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ひとさじの強い味方たち〜スペイン・バスクの料理〜



それはまだ自由に海外に行けていた頃、
スペイン・バスク地方の街へ訪れた時の話です。

サン・セバスチャンの旧市街

旧市街をそぞろ歩いてみれば、
どの路地にも数多くの魅力溢れるバルが立ち並び、
わくわくしながら覗いてみると、
チーズ専門、肉に強い、シーフード多め、賞を獲得した最先端の店など、それぞれ固有の趣向を凝らしたピンチョスたちが、カウンターの端から端まで数え切れないほどに華やかに並べられ、
その壮観な眺めには、毎回心が躍りました。

そんな、酒呑みたちの心をわしづかみにしているピンチョス。
昼間から夜遅くまで、いつでも頂けます。
また、スペイン語ができなくても、「これ食べたい!」と指差せば良いのも嬉しいところ。

小さなパンのスライスに、ゆで卵やツナ、生ハムや海老、チーズなどの具をのせているだけのようにも見えるけれど、
ひとつひとつ味わうたび、その下に塗られているソースやペーストの存在感は小さくない、と気づいたのでした。

カニや海老などシーフード多めの店
天ぷらなどかなり凝った作りのピンチョスたち
チーズ専門バルの品々
さまざまなピンチョ.ヒルダ
1番の繁盛店の美味しいピンチョス
ピンチョ・モルーノ
ピンチョスコンテスト優勝の一皿


忘れないようにと、慌ててメモメモ📝

味わったピンチョスすべてを記録して、ソースの味を再現できるように、帰国後あれこれ夢中で試すうちに、具の下の隠れた工夫が、転じて私たちの日々の料理にもかなり役立つのでは、と感じるようになったのです。
汚い字で恥ずかしいですが、以下はメモの一部です。

ごく普通の食材で、調理もいつも通りのシンプルな方法であっても、そこにひと匙加えるだけでぐんと深みが増したり、見た目を裏切る面白い味を醸し出してくれるソースや調味料を、自分の頼もしい味方にしてみる、ということです。

一見、小さな工夫ではありますが、ワンパターンになりがちなメニューに、何倍もの変化が生まれ続ける可能性を、この旅から戻ってからもたびたび感じているのでした。

試作がうまくいった一例を、ご紹介します。

フレイバーバター(あおさ、ナッツ、デーツ、スパイス)

フレイバー塩(ぬカリー(米ぬかとカレー粉)塩、エビの殻塩、エスニック(ニンニクとレモングラス、唐辛子)塩、韓国のり塩、トマト塩)

フレイバービネガー(オレンジ、にんにくと唐辛子、昆布と梅干し、あたりめ、ベリー類、さくらんぼ、炒り黒豆、桜塩漬け、きのこのソテー)

料理用ジャム(玉葱のジャム、かぼちゃとオレンジのママレード、さくらんぼとワイン、梅とシナモン、レモンとスパイス、干し柿)

しょうゆ漬け(巨峰、青唐辛子、にんにく、青じそ、えごま、梅干しの種)

味噌漬け(ごぼうと麹、干しいちじく、バジル、にんにく唐辛子、炒め根菜(鉄火味噌)、チーズ、鶏レバー、生卵黄)

シンプルな食材や料理にひとさじの自分らしさを。
その面白味に今もはまっています。

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