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十牛図

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十牛図についての考察。徐々に記事の追加、適宜補足、追記します。
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2020年1月の記事一覧

第二見跡(けんせき)

序 経に依って義を解し、教えを閲(けみ)して跡を知る。 衆器の一金たることを明らめ、万物…

第三見牛(けんぎゅう)

序 声より得入し、見ろ処に源に逢う。 六根門、着着(じゃくじゃく)差(たが)うことなく、動用…

第四得牛(とくぎゅう)

序 久しく郊外に埋もれて、今日渠(かれ)に逢う。 境の勝(すぐ)れたるに由って、以って追…

第五牧牛(ぼくぎゅう)

序 前思纔(わず)かに起これば、後念相随う。 覚(さとり)に由るが故以(ゆえ)に真となり…

第六騎牛帰家(きぎゅうきか)

序 干戈(かんか)已(すで)に罷(や)み、 得失還(ま)た空ず。 樵子(しょうし)の村歌…

第七忘牛存人(ぼうぎゅうぞんにん)

序 法に二法無し、 牛を且(しばら)く宗と為す。 蹄兎(ていと)の異名に喩え、 筌魚(せ…

第八人牛倶忘(にんぎゅうぐぼう)

序 凡情脱落し、 聖意皆な空ず。 有仏の処、 遨遊(ごうゆう)することを用いず、 無仏の処、 急に須(すべから)く走過すべし。 両頭に著(お)らざれば、 千眼も窺(うかが)い難し。 百鳥花(はな)を含むも、一場の懡儸(もら)。 頌 鞭索(べんさく)人牛(にんぎゅう) 尽く空に属す。 碧天(へきてん)遼闊(りょうかつ)として 信通じ難し。 紅炉焔上争(いか)でか雪を容(い)れん。 此(ここ)に到って方(まさ)に 能(よ)く祖宗に合(かな)う。

第九返本還源(へんぽんげんげん)

序 本来清浄にして、一塵を受けず。 有相の栄枯を観じて、無為の凝寂(ぎょうじゃく)に処す…

第十入鄽垂手(にってんすいしゅ)

序 柴門(さいもん)独り掩(おお)うて、千聖も知らず。 自己の風光を埋(うず)めて、前賢…