クリスマスにはまだ早いけど、サンタの準備はできました。
先日、私は本屋に行った。
欲しい本があったわけではなく、プレゼントを選ぶためだ。
ブックサンタになるために。
たぬきちさんの記事でブックサンタの事を知って、なんだか居ても立っても居られないなくて、次の日すぐに本屋に行ったのだ。
その記事はこちら ↓
たぬきちさん、ありがとう!
本当は、たぬきちさんの言う通り小学生向きの本を選ぼうと思っていたのだが、隣の絵本コーナーに目を奪われてしまった。
懐かしい絵本が並んでいて、そこから動けなくなってしまった。
私には5人の子どもがいる。
男3人、女2人。noteにしょっちゅう登場する三男くんは4番目に生まれた。
長男が生まれてから次女ちゃんが年長になるまでの15年間くらい、毎晩布団で夫か私が絵本を読んでいた。
子ども達はみんな絵本が大好きだった。
5人のうち3人は結婚しているが、孫はいない。
いや、正確に言うと 女の子と男の子の孫がいる。
長男の子だ。
彼のパートナーさんの実家が遠いということで、2人とも一か月間 出産後を我が家で過ごした。
いわゆるお産扱いというやつ。
生まれたての小さな命を ばあばとして抱いたときは涙があふれた。
パートナーさんに気を使いつつも、幸せな時間だった。
2人目の時は上の子は2歳のかわいい盛りで、ばあばは一緒に遊べるのがうれしくて楽しくて、孫よりはしゃいでいた。
かわいい愛おしい二人の天使に、ばあばはメロメロだった。
上の子が5歳、下の子が3歳の時に長男一家は北海道の端っこの方に転勤になって、なかなか会えなくなってしまった。
毎年クリスマスに、ばあばサンタは二人に絵本をプレゼントしていたから、その年もそろそろ選ばなくちゃなと思っていたころ、長男から
離婚しました
との便りが届いた。
ショックだったけど、心のどこかでやっぱり…と言う感じだった。
離婚は仕方がないが、孫ちゃん二人に会えなくなるのが辛かった。
しばらくは職場の方の孫自慢を聞くのが嫌だった。(本人は自慢とは思っていないからなおさら。)
街を歩いていて、孫とおばあちゃんらしき人たちを見ると思わず顔を伏せた。
元気にしてるのかとふとした時に思い出している自分がいた。
長男からの連絡はその後ぷっつりと途絶えた。
が、まあそんなことにも5年6年と経てば慣れてしまう。
長男の元パートナーさんはSNSで三男くんと繫がっているらしく、時々彼から二人の近況を聴くことができるし、私は好きなことを好きなだけやりたいようにできているんだから。
みんなが生きてるだけでまるもうけって思ってる。
絵本コーナーで見つけた、ボロボロになるまで読んだ子どもたちが大好きだった絵本。孫たちのクリスマスプレゼントにした絵本。
一つ一つ手に取って眺めた。
中には、あんなに読み聞かせしたのに、ラストを憶えていないものもあった。
一番「読んで!」と言われた「めっきらもっきらどーんどん」
「ぐりとぐら」も好きだったな。
「ノンタン」は孫ちゃんにもプレゼントした。
「くいしんぼうのはなこさん」も。
私が好きな
「ムニャムニャゆきのバス」 と 「がちゃがちゃどんどん」は 見つけられなかった。
かなり長い時間、絵本コーナーに居座り、独り言を言ったり、にやにやしたり、驚いたり、涙ぐんでたり。
なまら挙動不審のおばちゃんになってたわ。
最終決戦に残った3冊。
そして、悩みに悩んでブックサンタの私が選んだ絵本はこちら。
「ねこいる!」
こんなの誰でも笑う。
こういうの大好きだ。
レジに持っていき、
「ブックサンタになりたいんです。」
と言うと
「ありがとうございます!」
ってお姉さんがほんとに嬉しそうに笑ってくれた。
店を出たら、目の前にすっかり秋色になった街路樹が見えた。
その向こうの高くなった青空を見上げて
クリスマスにあの本を受け取ってくれるのはどんな子かな。
どんな顔してページをめくるのかな。
声を出して笑ってくれるかな。
って考えていたら
日本のどこかにいるその子が、あの頃の子ども達と孫ちゃん達と重なって見えた気がした。
さあ、みなさんもブックサンタになりませんか?
あったかーい気持ちになれますよ。
したっけ
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