じように、スキーの板を一歩一歩滑らせて、その要領で山を登っていく。

スキー板で山を登ると、板が滑って後退してしまって、前に進んでいかないのでは?と思うんだけど、実際にはスキーの板は後退しない。なぜなら、みなさん実はスキー板の裏側に登山用のシールを貼っているから。そのシールを貼っていると、滑り止めの役割を果たして後退しないようになっている。だから雪山をスッ、スッ、と登っていける。

犬はちょっと寒そう?

そして、スキー板とスキー靴が繋がっている部分は足のつま先だけ。かかと部分は浮き上がるようになっている。だから傾斜でも自然に登っていける。

頂上はすぐそこ

そうやって頂上まで登ったら、そこでみなさんスキーを外して、ちょっと休憩。人によっては、立ったまま虚空を見つめ、恵方巻を食べるがごとく黙々とサンドイッチとか胃に詰め込む

よい景色を眺めながら休憩

そんな休憩が終わったら、いよいよスキーで下山の時間に切り替わる。最初にすることは、まずスキー板の裏側に貼り付けたシールをピーッと外すこと。そうすると通常通りに滑ることができる状態に戻る。

そしてスキーを履いて、颯爽と滑り降りていく。

新雪の斜面を滑り降りる女性。気持ちいいだろうなー。

雪山の登山者のうちで、どれくらいの割合の人たちがスキー登山の人たちなのか?

それは山によってかなり違っている。岩登りとかが必須な山になるとスキーで行き来できなくなるので、スキー登山者はほとんどいない。

ただ、登山道の幅がほんの数mくらい確保されていれば、みなさん器用に木々の間を縫ってスキーで下っていく。だからそんな山だと、僕の感覚で言えば、半分以上はスキー登山者だったりすることも。

この道のように、わずか数mの道幅があれば充分。
登山道ではない斜面を降りていくパターンも多い。向こうには全面凍結した湖が見えている。

下は1分半くらいの長めの動画で、最後の20秒くらいにリュック背負ってスキーで下山する人たちが映っている。この時ぼくはスノーシューで登ってきたと思う。

まとめ

さて、如何だったでしょうか、ドイツのスキー登山の文化について。

最初に書いたように、僕自身はスキーを殆どしないので、肌感覚ではよく分かっていない。

でもいつも感じていたことは、雪山は多様性に溢れている。普通に登山靴やアイゼンで登る人。スノーシューで登る人。ソリを担いで登って、ソリで滑り降りる人。ケーブルカーが通っている山では、パラグライダーで滑空して降りる人たちも。そして、スキー登山者。

これだけ多種多様な人たちが、思い思いに雪山遊びを楽しんでいるんだけれど、お互いにうまく共存している。そしてみんなで自然の豊かさや素晴らしさを共有しながら経験し、その嬉しい感覚を笑顔という形でお互いに伝え合う。

うん、今回の記事で僕が書きたかったのは、こういうドイツの雪山文化の多様性だったのだろう。

by 世界の人に聞いてみた

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